毎日新聞問題

毎日新聞問題については、2ちゃんねるのニュース関係板であるニュー速+で、200スレ達成など異例の注目を集めてきた。ニュー速+は4日ルールのため、以後は新スレは別のものになったのだけど、今回の問題をもっとも問題視しているのは、ニュー速+の祭り好きのイナゴではなくて、既婚女性板の主婦層であるようで、既婚女性板の関連スレは7/7の時点で61スレ目に突入して、なお活気と地道な活動が継続されている模様。


という、定点観測的な話はさておき。

この問題は、

  1. 国内の信用のないタブロイド週刊誌の内容を、
  2. 新聞発行部数世界第三位の信用のある大手新聞社が、
  3. 英字翻訳して大手新聞社による裏付け/信用を与えて情報拡散していた
  4. 毎日新聞は不適切な記事を9年間にわたって配信していた

という話。
子細については、毎日新聞問題のまとめページhttp://www9.atwiki.jp/mainichiwaiwai/ )に譲る。または、Googleで「毎日 変態」で検索すると関連情報が唸るほど出てくるのでここでは割愛するが、既婚女性板の主婦/子供の母親が問題視している理由は、

  • 「外国人が日本に少女買春を目的に来日することを、毎日新聞英字版が奨励し、具体的な買春テクニックを詳細に報じていた」点と、
  • 「女子海外留学生が、滞留先の外国人に拉致強姦されることを望んで海外渡航している、という内容を報じていた」点など、

毎日新聞英字版が日本の情報や常識に疎い海外在住外国人向けに、日本の子供の安全を損なう情報を積極的に流していたことにある。


で、この毎日問題のツッコミ所は色々あって、

  • 毎日新聞は9年間に渡って自社発信として配信されてきたニュース内容を、9年間に渡ってチェックしてこなかった
  • 日本国内でなら、同族的常識に照らし合わせて「笑い事」「眉唾」として済まされるところを、そうした同族的常識のない英文版受信者に対して発信していた
  • 指摘に対する対応策として、「謝罪文」「サイト閉鎖」「責任者の減俸」「責任者の社長昇格/取締役昇格*1」を行った。


「インターネットでは、間違った情報を掲載すれば瞬く間に再転送が繰り返され、情報の発信者が記事を取り消しても、全てを無かったことにすることができない。インターネットへの情報発信の在り方、ネットリテラシーを学校で教えるべきだ」
というのは、当の毎日新聞が2005年付けで出したコラムの言葉なのだが、それはさておき。
発信元のサイト閉鎖だけで、火元の元栓を止めたからもうokというわけには行かないのは、上の引用の通り。
毎日新聞英字版サイトを閉鎖して、謝って、責任者を減俸して昇格wさせて、それで「責任を取った」ことになるかというと、もちろんならない
責任を取るというのは、謝って給料減らすことではなくて、間違いを正した上で、現状復帰する、その努力をするということだ。
今回の場合で言えば、毎日新聞は今まで英字版の読者だった外国人に向けて、毎日新聞英字版は、ウソを配信してきました。今まで配信した内容で、あなた方を騙してきました。それらは全て事実ではありませんでした。正しくは〜」と、正しい情報を流して、古い情報を否定する努力を、恒久的に続けなければならない


ところが、毎日新聞は英字版のサイト閉鎖告知文については、日本語版の謝罪文とは違う内容のもの(誤った情報を流したことへのお詫びではなく、旧来の内容を楽しみにしていた外国人読者へのサイト中断の詫び)を掲載していて、これについては国内向けには釈明もしていない。


で、「開かれた新聞」委員会とする第三者の社外有識者に諮問し、7月中旬までに回答を得ることを発表した。
http://mainichi.jp/info/etc/20080707.html
この「開かれた新聞」委員会は、

(以上敬称略)

によるものなのだが、当初の謝罪文ではこの第三者の社外有識者宛の提言、意見を募集していた。

ご意見は、「開かれた新聞」委員会事務局(電子メール t.media@mbx.mainichi.co.jp、ファクス・03・3212・0825)へ。

この電子メールアドレス宛にメールを送ったら、SPAMが来るようになった、という指摘があった。
それはいくらなんでもないだろう、と思ったのだが、念のため試してみることにした。


ここまでの文中にあるような、「なぜ、子供の親達は怒っているのか、何を危惧しているのか、毎日新聞の今後の対応はどうしていくべきか」について、「開かれた新聞」委員会への提言という形で、罵倒や中傷なしに丁寧にまとめたものを書き、普段休眠させてある(つまり、SPAMなどによる汚染が一切ない)メールアドレスから、送信してみた。
ところが、そのメールを送信したその当日から、夥しい量のSPAMメールが、そのメールアドレス宛に送信されてくるようになった。


これは何を意味するか。
まず、「開かれた新聞」委員会宛にメールを送るとSPAMが来るというのは、紛れもない事実であり、誹謗でも中傷でもないということ。
可能性としては幾つか考えられるが、

(A)もし「開かれた新聞」委員会が意見を募集しておきながら、自社にとって不愉快なメールの送信者のアドレスを、片っ端からSPAM業者に回しているのだとすれば、これはさすがに倫理的に論外。

(B)そうではなく、メールを受信したメールアドレスを扱っているコンピュータにバックドアが空けられているか、トロイか何らかのワームが侵入していて、受信メールを片っ端からSPAM業者に回しているのだとしたら、これは情報管理意識/実態が最低だということであり、これも企業倫理として論外。

(C)「開かれた新聞」委員会事務局というのは、毎日新聞ドメインからメールアドレスを貰っているけれども、あくまで第三者機関なので毎日新聞は与り知りませんけれども、そういう人たちに情報管理と発信の在り方について意見を諮問していますよ、ということであれば、それこそ「おまえが言うなwwwww」と草を生やしたくなる。


結論としては、毎日新聞に提言メールを送ると、自分のメールアドレス(個人情報)が毎日新聞社外か、毎日新聞が管理するSPAM配信リストの中に組み入れられる可能性があるので、意見は送らないほうが安全。どうしても送りたい場合は、捨てアドを使うべき、ということになる。


故意であるなら倫理的に問題だし、故意でないなら迂闊すぎる。
倫理的に問題かつ迂闊というのは、度し難く救いがたい。

*1:ポカをやらかして偉くなったということなのだが、より重い責任を負うことで、責任を取らせた、と説明された