おみやげ考(2)生き物か生物か

昨日のおみやげ考でハムスターの話が出たので、記憶の記録。


確か泥士朗が結婚したとき、結婚祝いを贈っていなかったので何か贈ろうと思いついた。直接泥士朗の事務所に赴く用事があったので、本人に
「生き物と生物、どっちがいい?」
と確認を取ったところ、
「生き物がいいです」
ということだったので、捌いていない生きたスッポンを生きたまま持っていった。その頃、大久保あたりに生きたスッポンを扱っている食材店があり、1匹2500円くらいと決して高くない値段だったので。そして、当時出入りしていた江古田の焼鳥屋のご主人の指南で、一応自分達も捌けたので、できるだけ生きのいい状態で楽しんでもらおー、ということで「生き物の状態のスッポン」を持っていったのだった。
「生きてるうちに締めて食べてね!」
と持っていって、置いてきた。
しばらくしてから「食った? どうだった? うまかった?」と聞いたら、
「食うには忍びなくて、洗面器で飼ってましたが、死んでしまったので」
「食った?」
「埋めました」
「食えよ!」
それからしばらくして泥士朗から、
「先日のお礼がしたいんですが、生き物と生物、どっちがいいですか?」
そりゃあもちろん、生き物! と答えた。
ぴちぴちの生きのいいスッポンが来ることを期待して。
すると彼は細長いボール紙の筒を持って現れた。
スッポンが入っているにしてはちょっと細長すぎるし、なんだかカサカサと音がする。
「あのー、それは?」
「はい、生き物」
中にはハムスターが入っていたのだった。
さすがに食わずに飼った。


おみやげ・贈り物は生きがいいほうがいい、という信念は変わらず。
できるだけ新鮮なの、可能なら生きてるのを贈る主義。
去年だったか、新鮮なナチュラルチーズ*1と新鮮な泥鰌*2を幾つかの方にお贈りした。
たぶんきっと喜んでくれたに違いないと思う。


しかし、おみやげ&贈り物というのは、自分が欲しいもの、自分が嬉しいものを贈ることが多いのだけど、それを相手にも確実に喜んで貰えるとは限らないわけで、内面が出るバクチだよなー、難しいよなー、とホント悩む。
東京に住んでると全国の名物が手に入る代わりに、「地元の銘菓」とか「地元の名物」っていうのが案外思いつかない。すると、つい「新鮮で珍しくて嬉しくて自分が好きなモノ」に手を伸ばしてしまうというか。


土産物でも贈り物でもないけど、つい最近うちの実家で弟達&老父で140〜50尾ほど鰺を釣ったらしい。
なんだか凄く羨ましいw

*1:生きているダニによって熟成されるタイプのもの。要するに上等なミモレット(皮付き)のこと。

*2:生きた状態で配送してくれるところがあったので、もちろんいちばん新鮮な状態でキロ単位で。