忙中閑あってはまずいのでないことにしとく

どうも昨年秋くらいからこっち、タイトロープな仕事が続くorz
モットーは「余裕を持って入稿」なはずなのになあ(´Д`)
というわけで今回もタイトローパーです。


そうなると家から出られない。
受験生は、建前として机に向かって受験勉強をしていなければいけないはずなので、遊びに行くとかバイトとかはしないことになっている。
そうすると、必然的に勉強机にしがみついて鉛筆を動かしている、というアリバイを踏まえた上でできることにシフトしていくわけで、教科書の下や引き出しの中にマンガ隠して読んだりエロ本隠したりするようになるわけだなw
さらに、「鉛筆を走らせて何か書いてさえいれば、勉強をしたような気分になれる*1」ので、ラジオとか雑誌とかの投稿ページに投稿しちゃったりする。
かつて、ガメル連邦やらハガキの帝国やらで一緒に集団現実逃避してた受験生の皆さん、お元気でしょうかwww


その性質は仕事をしていても同じで、身を入れて仕事しなきゃいけないときに調べ物とかしていると、気が付くとGoogleの黒い森に迷い込んだりする。
最近の趣味は時代に逆行して煙が出るものwなのだが、こんなサイトがあった。

SMOKING METAL TOBACCO PIPE COLLECTORS & FANATICS
http://www.smokingmetal.co.uk/

普通パイプといえば思い浮かぶのはムーミンパパ的な木のパイプ。*2
他にコーンパイプ*3、メシャムパイプ*4、クレイパイプ*5などいろいろあるのだけど、金属を使ったパイプというのもある。
ちょっと昔では、真鍮を使ったものなんかがあり、1900年代初頭*6になると、スチール、ステンレス、アルミなどを鋳造して作ったパイプや、金属塊を削りだして作ったパイプなどが登場する。
1950〜70年代頃には、ブライヤーとメシャムとアルミとステンレスの合わせ技のパイプも出てくる。
1950年代と言えば、アメリカがなんだかやたらとポジティブな時代で、カルチャーでもインダストリアルデザインでも、未来風、しかし今で言えばレトロフューチャーな感じのものが流行った。
「未来の世界では、透明なチューブの中をタイヤのないエアカーが走る」とか、
「一般家庭にもパラボラアンテナがある」*7とか、
「壁に埋め込み式のテレビがある」*8とか、
……当然、パイプにもその時代の風潮というのが反映されていたようで、ベトナム戦争絡みで社会が沈滞してくる1970年頃までそれは続いたらしい。
上述の「SMOKING METAL TOBACCO PIPE COLLECTORS & FANATICS」*9はイギリス人のサイト。この手の「○○○コレクション」というのはイギリス人の十八番で、イギリス人はほんとになんでも集めたがるw
その一方で集められているメタルパイプはUK以外にUSAも結構多い様子*10
パイプ=ホームズ=イギリスとか、パイプ=ダンヒルのイメージが強いせいか、パイプの本場はイギリスかと僕も思っていた時代がありました。
実際にはアメリカのパイプ市場というのが結構大きかったんだそうで、イギリス、ドイツ、オランダ、デンマークなどの欧州諸国は、アメリカにパイプを輸出していたんだそう。
アメリカ自身も多くのパイプメーカーがあったようで、こうしたレトロフューチャーなメタルパイプの多くはアメリカの「工業製品大量生産」な精神が反映されたものといってよいのだろう。*11
どんな分野もそうだけど、量をこなすと適度に目が肥えてくる。いろいろな歴史や事情や工夫や試行錯誤の跡が見えてきて、非常におもしろい。メタルパイプの場合、すでに絶版になってるものが多すぎて、自分で買い漁るのはまあ無理だけどw*12
ブライヤーなど木のパイプは大雑把に言えばボウルとシャンクが一体化していて、後はマウスピースくらいしか部品がない。*13
シンプルなぶん変化を付けるのも難しく、特に20世紀に入った頃、それまでの完全なハンドメイドから機械を使って量産するようになった頃に、削り方とかの工夫でいろいろな個性が出るよう、さまざまなシェイプ*14が生まれたらしい。
メタルパイプも、やはりそれぞれが独自の個性を出そうと頑張った結果、ずいぶんと頑張りすぎたパイプとか未来に行きすぎたパイプとかが生まれたようで、実用としてどうなんだそれはと思わず引くようなものから吹くようなものまで、なんだか様々。
でも、ギミックに工夫が凝らされていて、工業デザインとして一理も二理もあるようなものに設計者の意図を見出すことができたりすると、なんかこうわくわくする。
やっぱ、ガジェットLOVEですよ。

*1:気分になれるだけで、勉強は身についてない

*2:ブライヤーという木の根で作られたもので、意外や意外、パイプの歴史の中では登場して百数十年程度、まだ200年いってない新参だそうです

*3:アメリカ原産です。

*4:石を彫ったものです

*5:焼き物です

*6:多くは1930年頃?

*7:これは衛星放送の普及で実現したけどw

*8:これも薄型液晶テレビの普及で実現しましたw

*9:金属パイプの偏執的蒐集家

*10:ドイツ、オランダ、現代日本などもコレクションされていたが

*11:イギリス製メタルパイプも山ほどあります

*12:幾ら掛かるかわからんしw

*13:強いて言えばアルミのヤニ取りも部品と言えるけど、あれは外して神棚に飾るものらしいのでカウントしないw

*14:デザインのことを、パイプではこんな呼び方をする