災害対策費を削って母子加算に充てるお!

いくらなんでもあんまりだ……。

母子加算、12月復活へ〜60億円捻出へ調整(産経新聞) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091008-00000510-san-bus_all

民主党マニフェストの目玉の一つである「母子加算*1を何が何でも実現したいらしいのだが、結局財源が出てこなかったらしい。
で、その財源として、緊急用に備えて備蓄されている「災害対策費」を使っちゃうらしい。


ぶっちゃけ、予算には予備費という「手を付けちゃいけないお金」というのがある。
これは、「日本は不慮の災害(震災、台風水害)が避けられない風土にある」ことから、そうした被災地の対応費、救助費、復旧費、諸々の災害対策に充てる為の【積立貯金】としてキープされている。
災害はいつ起こるかわからないが確実に起こるから、絶対にそれに備えなければならない。
政治というのは、常に「起きては困る最悪は必ず起こる」という立脚点に立って未然に準備をする、というものであるわけで、当然「準備はしていたけど何も起きなくてよかったね」というものももちろん出てくる。だからといって、「何も起きなかったのに取っておくのはムダだ」と言って使い込んでしまって、その直後にいきなり災害が発生したらどうすんの! ということになってくる。


しかも、たった今、史上最大級の台風が接近中、上陸するぞ、という話になっている最中に、「災害対策にも充てる予備費を財源として、恒久的な支出である母子加算復活に充てる」というのをアナウンスするっていうのは、いくら何でもあんまりすぎる。




民主党の批判ばかりしたいわけでは決してないんだけど、100円拾うために全力で100000万円使うかのような、マニフェストに拘泥しすぎた近視眼的に過ぎる主張が多すぎやしないか。
今次の台風の対応の為に災害対策費を捻出するとなったら、それは国会の承認が必要になる。*2
だが、秋の臨時国会は開催日程すら立ってない。


何もかもが手遅れになっていかなきゃいいんだけど。
民主党にも優秀で志のある議員はいる!」
というのが、民主党擁護の最後の命綱になりつつあるような気がするけど、優秀で志のある議員が執行部とその頂点にいないんだったら、全然意味ないと思うよ。*3

*1:18歳以下の子供がいて、かつ生活保護を受けている母子家庭に月約2万円を支給する制度。全国の約10万世帯が対象となっていたが、「生活保護を受けている母子世帯より、一般の母子世帯の方が収入が低い」との理由から、自公政権時代の20年度末に廃止された。ここらへん、ソース元からの引用。

*2:激甚災害などの認定も国会の承認が必要だったはず

*3:安全保障趣味者の興味の範疇には当然「危機管理」も含まれるわけだが、ここまで「管理すべき危機は、自分達が善良であるなら起こらない=友愛」という、性善説に乗っ取られた内閣は酷いを通り越して凄すぎる。政治というのは、「悪いことは必ず起こる」という前提に立ってもらわなくちゃ困るんだがなあ。