政治と怪談の因果関係

ゲラ読んでゲラ読んで次の仕事の仕込みしてゲラ読んでゲラ読んで。


全て計画通り――に行くのが喜ばしいはずなのに、想定外のことが起こるとどうしても心が躍るというか、〆切が間際になればなるほど、不確定要素が出てくるほど、「よしきた、さあこい!」という気持ちに。
安寧を求めてるはずなのに、なんでか心のどこかで荒れる高波に翻弄されることを期待している、という自分がいるのかもしれんなとか思わないでもない。
滝には打たれてみよ。ドブ板は踏み抜いてみよ。地雷は踏んでみよ。
酷い目に遭って初めて、自分のポテンシャルがわかる。



さて。
目下の興味は「民主政権で変わる明日(への対応)」なんだけど、ある程度そうなる見通しは立っていたにせよ、今度の変革は進化ではなく波乱であるという前提でいる。だからきっと心が躍るんだな、と思う。


外交・安全保障(防衛)は趣味の範疇だが、その関連で歴史・軍事史・現代政治・経済も興味あり。
これらを俯瞰していると、なんとなく僕の本業wであるところの怪談本と因果関係がある、ように思えてくるときがある。


怪談には「不景気になると怪談がもてはやされる」という不景気ジンクスがある。
オイルショックの後、「あなたの知らない世界」がブームとなり定着。*1
バブル崩壊後の失われた十年*2、90年代に入ったところで、新耳袋「超」怖い話が相次いで始まり、90年代半ばにはJホラームービーブームの先駆けとなる、「リング」などが流行り出す。
1999年くらいまでは失われた十年のど真ん中にあって、「世紀末だ、世の中もうダメだ」という閉塞感と滅亡というリセットwへの期待感から、ノストラダムスが再ブームになったりもした。
2002年くらいから2008年くらいまでは長期の好況だったはずだが、「格差」が騒がれて景況感が実感されなかったので、怪談需要が伸びた。リーマン・ショック後の怪談本出版点数の増大は、このエントリの右側に並んでる新刊書籍点数で類推をw


これは、「自分が不幸なときは自分より更に不幸な人を見ることで、自分が最底辺ではないことに安心したい」という心理から来るものかなあ、と思う。*3
逆に、高度成長期やバブルのまっただ中など、満ち足りていて幸福感を強く感じる人が多い=不満が出ない時代は、「自分の幸せを他の人にも分けてあげたい」とすら思うので、他人の不幸をみんなで喜ぶ、といった不景気な話は喜ばれない。景気のいい話が売れるわけで、そういう時代は怪談本は売れない。
ま、要するに、世の中が不景気だとオカルト・怪談は売れるのでは? ということだ。


スピリチュアル系ファーストレディが注目されてるけど、年越して2010年も民主党ageが続くなら、2010年はスピリチュアル・オカルト・怪談本は売れる。*4

政権交替御祝儀が終わり、年越しして2010年には民主党政権への期待が賞味期限切れになって民主党sageになった場合、スピリチュアル系ファーストレディは麻生総理にとってのバー通いや読み間違い同様、鳩山代表のアキレス腱になりかねず、2010年はスピリチュアル・オカルト・怪談本は烙印を押されて蔑まれる、かもしれない。2010年の時点では景気回復はまだないと思うので、不景気ジンクスで怪談本は売れるはずだが、スピリチュアル系ファーストレディへのバッシングと、どちらが勝つのかわからない。


国民生活への影響というか、怪談屋に対する影響がどうなるのかというのは、興味津々なところ。

*1:ただし、オイルショックは1973年秋以降で、「あなたの知らない世界」の放送そのものは1973年夏に始まっていた。が、本格的に定着したのは翌年からなので、オイルショック後のブームと見ていいかと思う

*2:十年じゃ利かない、とも言われるが

*3:これがもっと能動的に働くと、「自分より上にいる者(権力者とか金持ちとか社会的成功者とか芸能人とか)が、失脚したり逮捕されたり衰退したり損をしたり、要するに自分よりさらに低いところに堕ちていくのを見たい」という、じんわりとした陰湿な心理に発展する。

*4:鳩山幸人気wと不景気の継続の相乗効果により。