怪逅

「極」怖い話 罠が終わって、現在取りかかっているのは、4月発売予定の久田樹生の最新刊、「超」怖い話 怪逅。これは、2007年リリースの「超」怖い話 怪歴の続刊的位置づけの実話怪談本となる。なんかもう、予定頁数に収まりきらないほど大量の怪談原稿が送りつけられてきてw、全部読んでそこから整理して絞り込み、それから組版して……という作業を突貫で行っている真っ最中。


久田君は「超」怖い話や怪逅などのために、この数年はほぼ毎週2〜3件のペースで取材を重ねてるらしい。打ち合わせや連絡メールなどのやりとりをしていると、「今週も取材でーす」と楽しげで羨ましいw もう、取材と称して体験者に会いに行くのが趣味になってるんじゃないのかと……いや趣味なんだろうな、きっと(^^;)
なんでも大部分は「やたらと酒とお茶に誘われるんです」という。誘い(取材アポ)があれば、車を飛ばしてあちこち出掛けて異業種の人にもガンガン会ってくるんだそうで、前々から多作な怪談書きだなーと思ってたけど、この人はなんというか「呼ばれる系」なのだろう。


怪談は「体験談」というタネがあってこそ形を為すものなので、元になる体験談がなければ一歩も始まらない。そして、ある程度の量を書こうと思ったら、その体験談の獲得っていうのが一番大変だということは、ご同業や超-1経験者は痛いほど思い知っているwのではないかと。


その体験談との巡り会い方も本当に多種多様で、樋口さんがそうであったように「飲み屋で隣に座った赤の他人から話を聞く」という定番から、「話を聞きにいった人に次の人を紹介されて」というテレホンショッキング方式、「メール、チャットで流し込まれてくる」式、「お店に来るお客さんがなぜかそんな話を始めてばかりで」式、「親類縁者友人同僚に何かないか何かないかとせがみ続けて」式、「別にこっちは頼んでないのに、見ず知らずの人に自分の身の上を聞いてくれないかと頼み込まれて仕方なく」式などなど、いろいろあるらしい。


望んでも見つけられない人もいれば、望んで、しかも止めどなくという人もおり、これは才能なのか、運なのか、何か特別なノウハウがあるのか、といったところ。
通じるのは、「話を聞いてくれそうな人に話す」というところで、「話を書いてくれそうな」ではなく、その前段に「話をとりあえず聞くだけでもマジメに取り合ってくれそうな人に」というのがあるケースが多いようだ。そりゃ、信じる気がない人にバカにされるために話そうっていう人はいないものなあ(´・ω・`)


それにしても怪逅と別に、少なくとも5冊の文庫本と1冊のアレと1本のナニが同時に蠢いていて、完全同時進行になっちゃってるのが3冊。
モノカキ屋さんではないほうの本領発揮で楽しい。血反吐が出てますが。