G WHEELスタンドバイク

G-Motionのブームは相変わらず来ないのだがw
新たなレプリカブランドで「G WHEELスタンドバイク」というものがあるらしいことが判明。
これもレプリカ系のようだが、ディーラーがちゃんと部品供給をしているらしい。レプリカ系は売りっぱなしサポートなしが多かったので、このへんのアフターサポートをきちんとしているレプリカは珍しいかも。


G-Motion/Wheelmanには別メーカーによるノックオフ品やレプリカ品、そこからさらにWheelman系とはまったく別の進化を遂げた製品等がある。
これらは、幾つかの共通点と相違点がある。

共通点は、

  • シートはなく、横向き立ち乗り
  • リムがなく、中空タイヤのホイールの内側に足を乗せる
  • エンジンは概ね原付程度
  • エンジンから伸びたホースの先にハンドル(アクセル/ブレーキ)がある


という感じ。
相違点は様々だが、

  • タイヤ(後輪)の駆動方式
  • フレームの支持方式
  • エンジン形式
  • タイヤ形式

大きいのはこのへんで、後は好き者のオーナーがどんどん個々に改良してしまうのでw、オーナー同士が自前マシンを持ち寄ってみると、カラーリングから諸々の細部に至るまで、ほとんど同じマシンがないというくらい違う。(ので、走行会で自分のマシンと他人のマシンを間違えることはほぼない)

もっとも大きいのはタイヤの駆動方式で、G-Motion/Wheelman/BushPigは、バードキャリーと呼ばれるスチール製の鳥かごのような部品が回転することで、後輪のタイヤの溝を噛んでタイヤを回す。ブレーキディスクも、タイヤではなくこのバードキャリーと同じ軸に付いている。
このバードキャリー部分がWheelman系のライセンシーの大きな部分で、ノックオフ品、レプリカ品や進化を遂げた別製品は、このバードキャリー構造を採用していない(または権利上できない)ため、別の駆動方式になる。
もっとも多いのがチェーン駆動式。Wheelman系でもエンジンからバードキャリーまでの駆動力の伝達に、かつてはスチールチェーンが使われていた*1。今はこの動力伝達はゴムベルトになっている。
理由は二つあって、チェーンだと長時間乗っているうちに連結点に負荷が掛かってチェーンが伸びてくるため。チェーンが伸びるとたるみ気味になって、草や異物を噛んだときにギアからチェーンが脱落しやすくなる。異物は噛んでいないけど、伸びたチェーンがぶっちぎれてフレームの内側のチェーンカバーに直撃、フレームの一部に穴が空いたことがある。
また、チェーンは振動と騒音が酷く、この振動が車体全体のボルトや部品の緩みを呼んだり、何より「うるさい」ということで、ベルト化された。
当初オプションだったベルトドライブは、今ではWheelman系のスタンダードになっている。このため、Wheelman系には現在はチェーンはない。

Wheelman系以外のレプリカマシンは、バードキャリーはなく、エンジンの駆動力を二重のチェーンで後輪に直接伝達し、後輪の外郭にある大きなギアを直接回すことで駆動する。
この方式はかつてWheelmanライセンス生産していた韓国のメーカー「TAMI」が、ライセンス更新をせずに独立して独自生産を始めたときに採用した方式らしい。バードキャリーのライセンスが使えなかったから、というだけではなく、実際のところバードキャリー方式よりもチェーンドライブ方式のほうが、路面トルクが大きくスピードも出やすいらしい。
そもそも、オーストラリアで開発されたWheelmanは、「異物を巻き込む可能性が高いオフロードでの走行」を念頭に置いている。バードキャリーは後輪を回すバードキャリーが路面から隔離されているので、異物を巻き込みにくい。エンジントルクのロスは多少あるけれども、オフロード走行には向いている。
対してチェーンドライブ方式はエンジントルクのロスが極めて少ないが、チェーンの掛かる後輪を回すギアが後輪と同時に回転する大きなものであるため、異物を巻き込みやすい。韓国ではオフロード走行よりも、アスファルトの上でのオンロード・エクストリームスポーツ的な乗り方をするユーザーが多かったため、異物巻き込みをあまり考慮しないでよかった。
その辺りの、「どこを走るか」「どう乗るか」という思想の違いが、駆動方式の違いとなって現れた。
Wheelman系の英語版マニュアルなどを見ると「草原に遠乗りするときは、燃料と食糧と水と地図と携帯電話を持ち、行き先を誰かに伝えてから行け」という、どこに探検に行かせる気だ的な配慮が書かれている。(本当)
オーストラリアでは「オフロードで人里離れた所に遠乗り」ということを念頭に置いていたらしいことが、このへんからも窺えるw
オンロード・エクストリームというのを意識した結果、TAMI系のレプリカマシンはタイヤもWheelman系とは別モノに進化した。
Wheelman系は、オフロード走行のため――そしてバードキャリーでタイヤの溝を噛む必要から、タイヤはゴツくて深いキャラメルパターンのオフロードタイヤになっている。
しかし、バードキャリーから解放されたレプリカ系は、「タイヤを回すための溝」の必要がなく、さらにチェーン&ギアから伝達されたトルクを余さず路面に伝える=路面への接地面積を増やす必要から、レインパターン以外の横方向の溝がない、オンロードタイヤを採用したモデルが現れた。
ここに来て、バイクにおけるオフロードバイクとオンロードスポーツバイクのような性格の違いが現れたわけだ。
初期のレプリカマシンは「アクセルはあるけどブレーキはない*2」とか、いろいろ不具合もあったが、最近のレプリカはブレーキはもちろん、キルスイッチが手元にあるとか*3、フレームが強化されて強度が高められていたりとか、Wheelman系とはまた違った進化を遂げているものも珍しくなく、どちらが上、下、とは言いにくい一面もある。
いずれも、改造好き、メンテ好き、バカ乗車ガジェット好き、タイヤが好き、というオーナーが勢いで惚れ込んで所有することが多いので、Wheelman系だろうがレプリカ系だろうが、ほとんど原型は留めない。要するに、「改造して自分風にしていくためのベース車両」でしかない、という認識というか。


そんなわけで、乗れば面白さがわかる乗り物なんだがなあw


スタンドバイクを突然惚れ込んで衝動買いされてしまった方がいるらしい。だんだん乗れていく経緯、そして最初から降りかかるトラブルw、などなど、僕にも身に覚えのあることを追体験されてる方がまた一人……と思うと、妙に親近感を憶えるw
トラブルが楽しい人でないと楽しめない、不完全であることを許容できないと向いてない乗り物ってどうよ、とか思う。が、それがいい。
僕にとっての課題は、「荒川遠いよ(´・ω・`)」ってことと、「週末が空かねえよ(`皿´)ムキー!!」ってとこだろか。今週は天気も悪かった。仕事も積んでいる(´・ω・`)


ああ、乗りたい乗りたい。
はー。

*1:ごく短期的にステンレスチェーンも使われたが凄い勢いで壊れたw

*2:バードキャリーがないから付けられなかった。故にエンブレのみでなかなか止まらない

*3:Wheelman系はエンジン付近にある。搭載エンジンによってはケーブルで繋がれたキャップを外すと切れるもの、ボタン式など様々だが、キルスイッチ以外でエンジンを止める方法はない。あるとすればガス欠ぐらい