ネタ選び

日記には「仕事が辛くて大変な話」はなるべく書かないようにしている。
「いつも遊んでばっかでござい」と見栄を張っているのである(笑)
水面下では夏休み最終日の小学生のように焦りまくっているのだが(^^;)
 
このところ続けているのは主にネタ選び。
お預かりしたネタを改めてよく読んで、「これは今が書き頃」というものを探す。
怪談本を書くのだから怖いほどよいのだが、ごくたまに伺った直後には「なぜ怖いのか」を自分で消化できない話がある。
そういう話は、「前提」「何が起きたか」「どういうことになったか」を、改めて箇条書きにして整理しなおしてみて、その上で「行間を読んでもらうために、直接書かない」ことにしたり、場合によってはネタ元の方にさらに詳しく確認をしてみたり、という作業を行う。
ただ、こちらから「このときこんなでしたか」という水の向け方をすると、誘導されて「そうかな。そうだったかも」となってしまうこともあるので、できるだけ当人が伝えたい、と強く念じたことだけを伺うことにしている。
このへんの作法は人それぞれ、目指すところによってずいぶんと違うんじゃないかと思う。
僕は「怖かった」という体験者の気持ちを、なんとか殺さないように復元することで手一杯であるわけだが。
 
そんなわけで、ネタ選び。
長さの大小、ジャンル別仕分け済み、寝かせてるネタ、見送ったネタその他合わせて、だいたい400弱くらいのストックがあるわけだが、夏の大本命に加えるに価するもの……となると、どれをどう選ぶというのがなかなか難しい。
出すのにはまだ若い(書き手としての僕がもっと成熟してからでないと、うまく書けない)ネタというのもあるし……ってんで、実際に書く作業そのものより、ネタを選んで整理してよく消化するという前段の作業のほうが僕にとってはしんどい。
最近では「超」怖い話以外に書かせて頂く機会も増えてきたとはいうものの、やはり「超」怖い話というのは僕にとっても特別なんである。
読者の皆様の批評も物凄いんである。
 
今年も夏が始まるなー、と。
夏の「超」怖い話に臨んで季節の移り変わりを感じるのだった。