心臓に悪ィ〜(´Д`)

ekoda.jp/chokowa.com/kyofubako.comなどが乗っているサーバが、早朝6:30〜7:20くらいまでの間、一時的にダウンしていた模様。
料金未払いか!?(んなはずはないw)
と大慌てで調べまくった結果、サーバ側の「ちょっとHDD入れ替えますね」系メンテが今日に当たったらしいことが判明。
Webサーバとpopサーバが同じとこに乗っかってるせいで、Webからメールから全不通になったときは、このタイミングでこの世の終わりが来たかと思った。もしくは、このタイミングだからこそ、怪逅のどれかが障ってるのかと(ry
もちろん、それは「たまたま偶然」と言っていいことなのだけど、ひとつの根拠が疑われる事柄に対する偶然は、いったい幾つまでなら、「それは偶然であって必然や根拠や因果関係はない」と言い切っていいものなんだろう。


「高度に発達した技術は、魔法と区別が付かない」というような言葉を一度くらいは聞いたことがあるんじゃないかなと思うのだが、元ネタはアーサー・C・クラーク


では、技術的に高度に発達している、現代科学・現代工学の粋であるところの、各種の機械・装置・電子機器というのは、怪談と完全に無縁でいられるかというと、そうとも言えない。
古いところで言えば、舟幽霊。さまよえる幽霊船なんてのもある。でもあれは機械じゃない、ということであれば、タクシー幽霊。車の中に出る。「一万円のナナハン」やその類話となるような、やたら安い事故車の中古車に出る話の類。
電車に出る幽霊。もしくは、飛行機の機内にだけ出る幽霊。
心霊写真とか。ビデオテープに録画されている幽霊とか。またそれが、再生する度に変化する、とか。
最近増えてきた、携帯電話を媒介する怪談。創作ホラーでは「着信アリ」なんかで周知されたところでもあるけど、「超」怖い話ではしばしば携帯そのものが怪異の根源になっている話を扱っているし。
パソコンの怪異譚というのもこの何年かで増え始めているし。


ただこの「パソコンの怪異譚、携帯の怪異譚」というのは、実は単なる動作上のエラーを怪奇現象と見間違っている、というのも相当数あるのではないかと思っている。
例えば、「心当たりがないのに、自分からメールが届いた!」というような例。これは別にドッペルゲンガーがメールを送ってきたというわけではなくて、99%の確率でスパイウェアかトロイのどちらかがPC内に巣くっていて、PC内のメールソフトやメールのデータなどからPCの所有者のものと思しきメールアドレスをかっぱいで、それを送信元として偽装したSPAMメールを垂れ流しているのだと思う。それはすぐにウィルスチェックとスパイウェアチェックをすべきなのであって、必要なのはお祓いではない。
でも「高度に発達し、信頼性が高く誤動作が想定できない状況下で起きた、想定外の不具合」が、それについての技術的理解が乏しい場合などに、スピリチュアルな怪奇現象に思えてしまうというのは、クラークの予言通り避けられないことなのかも、と思わないでもない(^^;)
心霊系テクニカルライター、或いは技術系オカルトライターという立場にいると、「科学技術に怪異の闇はない」と断言したい気持ちと、「パソコンのパーツには【相性】があり、ネットワークにいる幽霊の存在を否定しきれない」という苦悩の間で揺れてしまうw


実際、その確率は非常に低い。それでも1%以下どころか0.0001%以下の極低い確率で、「それでは説明がつかない、どうしても説明がつかない」というようなことも起こり得るから困る。
そういえば、僕がPC9801系から乗り換えて最初に買ったDOS/VパソコンwだったGateway2000が突然死したのは、「超」怖い話の入稿作業中だったなあ、とか。
通常、DTP作業では

  1. 「作業終了後のファイル保存」と
  2. 「作業中にソフトウェアが定期的に行う自動保存」と
  3. 「手癖wで行う、1フェーズごとのこまめな保存」と

を行っている。
(1)(2)はソフトウェアの仕様/機能だとして、(3)の手癖というのは貧弱な黎明期のPC環境でDTP作業や、PCを使った原稿執筆などを経験してきた結果ついた習慣とも言える。

現在のWindowsは、曲がりなりにもマルチタスクOSなので、作業中に何らかの動作不良を起こしたソフトウェアだけを切り離すことで、OSが巻き添えになるのをある程度は防ぐ。もちろん、切り離されたソフトウェアの中断作業は全部パーだし、場合によってはOSを巻き込んでシステムが落ちることも完全になくなったわけではない。
PC9801のMS-DOSはシングルタスクOSだったので、進行中の作業(走ってるソフトウェア)がフリーズすると、十中八九というか十中十くらいの確率で、確実にそれまでの作業はパーになる。
まだPC9801の頃だったか、確か樋口さんだったかと思うのだが、PCで原稿執筆中に何らかのトラブルで*1マシンフリーズを起こしたことがあった。
もちろん、その作業はもうどうにもできないし救済のしようもないので、ディスプレイに表示されている書きかけの「今書いたけど読み取れる部分」を紙に書き写して、後は泣く泣くリセットする、という……これは、PC9801で原稿を書いていた経験がある人は、必ず経験してるんじゃないかなあ(^^;)

