バンドの話

昔からよくライブに行ってた。
趣味はだんだん変わってて、中学生の頃はポプコン〜アマチュアバンド(いわゆるニューミュージック系(笑) )、高校生の頃はインディーズ〜アマチュアバンド(時代としてはヒカシュー*1電気グルーヴ*2 )、上京してきてからは渋谷エッグマンとか行くようになり、やっぱりテクノかロックを。
イカ天が流行ってた頃は、やっぱりそっち系なんかを。ストリートでやってるロックなどを。
で、仕事が忙しくなってしばらくライブから離れてた時期があって、そのころにインディーズ盤ジャケ買いなんかをしていた。たぶん、これはライブに行けないことへの代償行為だったのかも。
そのジャケ買いの中で「はにわ」や「バンバンバザール」を知ることになり、さらにバンバンバザールのライブがおもしろかったもんで、またもやライブ巡りが復活。
バンバンバザールは当時はJIVE系*3を自称していて、要するにブルースバンドとジャズバンドとジャグバンド*4とビッグバンドの間くらいをうろうろしていた。
ロックと違って、ウッドベースバンジョー、テナーサックスという生音系の構成で演る音楽は非常に心地いいわけで、ときどきビッグバンド構成でやってた(ホーンセクションが贅沢になりピアノが加わったりする)のも、今ではいい思ひ出。


ライブに行けばもちろんCDも買う。
それは聞き倒す記念絵はがきみたいなもので、バンドにとっては貴重な収入源であるんだろうけど、僕にとっては「気に入った、その時点での音楽」を持ち帰るためのものでもあった。
ライブバンド、つまりライブハウスでしか聞くことが出来ないバンドというのはいっぱいある。離散集合している。
わりと好きなバンドがあって、ライブに行く。良かったね、おもしろかったね、とCD買って帰ってくる。
で、次のライブに行くとメンバーが替わってたりする。
Keyが増えたり、Bsが変わったり、Drがいなくなってたり、Gtがダブルになってたり、Voが女の子になってたり(笑)
それでがっかりすることもあるし、格段に良くなってることもある。
それでも続いていればまたそのバンドを目当てにライブハウスに足を運ぶ。
伝承遊戯いるかな、らじるしっていいね、そんな感じで。
中にはプロデビューしちゃうバンドもあったりするし、プロデビューしたもののやっていけなくてライブハウスに戻って来ちゃうバンドもいたりする(笑)


でもバンドがなくなってしまうことがある。
それは「実家を継ぐことになった」「そろそろちゃんと就職しようと思って」「大学を卒業するから」「怪我をしまして」「あの人死んだんですよ」などなど、メンバーそれぞれの理由であったり、また中心的人物の喪失であったり、音楽性の違い(笑)であったり、理由はいろいろ。
ソロで頑張る人もいれば、他のバンドにレンタルされてバンド掛け持ちなんてプレイヤーはライブハウス周辺にもよく見かけるが、ソロになるとバンドの持ち味は変わり、「いつ聞いても安定」から「単調」になってしまうことがある。レンタルされ続けるプレイヤーを追って、いろいろなバンドを知っていくこともあるけど、それは元々そのプレイヤーがいたバンドとはもう別物。
つまり、ライブハウスで見るバンドというのは、揮発性のものなのだ。
いつなくなってもおかしくない。(それはプロのバンドも同じだけど)
だから、気に入ったバンドがあればできるだけ聞いておく。
CDがあれば買って帰る。
それがバンドが継続するための支援になるのなら、と、500円のCDに1000円払っておつりをもらわないこともたまにはある(笑)*5
次も同じスタイル、同じメンバーで同じバンドがあるとは限らない。
だから、そのときそのときを堪能しないとなあ、とライブハウスに足を運ぶたびに思う。




最近、わりと好きだった「ザ・ガレージランド」というバンドは解散してしまった。メンバーの一人は別のバンドに移り、頑張ってる。でもガレランの曲はもうiPodでしか聞けない。

バンドが解散した話、もうライブハウスでは見られないという話に接するたびに、なぜか「超」怖い話が休止していた時期のことを思い出し、胸が締め付けられる。
ちょっと切ない。

*1:マチュアじゃない(^^;)

*2:初期の。ALL NIGHT LONGとかの、ニューロックから邦楽テクノの発展期を

*3:ジャズとかブルースみたいなもの。

*4:ジャグとはジャムやビスケットなんかを入れる広口瓶のことで、あれの瓶の縁に口を付けて噴くとヴォーと音がする。楽器を買うお金がない貧しい黒人が、瓶を噴いたり身近なものを楽器代わりに音楽をやったという辺りに由来する、非常にチープな生音でやるディキシーやジャズ、ブルースみたいなものをジャグ、というらしい。

*5:ジャンルは違うけど続けていくのが大変だってことは痛いほどよく知ってる。だから僕からバンドへのささやかな応援で(笑)