音がすると外に飛び出す

鳩時計みたいだが、鳩時計の話じゃない。


うちの近所は昭和の下町風木造長屋とか、オルウェイズ三丁目の夕日張りの狭い路地なんかがひしめく下町の風情を残す街。昨今はマンションも増えてきたけど、それでもまだチャキチャキが目立つ。お祭りの神輿なんか、法被がないと触らせても貰えない。
と、それはさておき、そういう街なので当然防災上はあんまりよろしくない。
内部が繋がっていないが、隣の家に貼り付けて家を建てるというタイプの長屋建築は、今の建築法では違法になっているためもう建てられないのだが、既に建っているものは適用外。
そして、そういう建築法ができるより昔から建ってる家、建て替えるとしたらステップバックするしかないようなニャンコの通り道的、迷路風路地の数々。大変ステキなのだが、こういう町並みは当然ながら火事に弱い。江戸の街がやたらに大火事に見舞われたのは、木造建築が多かったからということ以上に、こうした狭い路地にひしめき合ってたからというのも大きいと思う(故に江戸では防災上の理由から屋根瓦が発達した)。


で。
東長崎は今でも火事が多いため、ちょっとした小火でも消防車20台くらいはすぐに集まってくる。
そのちょっとした小火も頻繁に起こるため、不審火通報とかでも消防車がすっ飛んでくる。
サイレンが鳴ってるのを聞くと「なんだなんだ!」と反射的に飛びだしてしまう<サガ
家の前の通りが救急病院への進入路(しかも一方通行)になっているため、救急車はほぼ毎日通っている。越してきたばかりのころはその救急車のサイレンも気になって仕方なかったのだが、今は救急車のサイレンは日常的すぎて反応しなくなった。
でも、消防車のサイレンは……近所だったら他人事じゃ済まなくなるので、つい飛びだしてしまう。
この間も、近所の居酒屋にいたところ外を消防車が。
「AZUKIくん、出番だ!」
「AZUKIさん、行かなくていいの?」
いや、別に行かないよ。行かないけど、ちょっと煙草を。
いや、別に気になってるわけじゃないけど、あ、踏切の向こうで消防車止まってるね。
どこだろう。煙は出てないよな。後続車ないし。小火?
んー、ちょっと気になるから見てくるね。>全力疾走


パトカーのサイレンは、自分がバイクに乗ってるとき以外は気にならない。
消防車のサイレンは、やっぱり気になる。家の外に飛び出す。


家の外に飛び出さないけど、飛行機/航空機が頭上を通過するときは、やっぱり窓辺まで行って「どこだどこだ」とつい探してしまう。だいたい音が聞こえるような低いとこを輪を描いてトンビのように飛んでいるのは消防ヘリか報道ヘリ。編隊を組んで一直線に飛んでいくのは陸自のヘリ。リペリング用ホイストが見えたら多分レスキュー関連。消防防災か海保。よく見ると航空写真撮影用のカメラボールだったりする。
レーシックやってから遠くがよく見えるようになったんで、ついついそういうのをガン見してしまう。
さっきもなんだかやたら低いところを中型機くらいの機体が飛んでいった(川越街道の上あたりで左に旋回したのが見えた)。最初は後ろからの機影しか見えなかったので、小型のビジネスジェットかと思った。ちょっとしたら戻ってきたけど、やっぱり随分高度が低い。しかし、あの大きさの割には音が静かだなあと思ったら双発レシプロ機だった。
平日の午前中、宣伝用飛行船が飛んでいくのをしばしば見かけるが、あれって誰が注目するんだろう……と思ってたけど、僕みたいなのが窓に貼り付いて見てるんだろな、と思った。


都会の街中の低層住宅でそういうことを期待するのは贅沢かもしれないけど、「屋上」とか「360度視界」とかに、ちょっと憧れるかも。
見晴らしが良くても、人口密度が低いところでは見られないものってあるもんなあ。


自分が「都会のネズミ」だってことをまじまじと実感する、というお話。