なもんだから、「こまめにセーブする癖」が付くわけだ。書いた原稿がパーになるのが嫌だから。
最近のエディターやワープロソフトというのはかなり賢くなっていて、「30秒ごとに自動保存」とか、「コマンド3回こなしたら保存」とか、いろいろカスタマイズして自動保存してくれるようにはなった。
が、そういった機能を盲信していると手痛い落とし穴に落ちたりするのではないか、という猜疑心が抜けきれないもんだからw結局アナログにも自分の手癖という形で保存をする。
多くのエディターやワープロソフトでは、「Esc→保存」か「ファイル→保存」だが、それをさらに簡略化したのが「Ctrlキーを押しながら(S)キー」というショートカット。左手小指が常にCtrlキーの上に乗ってるような人間は、作業中の手癖としてそのショートカットキーでこまめな保存をしてしまうのだった。


話は随分戻って、怪逅作業中の話。
というかまだ終わってないんだけど、複数の小人さんに読んで貰ったゲラで、ほぼ全員が指摘してきた「用法の間違いに基づく誤字」というのがあった。読んでいて、「ああ、これね」というようなもので、そのゲラの指摘を順番に読みながらInDesignで扱っている原盤の組版データのほうを修正していく。
こういう修正作業では、一人分のゲラを頭から全部反映させて、終わったら次の人のゲラをまた頭から順番に反映させて、という手順を踏む。
作業中は一個所直すたびに人力半自動で保存をしているし、一工程終わったら必ず保存して、バックアップを作る。バックアップファイルは、作業中ファイルの予備*2として、宅内ネットワーク上にあるHDDにコピーを置く。
で、次の人のゲラの反映作業に戻るわけなのだが、前回直したはずの箇所が修正前に戻ってしまっていることがあった。
直すべき箇所を一個所見つけたら、同じ言い回しをしている箇所は検索→置換して一気に直すので見落としは出ないはずなのだが……と、首を捻りつつも「見落としてたかな?」と思ってそこは直した。
また次のゲラを読みながら指摘箇所を修正していくと、また同じ指摘。「ああ、そこはもう直してあるし……」と、指摘箇所を照らし合わせると、直して保存もしたはずの原盤データの該当箇所が、また元に戻っている。
一度だけだったら、たぶん気のせい。
二度あったら「古いバックアップデータで作業してしまっているのでは?」と自分のデータ管理ミスを疑う。
三度あったら――それは怪談。


怪逅では、それが三度あった。


夜中に一人で作業してるときに、そういう検証が「できる」けど説明がつかないことに出くわすと、これは怪異なのか不具合なのか非常に悩む。科学的、技術的には不具合。もしくは人的ミス。99%はそう。たぶん。
でも、自分の手続きを確認して「それはない」というときに同じことが起きたとしたら、これはどうしたらいいのか。
しかも、これってDTPというかInDesign使わない人には非常に説明しにくいしw


このへんの、「前提となる状況や条件を十分に理解して踏まえていないと、それが怪異であることを理解してもらえにくい」というような怪異・怪談は、結構たくさんあるんじゃないかなと常々思う。
万人に理解できる恐怖ではなく、多くの場合は「自分の気のせい」。だが、自分の専門分野に照らし合わせて考えると、「だがそれは論理的にあり得ない」となる。自分自身のミス、見落としを疑って検証することはできるが、検証した結果に問題がないのに、「確かにそれはおかしい」というような結果が残ってしまったり。


そこで「これは変だ! 怖い話だ!」と思う人と、「これは変だが、自分には計り知れない何らかの理由があるに違いない」と思う人と、「これは変だしあり得ない。あり得ないからなかったことにする」と頭を切り換えて片付けてしまう人がいるw 前者は文系、中・後者はたぶん理系の人で、後者のケースの中に知られざる「専門家だけが首を捻る怪談」が存在するのではないかなあ、と思う反面、「それがなぜ怖いのか」を他人と共有し辛い、つまりは一般的に恐怖を共感してもらえにくい恐怖なんだろうなあ、とも思う。
マニアックな恐怖というかwなんというか。


そういうこともあって、「見たものしか認めん! しかし、見たものに納得がいかん!」という理系の人が体験した怖い話なんかを聞くのが、案外面白かったりする。幽霊ドカーンとか、血まみれでドピューとか、昔ここで首吊りがブルーンとか、そういうんじゃない話っていうのも趣があっていいんスよ!(熱弁)


そういう話があるよっていう方で、「文才はねえよ」っていう方は↓こちらまでw

「超」怖い体験談
http://www.chokowa.com/cgi/toukou/

*1:たぶんメモリ不足

*2:例えばソフト的、または物理的クラッシュとかに備えて