ブレザオラ覚え書き

晦日に引き揚げてきて食べ始めたブレザオラ。
既に感想は書いているけど、改めて。


まずブレザオラとは、牛肉の生ハム、或いは牛肉の半生干し肉。
我々が日常では生ハムだとか薄切りの鮪の刺身のことだと思いがちなイタリア料理「カルパッチョ」は、本式にはこのブレザオラを薄切りしたものに、レモン汁、ルッコラ、オリーブオイル、黒胡椒などでいただくサラダ的なものらしい。
塩味は軽くという感じで付けてあったのだが、レモン汁を掛けて食べると確かに掛けないよりずっとうまい。
この他に、クリームチーズと合わせてみたらさらに旨かった。
ソースはシンプルなもののほうが合うんじゃないかと思う。例えば塩にんにくダレ(焼き肉とかの塩だれ)でもいいかもしれないけど、それだと牛肉の風味は飛ぶ。


脂身と筋は極力取り除いたほうがよいというのは、食べるときに影響が出るから。筋と脂身が残っていると、そこがくどかったりかみ切れなかったりする為。
できるだけ、サシのない赤味肉、ランプでもいいけど、「安くて脂身のない肉」を使ったほうが旨いのができる。なんというか「にく♪」という感じの。


水分の抜け具合については、1カ月経過した時点で外側から1cmくらいまでは一晩放置したビーフジャーキーみたいにカチカチだが、内側に行くにつれて抜けきっていない水分がしっとりと残る感じ。500gの肉を1カ月乾燥熟成させて飛んだ水分は100g強。かなり抜ける。
それだけ水分が抜けて、中心部はほんの気持ち程度柔らかいくらい。
次は500g塊より大きな塊で作ってみたいと思ってるのだが、その場合にどのくらいの期間でどのくらい水分が抜けるかの目安にはなった気がする。
乾燥脱水については、ピチットなどの脱水シートを使うべきかどうか悩んだが、特にそうしたものを使わずに脱水乾燥できた。ナイス古い冷蔵庫。


塩味の入り具合について。
500g塊の場合の塩の分量、及び漬け込み期間を考えると、1kg塊でやるなら倍くらいに増やしてもいいような気がする。味付けはほとんど塩と黒胡椒のみだったが、食べるときに調整すれば済むことなので、あまり弄らないほうがよかろう。
味については「外側にカビ付けする」「独特の風味がある」という感想を幾つか見かけていたのでちょっとビビっていたのだけど、カビ付けする以前に乾燥してしまったのでカビが付かなかった(^^;)こともあってか、びっくりするほど凄い味ということにはならず、むしろ「噛めば噛むほど牛の味」という深い風味のあるものに仕上がったし。


次は1kg塊を2個作ろうかなと思っている。
500g塊は、なんというか食べきるのに1カ月保たない気がする。へたすると2週間も怪しい。もったいないとは思うんだけど、ついw


こういうの作ってると、保存食の世界はやっぱ奥が深くておもしれえなあ、と思う。


ところで、昨年9月頃に仕込んだアンチョビっぽいもの。
初夏に仕込んだヤツは内臓取ってから塩漬けにしたら、ただのしょっぱい塩漬けになってしまったので、今回はちゃんと内臓残したまま塩漬けにしてあるわけなんだけど、冷蔵庫に入れっぱなしなせいかたぶん今回もまた発酵はしていないw
塩が溶け残らないくらい強烈に塩をぶち込んでいるので、「塩漬け」としては問題ないわけなのだが……。
これはまたそのうち開けよう。


いつか、うちの老父が昔作ってた酒盗とかにも挑戦してみたいかも。
ところで、去年の春に作ってた動画に登場する、賞味期限が3年前に切れてるスクガラス*1が、実は、今もそのまんま残っているwwww

ときどき豆腐に乗せて食ったりしてるんだけど、かなり熟成している。
腹は壊してません。これはうまい。いろいろな意味でレアw

*1:アミアイゴの塩辛