小沢民主党代表の公約を要約した
折に触れて書いてきたかと思うけど、民主党の言ってることは、
「自民党はまるでダメ。民主党のほうがマシ。交替すれば何かが変わる。民主党には画期的な解決策がある。画期的な解決策の具体的な内容は、政権が取れたら説明する。民主党に白紙委任してください」
という、かなり無茶なこと。
会社で言えば、
「前の経営陣は経営を行き詰まらせた。我々には新しい画期的な経営方針があるので、株主の皆様は我々に白紙委任していただきたい」
と株主総会で言うようなもの。
経営戦略とか現状を否定して行う代替案を提示せずに、経営権だけよこせというのが現れたら、株主は「敵対的乗っ取り」だとして態度硬化するのが普通。
先の小沢民主党代表（無投票三選）の公約は、超約すると「我々は自民と違う。とにかく頑張る」で、具体案がなんだかよく分からないのだが、言ってることはこういうこと。
で、ここからは僕のオリジナルではもちろんないんだけど、これでもなんだかピンと来ない人向けに、「おっ」と思った解釈があった。
…要は
「いざというときのための貯金をはたけば今晩美味しいものが食えるよ！
だいたい、いざというときなんか霞が関の奴らが勝手に言ってるだけできやしないから大丈夫だよ！」
うはっｗ 的確ｗ
これ、防衛費削減なんかにも当てはめられる話なんだけど、
「今火事が起きてないんだから、消防署に何台も消防車を並べておくのは無駄。消防署員を解雇し、消防車を売却すればお金が浮くよ！」
「今戦争が起きてないんだから、自衛隊員や兵器を維持するのは無駄。自衛隊員を解雇し、戦車や軍艦を売り払えばお金が浮くよ！」
「今地震が起きてないんだから、耐震対策を考えたり持ち出し袋を作ったり水屋食糧を備蓄するのは無駄。その金でカラオケ行った方が楽しいよ」
こういうのを昔からの諺で「泥棒を捕まえてから縄を綯う＝泥縄」っていうんだよなあ。
で、先の「いざというときのための貯金をはたけば今晩美味しいものが食えるよ！ だいたい、いざというときなんか霞が関の奴らが勝手に言ってるだけできやしないから大丈夫だよ！」なのだけど、財政投融資というのは、将来的にお金が必要になったときのためにお金を予め積み立て、なおかつ運用*1というもので、まったく無意味な貯金でも官僚の無駄遣いの原資でもない。*2
よく「○○○基金」というのがあるけど、あれも「集めた金を切り崩して使う」のではなくて、「集めた金を原資として、投資などで運用し、基金を元手に得た運用益を使う」というもの。
貯金を切り崩すんじゃなくて、貯金の利息だけを使う、という考え方というか。
小沢公約というのは、「国には貯金があるんだから、取り崩して使えばいいじゃん！」というものなのだが、それを取り崩して使ってしまうと、サービスが得られるのは「取り崩した直後」だけで、あくまで一過性の効果しか得られないことになる。
「修学旅行に行くために積み立てていたお金を使えば、今すぐにDSもポケモンの新作も買えるよ」
小学生向けに言うなら、こんな感じ。
目の前に修学旅行のために積み立ててきたお金がある。まとまったお金。じゃあ、崩して使っちゃえ。そうすれば、欲しかったポケモンが手に入る。ただ、
「その替わり、修学旅行には行けなくなるよ？」
というリスクとバーターになる。
いざ、他の友達は修学旅行に行く段になって、自分だけ積立金を崩してしまっているので修学旅行に行けない。そのときにどうする気？ という話なんだけど、その部分は話さない。
多分、その段になったら「誰かにお金を借りればいい」とばかりに、新しい借金*3を奨めることになるだろう。しかも、その段になるまで誰も何も言い出さない。
「あのときお前がポケモン欲しいつって、積立金取り崩したからだろう。我慢しろ」
と我慢させるのが、親としては正しい。
でもそこで、
「そんな昔のことは忘れた。ポケモンを買ったら修学旅行に行けなくなるなんて誰も言わなかったから知らなかった。子供を修学旅行に行かせずに寂しい思いをさせる親が悪い。どうにかしろ」
ということを、たぶん子供に修学旅行積立金取り崩しを唆した誰かが、またまた唆すのかもしれんなあ。とか。
