心霊落語

注文していた本「古典落語100席―滑稽・人情・艶笑・怪談…… (PHP文庫)立川志の輔:著/PHP出版)」が届く。
このところ、立て続けに本を読んでいる(といっても殆どが「資料本」なのだが)。
これもその一環、と見せかけて単なる趣味。
新しい本ではないが、古典落語の定番ネタの粗筋が、見開き2Pで1席ずつ紹介されている。
「えーと、あれあれ、あれなんだっけ」というときに引く本としてちょうどよいので購入。
 
落語のジャンルの中には「怪談噺」というものがある。
有名どころでは「真景累ケ淵」「怪談牡丹灯籠」などは、落語をあまり知らない人、怪談をあまり読まない/見ない人でも、タイトルくらいは小耳に挟んだことがあるのではないかと思われる。
噺家の語る怪談というのは、クーラーがなかった時代に蒸し暑い寄席の中で涼を取ろうという目論見で行われたもので、夏場の定番モノだった。
実際に寄席に足を運ぶ機会はあまりなく、せいぜいがラジオ・テレビや、好きな人ならCD/DVDで聞く程度しかないと思う。僕も生で聞く機会はそんなにはない。
先の真景累ケ淵なんかは、実際に演じるとなると10数時間にも及ぶ超大作の演じ物なのだそうで、寄席にかかるときも全段を演ることはあまりなさそう。演るほうも聞くほうも大変そうだし。
 
僕の書く怪談の一部には、恐怖の部分より笑いのほうが勝ってしまい「心霊落語」となってしまっているものがいくつかある。怖がりたい人にとっては肩すかしを食ったようなもんで、「怖くなかった(`皿´)ムキー」と大変申し訳ない評価をいただいてしまうこともままある。
心霊落語と落語における「怪談噺」を比べたら、落語の怪談のほうが遙かに怖い。大御所演じる本場もんには笑うゆとりも笑って安堵させるオチもない。ので、「心霊落語」などを語ると噺家さんに鼻で笑われそうで肩身が狭いのだが、いつか機会があったら拙作の心霊落語群の中からいくつか選んで、寄席に掛けていただいてみたい、という野望もなくもない。
CrewSwing(拙書:「弩」怖い話―螺旋怪談 (竹書房文庫))あたり如何なものか。
 
 
 
PS.6/25有楽町で公開予定の「超」怖い話The Movie 闇の映画祭では、上演前の演目として噺家快楽亭ブラック師匠による「落語」があると聞いた。実は凄く楽しみにしている。
それまでに「超」怖い話Zの原稿が終わればいいな、と思う。