ブレザオラ

事務所の冷蔵庫からブレザオラを引き揚げてきた。
今回は乾燥を始めたのが1/28で、まだ2週間弱しか経ってないのだけど、表面は十分に乾燥してきていて、弾性から言って1cm分くらいは乾燥したんじゃないかなー、と思われたのと、いちばんでかい肉塊の乾燥を始めるに当たって、事務所冷蔵庫にもう空きがないため。
元々1.7kg、脂身削って1.3kg相当の肉……は、重さ測ってこなかったなorz 1/28と比べてあまり水分出てこなかったので、1kgは割り込んでないと思うんだけど……ここから乾燥するとさらに100〜200gくらいの水分は落ちると思うので、最終的に1kgくらいに落ち着くんじゃないかなーと予想。
今回回収してきたのは800gの肉塊のほうで、1/28の時点で550gになってたもの。測ってみたら409gになってた。およそ半分!
同時に100gくらいの木っ端肉wで作った唐辛子多めのものは、さほど辛くもなく(むしろ甘く)、重さは100gの半分だけもらってきたけど、元が50gだったものが28gくらいになってた。
この100gの小肉塊は、半分に切り分けてみたところ表面から7〜8mmくらいのところまでは既に水分が完全に抜けて飴色になっていた。それより中心に近いところでは、深いルビーのような赤色をしていて、とても綺麗。ブレザオラは、この「赤い色」がいちばん美味しいところなのだそうで、生肉と干し肉の中間に位置するこの部分は乾燥熟成が進むにつれて、文字通り乾いて消えていく。
試しに、昨年末に作った第一弾の残りを切り分けてみると、飴色の部分や赤色の部分はもうほとんどなくて、ビーフジャーキーやサラミの表面を思わせるような珈琲色の深い焦げ茶色に変わっている。
また、ブレザオラでは脂肪はできるだけ外して赤身だけで作るのがよいとされているのだけど、時間がある程度経過して熟成期を過ぎた脂肪は、酸化というか劣化して急速に味を落とす。
脂肪は最初、水分を伴っているうちは白っぽい半透明なのだけど、過熟成に入ると不透明な白に変わって脂臭くなる。試食して思うのは、肉の味というのはどこまでも脂の味なんだなあ、ということで、油脂の変質に伴って肉の味も変わっていくところが面白い。


そんなわけで、回収してきたブレザオラ409gは今夜あたり一度切ってみて、様子次第では今週末くらいから提供開始ですよって、うちはレストランじゃねえんだよ的な(ry
前回は元が500gから始めたので、ごく小さい塊にしかならなかった。そのため、ちびちびちびちびと酒の肴として楽しんでいたのだけど、今回はそれなりに大きな塊で作ってるので、もっとドカーンとした使い方をしてもよいような気がする。
でも、日本国内で日本語のページを当たってみると、そもそも手に入りにくい食材/あまり知られていない食材であるせいか、「カルパッチョにする*1」「サラダに使う」というくらいしか出てこない。
豚肉で作られる生ハムやプロシュットは加熱して他の料理に組み込んだりすることがあるわけだから、ブレザオラもそういう使い方をしていいんじゃないのかと思うんだけど……。パッと思いつくところでは、そうさなあ。パスタに和えるとか? もしくは、炒めてカリっとさせて使うとか? イタリアやスペインの料理では、生肉を使わずに敢えて塩漬けした肉を使ったりとか生ハムやプロシュットを使ったりというのが多いんだけど、これは冷蔵技術が未熟だった時代の生肉の保存方法=塩漬けか乾燥だったからで、肉を生や乾いた状態で食いたいと思ってそうしたわけじゃないんだろな、と。もちろん、生で食うより味が複雑になって*2いいとかそういう。
必然的に塩漬けか乾燥した肉を、加熱調理に使ってたと思われるので、そっち方面の食べ方を考えてもいいんじゃないかと思われる。
例えば、えーと……カップラーメンにチャーシューの替わりに入れるとか、細かく刻んで卵かけご飯に混ぜるとかそういう(ry




ところで、また鯨肉買っちゃったw
ミンク1kg/2980円。普通、100gで500〜700円くらいなので、この値段は安いよなとか思う。もちろん、尾の身は100gで5000円くらいとかするんですがねorz いいんだ。赤身好きだから。

*1:そもそもこれが正式なカルパッチョ

*2:他の動物もそうだけど、例えば鴨や鮪などの大型魚では、死んだ(収穫された)直後より、しばらく置いて水分を抜きアミノ酸が分解してからのほうがうまい、とされている。日本では鮪は新鮮なほうが喜ばれる(生食するから)けど、イタリアなんかでは乾燥して使うものなあ。