NMMが開くハイアマチュア市場とプロの立場w

一週間分溜まりに溜まった未視聴動画が、ようやく片付いたorz
この一週間の間にNMM(ニコニコムービーメーカー)によって作られた動画がぽつぽつ出てき始めている様子。動画作成の入門ソフトということでよい傾向。
BGM作成ソフト、DAWツール、MikuMikuDanceのような3D動画作成ツールに加えて、NMMのような動画オーサリングツールまでもがフリーで出回ってくると、後は「ネタ・アイデア」と「作業コスト」だけの問題になってくる。


実際のところ、コンテンツ商売wというのは、コンテンツビルダーの人数が少ないから専用機材やソフトが高価になってしまい、高価であるが故に入門者も少ない、という一種の寡占商売なところがある。
もちろん、機材やソフトがあっても、アイデアや根気がなければ完成にはこぎ着けられないのだが、入り口の部分でハードルが高いのは確か。
入り口のハードルを思い切り下げて、コンテンツビルドは難しくないよ、ということを示すことで、結果的には「より高性能な専門ソフト」を購入しようという、ハイアマチュアのコンテンツビルダー市場を拡大することに繋がる、という考えが、今回のNMM提供会社などにはあるのではないだろうか。*1


そうなると、専用機材とプロ用ソフトを使いこなしてきた、専門的オペレータの地位が脅かされるのでは……という反発が起こりそうな気がしなくもないんだけど*2、そうしたツールやライトな制作環境でコンテンツビルドの実際に触れてみたことで、「それらを使いこなしているプロのセンスはスゲー」とか「地道で根気の要る作業を最後まで完成させてるプロ、スゲー」とか「曲のセンス、作詞の才能スゲー」という、一種のリスペクトに繋がるんでわないかなー、とかなんとか。
というか、作成環境の一般化はハイアマチュアを一気に増やし、プロの価値や地位が下がるという心配をするプロもいるかもしれないけど、そうした作成環境が広まることで「プロが何故プロなのか」という、オペレータとしての技能以外の部分が理解されやすくなったりもするかもなあ、と思った。


自分の業界に引きつけて考えれば、「プロよりうまいハイアマチュアの文章書きがいっぱい出現するのは、プロの立場がなくなりそうで不安だがw、ATOK2008を買って、一太郎やワードを持ってるからといって、100万部売れるような本がホイホイと書けるわけではない!」ということでw
Windows付属のワードパッドとかメモ帳で仕事の原稿書いている人だって珍しくないわけで*3、ツールは便利だけど最後はツールではないところが重要なんだから、プロの皆さんは自信を持ってください、とw
あくまで、ツールというのは「発想を形にするための道具」であるわけなので、発想で食べてる人は自信持ったらいいと思う。逆に、発想ではなくてツールを使いこなすオペレータとして食ってるプロは、焦ったほうがいいかもしれないorz


ところで、NMMで作成・公開された動画は、Craving Explorer Ver.19.7による音声/動画の変換保存はできない様子。いずれ対応してくるんだろうけど。動画を片っ端からiPodに放り込んでいる人は、しばらく不便かも。

*1:Vocaloid02シリーズをリリースしたクリプトンにもあるだろうと思うけど

*2:これは、家庭用デジタルハンディカムの出現で、放送業界のプロクリエイターが戦々恐々としてたのに似てるかもw

*3:僕の場合は未だに1994年発売のエディターソフト「WZ 1.0」を騙し騙し使い続けているがw、なんの不都合もなし。