最近の日記を読み返してみると、見事にG-Motionの話題しか書いてない。
別にそれしかしてないわけではないが、書き残すほどのことはないなあ、と。
 
本はなんだかんだで読んでいるが、このところ妙に「食べ物絡みの本」に飢えている。
と言っても、グルメガイドとかレシピ本ではなく、資料系食べ物本。
古本(ふるほん、ではあるのだけれど、むしろ「こほん」と呼びたい年代もの(^^;))で美味礼賛を読んでいる。関根秀雄訳の岩波文庫版で、初版は1967年。手元にあるのは三刷で1969年の本。カバーなんか付いてないわけで、寝床で寝っ転がって読むには気が引ける。そういう理由で普段は使いもしないブックカバーを探しに出かけたほどだ(近所の100円ショップに。結局、保険証カバーを買って帰ってきたが、案外ぴったりだった)。
 
ブリア=サヴァラン著、関根秀雄訳のこの本は、「飯モノ本」の古典中の古典。
飯モノの小説・漫画の大元の底本みたいなもので、「食ってるもんで何者か当てる」だの「新しい味の発見は天体の発見に等しい」だのという名文句の元ネタ集でもある。一度読んでおいて損はない。ないが、とにかく文章がかったるいんである(^^;)
60年代に訳された本だからということもあるだろうけど、それ以上に革命後のフランスで書かれたという原本の時代背景と著者の国籍(笑)も、執拗で回りくどくて鬱陶しい文章の原因になっている。僕もその昔、クラークにちょっと憧れてしつこい文章を書いていたことがあるし、今の文章だって決してコンパクトとは言い難い。(怪談は別)が、そんな僕をして「すんませんでした。生意気言いました」と目を閉じてビンタを待つくらいのしつこさ。
これがフランス人というもので、モンティ・パイソンの面々が(というかジョンブルの連中が)フランス人を嫌う理由の根幹はここにあるんかなあ、と関係のないところで感心した。
 
クラウゼヴィッツ戦争論〈上〉 (岩波文庫)戦争論〈下〉 (岩波文庫 白 115-3)なんかもそうだけど、この手の「回りくどい古典」は、読んでいると眠くなる誘眠性があるので、ある意味寝床で読むのに向いているといえば向いている。
ただ、寝床で読むと頭に全然入ってこないので(すぐ寝ちゃうから)、内容が頭に残らない。これでは古典に手を出す意味がない(^^;)
 
かといって、小説の面白いのを読み始めちゃうと、夢中になっちゃって徹夜しちゃうし……。
寝床で読む本の条件としては、

 
その理想に合わせた、しかも美味礼賛よりは軽い本はないもんかと近所で漁ってきたのが以下の2冊。

カラ-完全版 日本食材百科事典 (講談社+α文庫)

カラ-完全版 日本食材百科事典 (講談社+α文庫)

 
とことんおでん紀行 (知恵の森文庫)

とことんおでん紀行 (知恵の森文庫)

カラ-完全版 日本食材百科事典 (講談社+α文庫)は、文字通りフルカラーの「食材辞典」なのだが文庫サイズで1480円もする。でも、それだけの価値はあるわけで、ネタ本、コラム集として楽しめる。
とことんおでん紀行 (知恵の森文庫)は日本全国のおでんの食べ歩き本とも言うべき軽い本で、言うなればテレビ東京の二時間スペシャル番組「日本全国おでん食べ歩きスペシャル、有名人が味わう東北のあっと驚く幻のおでん種を捜せ」みたいな感じのノリを活字で読む感じ。
 
食べ物と旅を扱う本と番組は、気楽でいい。
眠りに落ちるときは、気楽で楽しく幸せな気分で意識を失いたいものだ。