親上京
静岡から両親が上京してきた。
上京してくることそのものは昨年から決まっていた。
19日になったのは僕の仕事*1が落ち着くのが先週だったので、「それより後なら確実」ということで、最初からこの日だった。
老母は年々涙もろくなっているが、麟太郎の骨壺を見て、昔亡くした愛犬の死に接したことを思い出したのか、少し泣いた。
終電ぎりぎりまで滞在した両親を見送り、家人と食事など。
話題が途切れると、出てくるのは麟太郎の話。
麟太郎を亡くした日の前日だったか、流動食のために麟太郎を抱えて階段を下りてくるとき、家人は顔をひっかかれていた。
僕は僕で病院に連れて行くときにいつの間にか付けられていたのか、右手の甲に麟太郎の仕業とおぼしきひっかき傷ができていた。
「この傷が、直らなければいいのに」
そんなことを少し思った。