人vs猫 寝床争奪戦

仕事が立て込んでくると、僕は寝室では寝なくなる。
爆睡してしまうからだ。
眠りを浅く、短い時間で仕事に戻れるように、仕事部屋で仮眠を取る。
できるなら、仕事机に座ったまま寝てしまいたいくらいなのだが、いかんせん仕事椅子のリクライニングはそれほど深くならないので、もっぱら悪魔の椅子(正式名は「グランドマンボウソファ」だが、腰掛けると「スゥ」と寝に落ちてしまうので、悪魔の椅子と呼ばれる)で眠る。
夜中に夜食を求めて近所のコンビニまで出かけるとき以外は、ほとんど仕事部屋の中しか移動しなくなる<不健康
 
で、麟太郎(猫。メス2歳)は何をしているのかというと、基本的に仕事部屋に入り浸って、僕の仕事を監視している。と見せかけて、僕のいる「場所」をついて回っては、適当なところで寝ている。
 
麟太郎の「寝床」は、仕事部屋には3箇所ほどある。
ひとつは悪魔の椅子。僕が机に向かっているときで昼間だったら悪魔の椅子は麟太郎のもの。僕が寝るときは悪魔の椅子から麟太郎を追い払う。
ふたつめは僕の仕事椅子。僕が悪魔の椅子で仮眠を取っているときは、昼夜関係なく仕事椅子は麟太郎のもの。僕が仕事に戻るときは仕事椅子から麟太郎を追い払う。
つまり、だいたいは僕と麟太郎は同じ椅子を交互にシェアリングして使っていることになる。仕事椅子も悪魔の椅子も僕のものなのに、麟太郎に占領されているといえないこともない。
「そこどいてくれ」と近付くと、それまで寝てたくせにいきなり目を覚まし、しかもすぐにはどいてくれない。腹をでーんと見せて、「なでれ」と可愛がることを強要する。喉なり腹なりを納得するまで撫でてやるか、そんなもんは無視してこちらの尻をでーんと載せるかしないと、動いちゃくれない。
猫の癖に生意気だ。
 
ちなみに、みっつめの寝床は麟太郎が占有していて、僕がそこに寝ることも座ることもない。だが、僕にとってはいちばん陣取って欲しくない場所であり、カバーを掛けたりいろいろ防御しているのだが、一向に効果がない。
その場所は、仕事机のラックに乗せた、「レーザープリンター」の上。
仕事部屋で、猫が飛び乗れる場所としては一番高いところにあるのは確かなのだが、そんなところ乗らないでほしい。
ビニールカバーだと破かれてしまうので、お古のデニムのジャケットをカバー代わりにかぶせてみた。
もはや時間の問題っぽい。