牡蠣の洪水

というわけで、いただきものの牡蠣。
サロマ湖産、5kg入り。
堪能いたしました。


つかね。
実家の老父がまだ現役の魚屋だった頃、実家からの荷物はもっぱら魚で、しばしば「大トロ」と称するものが送られてきた。
これは鮪を解体するときに出る三角形の身で、サク取りするときの木っ端らしい。もちろん、味は折り紙付きの大トロ。
で、それがキロ単位で来てた。
思えば子供の頃から魚食いだった僕の人生の中で、あれは幸せな時代だったんだろうなーとか思う。もう一生分の鮪(の、いちばんいいとこ)を食い尽くしてるので、寿司屋入ってもあんまり鮪って頼まない。(たまに頼んで「やっぱうめーなあ」と感傷に浸るw)


で、大トロってのは結構飽きる。
脂っこいんだもん。てか、脂の塊といってもいいくらいに。
「大トロ腹一杯」というと、なんて夢のようなとか思うかもしれないけど、大トロってあんまり大量にガツガツ食える食い物じゃないと思う。大皿にどーんと並べてみても、そうそう食えるもんでもない。
さすがに食べ飽きちゃってw、「大トロつみれ」とか、今思えば罰当たりなモノも作ってきたなあとか思うんだけど、まあどんなに美味しいもんでもやっぱり飽きる。


で、牡蠣。
牡蠣は大トロほど脂がしつこいわけでなし、絶対に飽きない! という自信があった。牡蠣好きだし。オイスターバーとかあるし、好きな人はいくらでもいけるっていうじゃないですか。
で、何しろこんだけたっぷりあるんだから、ホーム・オイスターバー行くぜヽ(`Д´)ノ とか思ったんだけど。


……生牡蠣は3個が限界orz


これは飽きるんじゃなくて、物凄い勢いで満たされてしまうのだ。
スーパーで買ってくる「生食用生牡蠣」とかだったら、何個でもいけるのに! なのに、こいつは3個で! もう「今、胃袋が全部牡蠣!」というくらいに満たされる。
別に、岩牡蠣のように粒がでかくて腹一杯、とかそういうことではない。そうじゃないんだけど、「牡蠣の洪水に晒されて牡蠣まみれ」くらいの勢いで、充足してしまう。
こりゃたいへんだぞ。食いきる前に傷んでしまう!
というわけで、試しにクリスマスイブの晩を一人で過ごすという寂しい友人を二人ほど呼んで、牡蠣を振る舞ってみた。
やっぱり3個でギブ充足してしまうようで、二人とも「生牡蠣は3個」と口を揃える。
オイスターバーとか、5個セットとか7個セットとか皿を積み上げる人とかいるけど、あんなに食えるもんなんだろかと思った。


んじゃあ。
ということで、今度は酒蒸しにしてみる。
深めの皿に日本酒をちょいと入れて、そこに殻のままの牡蠣を並べ、ラップして電子レンジで4分くらい。
火が通ると貝柱が縮んで殻から離れるので、殻をこじ開けなくても食える。しかも、味は濃厚になるのに生牡蠣よりも満たされきらない。おお、いくらでも行けるぞ! で、また再ブースト。安い白ワインでもよく合います!*1


で、きくち正太の「おせん」でも紹介されている「牡蠣のすり流し汁」も試してみよう、ってなことで作ってみた。

  1. 鍋に出し汁を沸かす。
  2. 生牡蠣を3粒ほど、すり鉢で当たって磨り潰す。
  3. 鍋に味噌を溶く。
  4. そこに(2)の牡蠣をだーっと入れる
  5. 椀に小口ネギだけ入れて、(4)をだーっと入れていただく。

うは。うま。
なんというか、確かにお椀が全部牡蠣。液状牡蠣。
これはスーパーで299円くらいの牡蠣でやってもこのくらいの味になるんだろうか。もっと早く試すべきだった。


でも、四人がかりでも食いきれない。
とはいえ、冷凍して楽しめるもんではなく、冷蔵庫で惜しむのは危険な食い物なので、可及的速やかに堪能せねば、と。
最後は牡蠣飯かなー。



サンタさん、本当にありがとうございました。


ほんで、やっぱり指切りました。ざっくりと。
ふぅー。牡蠣は危険な食い物だぜ!
でもうまいぜ!

*1:日本酒とワインのマリアージュで倒れる自分なのだが、案の定翌日はちょっと酒が残った。