怪集/2009 プレオープンしました

今月末、ホラー小説アンソロジー集【怪集 蟲】が発売の運びとなる。
著者は、松村進吉、つくね乱蔵、深澤夜の3人。
共通項は昨年開催の遺伝記/2009の参加者である点*1
この怪集 蟲と同じキーワード「怪集」を冠した、怪集/2009。


怪集/2009は、ホラー小説を募集するコンテストである。
ただし、超-1でお馴染みの匿名公開+相互講評システムを用いた、創作怪談、ホラー小説、恐怖小説のコンテスト。
コンテストというより、性格的にはコンペに近い。*2
肩書き、それまでの作品に基づく期待、著名人の肝煎り、といったふうな要素はない。
著者名は明かさずに作品だけをポンと投げ出す匿名公開制。
そして、その作品本位で気に入ったかどうかについて、応募者自身と一般読者が鎬を削る相互講評制。
審査員は容赦がなく、また全ての審査員が期待通りの講評をするとは限らない。審査員が気に入った作品の著者が、期待した通りの相手かどうかもわからない。
暗闇で手探りしつつ、手触りだけで善し悪しを決めろ、匂いを嗅いだだけでそれを評せよ。
まあ、無茶を言っていると自分でも思う。


課題は三つ。

  • 恐ろしい話であること。絶望を伴うと尚良い。
  • 「虫」をモチーフとすること。
  • 怪集/2009で発表された作品とリンクすること。

加えて、怪集 蟲もそのリンクの対象となる。
怪集 蟲は、怪集/2009と連携している。手本であり、目標であり、素材であり、隙あらばそのはらわたを食い散らかしても良い生贄である。
蟲及び怪集/2009で公開される作品の世界観を借用・引用するなり、キーワードを拡張するなり、続編を書くなり、再解釈版を構築するなり。
自分自身の応募作品もまた、他の著者の苗床となる。食い荒らされるか、より拡大されるか。エピゴーネンを従える王となるか、青は藍より出でて藍より青し、となるのか。
群れなし蠢く物語群、どこからでも読み始められる無限のストーリー。


支持を集めた傑作・怪作は、今秋刊行予定の傑作選へ収載される。作者は当然、「作家」として扱われ、掲載作品に対して当然印税が支払われる。
掲載は一人一作まで?
いやいや。
一人で何作でも。面白い、支持を集めるものが書けたなら一人の作品を何作でも。何なら、一人で一冊占拠することすらも。


繰り返す。
怪集/2009は、ホラー小説コンテスト……というよりは、コンペに近い。作品として良い、とされたもののみが選ばれる。


さあ、来い。
始めよう。



怪集/2009

※若干グロいです。苦手な方はごめんなさい。










以下は裏話。
昨年、恐怖箱のプロジェクトとして行われた「遺伝記」。
これは、実話怪談ではできない「エピソードとエピソードが連鎖する小説群」という試みだった。
超-1システムの検証も含めたプロトタイプとして行われた遺伝記/2009だが、今年は恐怖箱レーベルから怪集という新レーベルとして独立することになった。
竹書房文庫からデビューする恐怖小説/ホラー小説新人作家のためのレーベルという位置付けになる。今年からが本番。

*1:同時に、超-1選抜組である点

*2:素で間違いましたorz