カニとクジラとブレザオラで閉じた2008年
2008年はいろいろと肉関係のものを作ってきたが、大晦日はある意味見慣れたメンツでの年越しとなった。2時か3時を過ぎたあたりから記憶がなく、8時を過ぎたら誰もいなくなってたw
まず、オードブルには今年ハマったものとかの類を盛り込んだ。
これで凌げ&酒を飲め、と言わんばかりのラインナップw
これに、昨年11月に仕込んだ「ブレザオラ」を初公開。
ブレザオラは三カ月は寝かせるという話だったが、それは元の肉がでかいときの話で(7kgとか10kgとか)、1kgを2等分して500gずつとかいうサイズなら、1カ月でも十分だった。
本場のは十分寝かすと黴が生える(恐らく鰹節カビのような水分抽出用なんじゃないかなと思われる)と言われていたんだけど、カビは生えなかった。が、外側は黒く感想し、黒粒胡椒がびっしり貼り付いていて、なんとも異様な見栄え。加熱してないし生肉だったし、ホントに食えんの? と疑うほど。
ナイフを入れてみると、外側は完全にカチカチで燻していないビーフジャーキーのよう。塩味はビーフジャーキーやサラミの類ほどにはきつくない。(塩と粒黒胡椒のみの味付け)
中のほうはというと、薄くスライスしたものを灯りに透かしてみると、中央付近はまるで真紅の薔薇のように綺麗。味は、噛みしめると牛肉の味がふわっと出てくる半生干し肉そのもので、2008年に覚えた肉保存料理の中ではトップクラスに近い。
ちまちま食おうと思ってたんだけど、なんだか凄い勢いでなくなりそうな気がする。早い者勝ちです。
次に、メインディナーは「きりたんぽ鍋」。
これは飲み友達のリブロ店長のご実家から頂戴した郷土料理セットで、僕が手を加えるまでもなくホントにおいしかった。
次に鯨。
例のミンククジラを刺身にしてにんにく醤油でいただく。
ここまでにオードブルときりたんぽで腹を膨らませているのだが、鯨別腹。
さらに蟹。
タラバガニを一肩分解凍して、わーわーといただく。
ていうか、カニはやっぱりみんな無言になるねえw
ここまでの累積があったせいもあるけど、1本半くらい食べたらもう喉の根元までカニがぎっしり詰まってる気分になった。
この後、年が明けたので五郎久保稲荷に初詣をする。
小銭がなかったので自販機で崩す。新年初買い物は缶汁粉。
無人の神社には人出はほとんどなく……と思ってたら、近所の人が僕らの前に一組いた。
順番を待って、賽銭を投げて無病息災商売繁盛と商売の無事を祈願。今年も油揚げが賽銭箱の上の木枠にねじ込んであった。おかしとジュースのお供えは今年はなかったが、たぶん平日にでも通りがかればあるのだろうと思う。
帰ってきて……その途中くらいから記憶がないんだよなあ(^^;)
覚えてるのは、蕎麦食うつもりでいたのに忘れてた、ってことぐらいだ。
年越しで空けた酒のラインナップは、御神酒で氏神様達と山分けの純米吟醸中取り無濾過生原酒「仙禽」、歳暮で頂戴した「サントリー・プレミアム・モルツ」、持ち込みの「キリン・ラガー」、頂き物の純米吟醸「おねてぃ森野苺」。
どれもうまし。
仙禽は4合瓶で1300円なのだけど、日本酒度−3でまだ澱が生きている薄濁り酒で、甘味と下を刺激する酸味というか「酵母が絶賛かもし中」の発泡感でふわっとくる。超微発泡のスパークリングワインのよう。
もやしもんで長谷川さんと美里が二人だけで試飲したラベル無しの中取り無濾過生原酒があったが、あれはあの蔵あの1本だけが特別なのではなくて、僕の好きな奈良萬がそうであるように、きちんとした手順できちんと仕込まれた日本酒というのは、皆そういう魔法のような凄みを持ってるんだなと思う。
日本酒はワインなみかそれ以上にラベル情報から得られる基本情報が多く、未見未試の蔵のものであっても大失敗というのはそうそうない。
日本酒をきちんと扱っていて――火入れしていない生原酒を冷蔵庫の中で保冷販売している店で、冷蔵庫の中のヤツを選ぶと幸せな気持ちになれる。
是非お試しを。
さあて、それじゃお節と雑煮の支度すっかあ。
新年初料理。