かっけ、或いはひっつみ

この前、ちょっと一人鍋をした後の話。
一人寂しく一人分の鍋を突いて晩飯を終えたところにやってきた、忘年会帰りの人だのライブ帰りの人だのに、蕎麦を振る舞った。
いただきものの新蕎麦粉で、自分一人分の蕎麦を打とうと思ってたら人数増えたのでどうしようかと思って、さらに細く切るのが面倒になって蕎麦かっけにしたのだが、後で「AZさんち行ったら、蕎麦の味はするけどくず餅みたいなのが出た」とか日記に書きやがったw
まあ、鍋に入れず笊に出したのがまずかったのかもしれん。


蕎麦かっけというのは南部(青森)の郷土料理で、元々は蕎麦や饂飩を打った後に残る切れっ端を茹でて食べたものだったらしい。*1
http://www.yomiuri.co.jp/tabi/archive/season/sea04122401.htm
現在では、生八つ橋や焼売の皮を半分に切って三角形にしたような感じの平たい蕎麦鍋系料理として成立している。


蕎麦切り包丁がなくても、うまいこと生地を打てなくても、蕎麦の風味をたっぷり楽しめる食べ方なのだが、如何せん知名度が低い。
そういえば九州のほう(宮崎だったか大分だったか忘れましたが)には、生蕎麦をそのまま鍋に放り込んで茹でていって食べる、とろっとした鍋があるらしい。蕎麦かっけも火を通していない生蕎麦状態の蕎麦かっけを、煮立った鍋にくぐらせて行って煮えたそばから食べる。言わば、蕎麦のしゃぶしゃぶといった風情の食べ方をする。
南の蕎麦鍋のほうは未体験だが、どちらも割と似た味わいなのかもしれない。


そういうわけで、蕎麦かっけは「AZさんが蕎麦打ちに失敗した、くず餅っぽり食い物」とかじゃねえ! ちゃんとした料理なんだよ! と、思いだし弁解をしたところで、今度こそ寝る。

*1:ちなみに「ひっつみ」は小麦粉を練ったものを引きちぎって鍋に入れたすいとんの一種。