ネタ整理

実話怪談は、原稿を書く時間よりもネタを取材したり伺ったりする時間と、それをよく咀嚼して理解することと、理解した内容を改めて時系列順に並べ直して「何が起きたか」を把握することと、さらにそこから「どの順番で語れば怖さが再現できるか?」というのを再構成することなどのほうに時間が掛かる。
加えて、「このネタ、まだ書いてないよな!?」という再確認とか。
この、「まだ書いてないよな?」という再確認というのが結構厄介で(^^;)。お預かりした体験談は全てタグを付けてジャンル事に仕分けし、書き終わったら「済み」というフォルダに入れ直す、てな感じで管理している。
いるのだけど、ときどき「入れ忘れ」というのがあって、「これは絶対に書いたはず! 書いてるはずなのに、書いた記憶もあるのに、なんで済みフォルダに入ってない!」と真っ青になることが。
そうなるともう大変で、本当に書いてないかどうかを確かめるために、過去に書いた本を全部読み返し、本になってない書き下ろし原稿なども目を通し直してチェック……という凄い作業をしなければならなくなる。これがもう死ぬというか。それ調べてる時間で2〜3話は書けるんじゃないかっていうか。
概ねの場合は「書いたけどチェック漏れ」ではなく、「一度は書いてみた。しかし、なんかピッタリとはまらなくて、まだ今書く時期じゃないんだな、と納得してお蔵入りにした」とか、同様に「書いてみたけど、なんか違う気がして没にした」とか、そういうものだ。
一度書いちゃってるから余計に「書いた気がする!」と。いや、書いてるんですけど(^^;)
実話怪談は、文章が本業ではない方々から体験談をお預かりして、それを読者に広く読んでいただけるようまとめ直して再提案する、というような仕事でもある。つまりは、体験者の体験談があって初めて成立するわけで、ここでやっぱり「ちゃんと再現できているか?」というのをきちんとやらんことには、体験者の方に申し訳ないなあ、と思う。
「もっとこういうことが起きていたら、例えばど派手な幽霊が出たら、盛り上がるのに!」
と、思わないこともないけどw、体験者が体験してないことまで書いたら、それはもう小説であって実話怪談じゃないし。読者にとって、という部分ではなくて、体験談の提供者に対する仁義というのは守らねばとか思うし。
そういった制限の中で、できるだけ体験者当人の驚きと恐怖を再現できるかどうか、というのが僕の思う実話怪談なのであろうなあ。


そんなわけで、極2向けのネタを整理したりチェックしたりが大詰め。
ぼちぼち一気呵成に行こうかと思う。
まずは御神酒買ってくるか。いい奴。