カバン

最近、某リブロ店長が持ってた私物のカバンが非常に好みで大変羨ましかった。
「譲りましょうか?」とか*1言われたがそれは申し訳ない&カバン好きとして悔しいwので遠慮。


コットンまたはキャンバス(帆布)モノのバッグに目がない。できれば頑丈な軍物。コットン/キャンバスの軍物バッグというのは1970年代以前のビンテージにはいろいろあって、未だに1940年代のものが(金具に多少の曇りがあるにしても)わりと綺麗な状態のデッドストックとして放出されたりする。
この時代の軍物には、コットン、キャンバス、フェルト、ウール、本皮などが使われているのだが、保存状態がいいのかモノがいいのか、60年以上経過しているのに普段使いでも大丈夫という頑丈なものが結構あって嬉しい。
1980年代以降になるとナイロン、ゴアテックス、ポリエステル、ABS樹脂、ポリカーボネイトなどの新素材物が主流になってくる。特にその手の新素材にすぐに飛びつくwのは米軍で、米軍物は量産されていることもあって切り替えも放出も早い。
もちろん、軽くて防水で頑丈で軍物の実用性を満たした素材であることは確かなのだけど、ナイロンもののつるつるした素材は今ひとつチャチで好みではないなあ、と思う。
また、現在のバッグは固定具が樹脂製(恐らくABS樹脂かなんかのプラスティック)で、パッチンと嵌め込むタイプのものが増えつつある。そうでなければホックとかファスナーとか。
実用性の点で言えば間違いがないのだろうけど(操作が楽だし)、ボタンホールのものとか、ベルトを金具から引っぱると抜けるタイプのもの*2、コットンの網紐で縛るものなど、一手間掛かるテイストのものも風情があってよいと思う。
新宿の例のカバン屋(西口のヨドバシの真裏にあった)がなくなってから、カバン衝動買いはぐっと減った。通販でカバンを買わないこともないが、やはりああいうのは見て触って持って詰め物の新聞紙全部出して見て、実物を確認して買わないといかんよな、と思う。通販で買ったカバンというのは、実物を見て買ったカバンに比べて出動率が低いというか、買ってみてから「あれ?」というのが多かった気がする。
でも、軍物のカバン(レプリカじゃなくて実物)というのは、在庫ストックが一堂に会してるような場所がそうそう近場にあるわけじゃないので、結局通販を漁って一期一会で勝負を賭けることになる。
勝負と言っても、通販カバンは「3000円台まで。できれば2000円前後以下で勝負」と決めているので、買ったけど大やけどというのはそんなにないはず。まあ、買ったけど使うチャンスが数年に一度しかないカバンというのはなくもないけど。旅行鞄の類とか。
最近は1940〜1970年代くらいまでに作られてデッドストックされていたのではないかと思われる、ガスマスク用のバッグというのをあちこちで見かけるようになった。ガスマスクバッグというのはだいたいはショルダーなんだけど、通常のバッグと若干形が違っていて、縦長だったり開閉口が横に付いてたりする。ガスマスクというある程度容積のあるものが入り、かつ「ガス発生! 面着装備!」と命令があったら速攻で装着しないと命に関わる(=収納してある袋からできるだけ迅速に出せる)ので、蓋の開閉が素早くできるようになっている。その工夫にいろいろなバリエーションがあって、ボタンではなくベルト式だったりいち早くホックが導入されていたりといった形のバリエーションに繋がっていると思われる。
僕は主に欧州物を買うのだが、EUの成立に伴い「ヨーロッパ域内同士での正面戦争は減る」「装備の共通化でコスト削減」などの動きから、各国がこれまでに整備してきた旧装備などは順次廃棄されて、似たり寄ったりの揃いの装備に変わっていくんかなあ、と思うとちょっと寂しくもある。イタリア、フランス、ドイツ、デンマークスウェーデン、スイスと、同じヨーロッパでも軍物装備に対する要求思想や概念が違ったりするところが面白いのにな、とか。
食べ物と武器兵器軍装品というのは、人間の生存本能に関わるところだけあって、工夫や進化への希求が実に貪欲であると思う。そこがまた惹かれるところ。
先のグルジア戦争の第一報はBBCの映像で知ったのだけど、チョバムアーマーらしき弁当箱みたいな追加装甲をべたべた貼り付けたロシア軍のMBT自走砲がキュラキュラ走ってるのを見て、「今世紀は低強度戦争主流の時代により進みつつあり、正面装備同士の戦闘が行われる機会は減る」と思ってたので、それらが現役で配備どころか活用されていることに、些かの驚きと自分の不明を恥じた。
というか、あんだけ大量の火砲・機甲師団を一斉に移動配備できるっていうことは、「やられたからやり返した」というプーチン皇帝の言い分は建前であることがわかる。プーチンがどんな権力者であろうが、兵器の移送には時間が掛かるし、それらを一定期間戦闘に投入するためには、燃料、整備、運用のための搭乗員、その食糧などなど、あらゆる兵站の準備が揃っていなければできず、またそうしたロジスティックスというのは昨日決めて今日できるというものではない。
そう考えれば、「準備はずっと前からやっていて、やり返す口実(グルジアが口火を切る)のを狙っていた」というのが正しいんだろな、というのが実情だとわかるのだけど、「ロシアはやられたから仕方なく報復したのだ。グルジアが悪い」という論評に釣られるメディアが、どのくらい出てくるのかなー、というところが気になる感じ。


と、ここまでが枕で、本題は英軍のハーバーバッグ買いました。
たぶんこれも元はガスマスクバッグかなんか。相場は1500〜2350円の間くらい。1500円で買ったので、たぶん勝ち。

*1:酔った勢いで

*2:あれって何て言うんだろう?