自在鉤計画

ずっと放置していた……わけではないのだが、自在鉤。
プロトタイプを2種並行して作成しているうち、Tシャツで過ごす季節になってしまった(T_T)
ま、それはそれとして。
 
プロトタイプAは、「大黒鉤(恵比寿鉤)から縄をおろし、横木とつるかけ(鉤)を吊す」方式。
プロトタイプBは、「支柱(中空)を吊るし、支柱の中央に軸を通し、軸を横木で支える」方式。
 
一般的に「自在鉤。囲炉裏に吊すアレ」と言われて思いつくのはプロトタイプBのほうで、構造が簡単なのはAのほう。
プロトタイプBの支柱は、例えば節を抜いた孟宗竹で作るとカッコイイのだが、節を抜く道具がないので今回は10×20×900mの杉板材4枚(1枚90円)を木ねじで固定して、中央に穴が空いた四角い木の棒とした。
が、中央に通す軸の長さが今ひとつ合わない。
これも細い真竹などで作るとカッコイイのだが、それだと軸の下に付けるつるかけ(鉤)の接続部分にえらい力が掛かるようで強度が心許ないので見送った。
そんなこんなでプロトタイプBはパーツをいろいろ試作したところで休止。
 
とりあえずつるかけの部分と横木はできているので、プロトタイプAを組んでみた。
縄(材料:ココヤシ繊維)を舫にして繋いでみる(忘れているようで案外身体が覚えていた)。鉄鍋、鉄瓶を吊してみるが強度は取り敢えず大丈夫、のようだ。
見映えもなんとなくそれっぽい。
が、ココヤシの繊維がボロボロと剥がれて落ちる。
自在鉤は鍋を吊したりするので、鍋の中にココヤシの繊維が落ちるのは、いまひとつ。
ということで、縄はとりあえず見送って、ステンレスのチェーンにしてみた。
一個の大きさは5×10、太さ1mm程度だが、耐荷重は60kgある。
自在鉤を吊すベース部分の耐荷重が20kgなので、大余裕というか少々オーバースペックなくらい。(これ以上細くすると、横木で滑りそう)
取り付けてみるとなかなか具合もよろしい。
鉄鍋(大:27cm・4〜5人用)に水を張って吊してみるが、ベース部分、チェーン、つるかけ、全て問題なし。滑り落ちるということもなく、高さ調整もスムーズ。
縄の繊維が落ちることもないので、当面はこれでいけそう。
ただ、横木とつるかけから木片が落ちる。これは、ドリルで開けた穴の縁の部分が剥がれているものと思われる。ヤスリ掛けすれば解決できそう。
 
基本構造はいいとして、現在使っている横木+つるかけは、プロトタイプだけに「杉角材」でおもしろみもなんもない。例えば装飾(彫刻)であったり、もしくは木肌をそのまま生かしても面白い自然木などを使うとよいのかもしれない。皮付きの中枝を確保してあるのだが、今回の「鍋に破片が落ちる」ということを考えると、実用上は皮はむしろ剥いてしまった方がいいのかも。
また、今回は材料の安さ(笑)と加工のしやすさという視点から、全て杉材で作っているのだが、横木は杉材では軽すぎるかもしれない。重さが足りないので、横向きにならずに横木が立ってしまう。自在鉤の横木に樫材や鋳鉄などが使われるのは、見映えの問題だけでないわけで。
いろいろ課題は残るが、「自宅に籠もってする木工道楽」としては無難w