左右の瞳孔の大きさが違う

数日前から顕著になりだしてきていて気になっていたのだが、麟太郎の左右の瞳孔の大きさが違う。左側のほうが大きく開いていて、右のほうが細い。日中や照明の下などそれなりに明るいところでも、左のほうは大きく開いている。
また、左右の目そのものの大きさというか、瞼の開き具合でも、左のほうが大きく、右のほうは細い。
猫の両目の瞳孔の大きさが異なる理由にはいくつかあるようで、何らかの目の病気、交差神経の異常、猫白血病ウィルスの影響による眼科的異常、脳が何らかの圧力を受けているケース、などが考えられるらしい。
頭を振る動作は、垂れてくるよだれをしぶきにして周囲にまき散らすのだが、これも頭(多くの場合は脳幹部など、頭の内部)への痛みがあることの証左、とされる。
癌は痛い、という。人間でも末期の癌患者に処方されるのは痛み止めのモルヒネだ。
麟太郎の咽頭部に垂れ下がるようにできた癌は、口腔側をほぼ塞ぎつつあるようで、呼吸は鼻孔側からになっているのだろうと思う。
いびきをかくような音は癌が呼吸時に「弁」のように振動していたことで出ていたらしいが、それもあまり聞こえなくなって、きゅうー、しゅうー、という擦過音を立てるのみ。もう、にゃあと鳴くことはない。
目が合えばやってくる。
痛いだろうに撫でてやると「頭をなでれ」と場所を指定してつきだしてくる。
言葉はわからずとも、なんとなく気持ちはわかる、ような気がする。*1
最後まで看取る――とはなんと苦しいことか。

*1:もちろん、それも片思いのエゴに過ぎないかもしれない