おみやげ考

実家にいた頃、とにかく客が多い家だった、という話は以前も書いた。
上京してアパート住まいしてた頃も、今の家に移ってからも、客好きは特に変わらず。知り合い、知己は極力お持ち帰りしたい。急な予定でない場合は、全力でおもてなししたい。
元々料理をするようになったのは酒の肴を作っていたからなのだが、おもてなしのためにあれこれ手管を考えるうちに、なんとなく日常的に料理をするようになったのだった。
で、客を招くとだいたい何かしら手土産を持ってきてくれる。ありがたかったり迷惑だったりいろいろ。


嬉しい土産は酒。
ビールとか持ち込まれると、速攻で冷やして持ってきた客ともどもその日の内に飲んでしまう。実用的土産ナンバーワンと言えよう。
ワインは白だと嬉しく赤だと料理用になり、ロゼは非常に困るw<ロゼ飲まないので
日本酒は純米酒系だと小躍りして喜び、速攻で冷やにして持ってきた客ともどもその日のうちに飲んでしまう。一升瓶だと日をまたぐ。アル添した酒だと大吟醸でもほとんど飲めないので*1、客に出し家族が飲み、あとは料理に(ry
焼酎は――よくもらうのだが、うちではあまり焼酎は消費されない。たまーに飲む。料理に使うものでもないので部屋に並べていると、客が「うまいうまい」と飲んでしまう。一応実用的。


総菜や高級な料理などをお持ちいただくこともある。
大変嬉しいのだが、「皿が皿が」とあわあわする。皿が囲炉裏に乗り切らないとかそういう理由でw
でも、「できるだけ手ぶらできてね! そうでなかったら酒!」と念押ししてることもあって、高級な食品や総菜を土産にいただくのはかなり稀。
でも、地方名産の珍味とかは別。信州戸隠の蕎麦味噌とか津の浅蜊時雨煮とかうまいよね。思わず自家製珍味で対抗したくなるくらい。
でもイナゴは勘弁だ。


おみやげの定番はハコモノの菓子だと思う。
おまんじゅうとか最中とかせんべいとかの類。あんこで酒が飲める僕としては大変うれしい。生八つ橋とか赤福とか好きです。
「超」怖い話Aのゲラをやってた頃、夢明さんが赤字の入ったゲラをうちまで車で持ってきてくださったことがあった。そのときの差し入れは確かせんべいを何袋かだったと思う。おみやげでお菓子というのは定番だけど、スナック菓子の人は数あれど、「せんべいばっかりいくつか」というのは多分夢明さんだけだと思う。「なぜせんべい?」と聞いたら、確か「おなかへってたから。食べて食べて」というような返事を貰った記憶がある。せんべいというのは江戸時代に旅人が「歩きながら食べる簡易食」としたのだそうで、小腹が減ったときに食べるものとしては確かに正しい。


菓子ではないけど果物をいただくこともある。
お中元とかで果汁たっぷりの果物が届いたりすると、「うほー」と小躍りしながらじゅぶじゅぶ食うのだが、遊びに来た人から土産で果物というのは、どのタイミングで出したらいいか結構迷う。果物=デザート、デザートを出したらもう帰れ的な申し訳ないイメージというか、酒飲みっぱなしで自分で持ってきたのに甘いモノ食わない人が多いというかw
ねーさん! 持ってきても食いそびれるので土産にバナナは持ってくんなw 最近は、もらったバナナは輪切りにしてから冷凍して、アイスバナナとして食べている。
土産でもらった果物で嬉しかったというか目から鱗が落ちたのは、いつぞや日経BPの編集部の皆様ご一行様が遊びに来た折、ワインのつまみにと持ってきてくれた枝付きの干しぶどう。それまで別に干しぶどうはそんなに好きだったわけでもないんだけど、あれで開眼した。ときどきキリンシティのおつまみにあったりすると、ついチーズと一緒に頼んでしまう。
そういえば、いつだったか遊びに来た泥士朗から西瓜を丸一個貰ったことがある。皆で半分に切って食べたんだけど、なんだかえらいことでかい西瓜で冷蔵庫には入らない(また冷蔵庫がパンパンだった)。で、半分に切った状態で夏の暑い盛りに台所にうっかり放置していたら、一日で発酵しました。orz 西瓜は切ったら絶対に冷やせ、と。
果物じゃないけど、暑い日のおみやげのアイスは絶対正義だと思う。


どんな土産でも概ね嬉しいものだ。
鍋をするというと、鍋の具を持ってきてくれる人がいて……というのは大人数の宴会ではよくあった思い出で、和牛4kgの土産ってあったなあ、というのを今ふと思い出した。その4kgの牛肉を目当てに30人近くが2DKのアパートに押し寄せてきて、結果、アパートの管理人さんに非常に怒られたというのも今ではいい思い出です。あれもきっかけは「非常に豪勢な土産モノ」だったのだなorz
そういえば、「鍋をするって言えば、他の人が食べ物や具を持ってくるだろうから」と言って、カセットコンロ用のボンベを1ダース分くらいおみやげに持ってきてくれた人がいた。の_の*2さんという方による、非常に気の効いたおみやげで、如何に頻繁に鍋をするといってもそうそう使い切れるものでもなく(そしてもともとあった備蓄もあり)、あの後数年にわたって重宝した。記憶に残る、特に嬉しい実用的なおみやげに数えられる。


そういえば、実用的といえば実用的なんだけど、なぜそれを選んだのかというのが未だに謎なおみやげがひとつある。
トイレットペーパー12ロール。
いや、確かに実用的だし、あって困るものじゃないし、腐らないし、非常にありがたいんだけど、なんでそれを土産に選んだのかという意図がさっぱりわからない。
でも、とても重宝しています。ありがとう、ねーさん。

*1:体質

*2:と書いて蛍さんと読む。