超-1/2008、始めました。
そういうわけで、今年も超-1始めました。
初めての人に、改めてご説明。
僕はキャリア17年目の実話怪談屋さん*1で、「超」怖い話*2という、実話怪談*3を書き記すことを生業としている。
その流れの中で、3年前から「市井にいる、実話怪談を持て余している人々」のお話を募集、発表するイベントを行っている。それが超-1。
といっても、単なる「オンライン百物語会」や「文学賞的大会」の類ではない。応募者の送ってきた実話怪談を、著者名を明かさずに匿名で公開。その内容について、応募者当人、他の応募者、一般読者に感想と配点をお願いする。その配点によって「人気がある」または「より強い恐怖を感じた」という評価を集めた怪談を評し、それを見つけて書いた著者のランキングを策定しようというものだ。
お話の面白さ、興味深さを数値化するということは極めて難しく、またその評価方法そのものについても最善の方法であるかどうかはわかっていない。
もしかしたら、もっといい方法もあるのかもしれないが、「書き手が誰であるかは関係なく、内容だけを俎板に載せる」その上で、「誰もが、より多くの人が怖いと思った」というものを、数量的に観測可能なものに置き換えて見いだそうというコンセプトを具現化するものとして、このシステムを採用している。
過去に、この大会を経て3人の作家が世に出た。2006年大会覇者の久田樹生、松村進吉。この二人は、2007年1月に「超」怖い話Ι(イオタ)の共著者としてデビューの後、2007年中にそれぞれ「超」怖い話 怪歴、「超」怖い話 怪記という単著を竹書房より刊行。同じ2006年大会から異例の抜擢をされた雨宮淳司は、ミリオン出版2月末日に同じく竹書房から発売される単著・恐怖箱 怪医による単独デビューが決まっている。
しかし、それまでのキャリアは重要ではない。
彼らがどれだけ多くの「本当に心底怖い話」をみつけてこられるか。そして、それをどうしても書き残し、人に伝えなければならないという使命感に燃え……いいや、切迫感に苛まされているか。
それだけが求められ、そうして書かれた実話恐怖譚を、それらが確かにあった証しとして後世に残していくことが何より重要だ。
実話怪談をより多くの人に残すための方法として、もっとも効率がいいのは商業誌から刊行することだ。同人誌より多く印刷でき、コンビニ・書店などの販売網を持って日本全国津々浦々に配本することができ、国会図書館に納品されることで、理論上は半永久的に記録として残る。
そのために、そのためだけに筆を執る人々を、広く探している。
飢えた怪談好きの臓腑に染みこむ怖い話をプレゼントしてくれる、真っ赤な返り血を浴びた季節外れの聖クラウス。
それが一堂に会するのが超-1というものだ。
本日より2カ月、60日の会期の果て、如何なる怪談が発掘されるのか。
如何なる怪談著者が見いだされるのか。
一年後、商業作家として世に送り出されているのは、誰なのか。
それを、これから2カ月みっちり堪能していただきます。
将来作家志望の応募者募集。
怪異を持て余して駆け込み寺が必要な応募者募集。
夏まで待てない怪談好き読者募集。
辛辣過激なレビュアー&審査員募集。
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