宮崎県知事vs記者

「宮崎県知事が、記者の質問に対して【寝てない、喧嘩売ってんのか】とキレた」という報道についての覚え書き。
原文を見ると、どっちかというと「記者の質問が要領を得ていなさすぎて、宮崎県知事があきれた」という感じがしないでもない。

東国原知事「寝てない!けんか売ってんのか!」 大荒れ記者会見書き起こし - 一平の雑記録
http://d.hatena.ne.jp/ippei_mt/20100518/1274185636 (会見全文書き起こし)


記者会見映像データ
http://sv0001.live-vod-com.co.jp/pref-miyazaki/movie/W_H22/201005188001001.asx



(前半)http://www.nicovideo.jp/watch/sm10768832



(後半)http://www.nicovideo.jp/watch/sm10768917


男性記者(南日本新聞の前田記者)「防疫対策やってますけど、このまま今の方法を続けるのかそれともワクチンなのか、それとも強制処分なのか。これは検討されてますか」
東国原知事「検討しています」
男性記者「どうされますか」
東国原「まだ分かりません」
男性記者「まだ?もう11万頭きているわけだから」
東国原「まだ決断はしておりません。検討しております。一歩踏み込んだところ。というのは、国の地元対策チームがきたわけですから、その意味も勘案していただければ解りますよね」
男性記者「いや家畜伝染予防法ではですね、その主体は知事なんですよ。知事なんです。だから、知事がどう思うか、どうされるかっていうのが一番なんです」
東国原「検討してます」
男性記者「国じゃないんですよ。国じゃないんですよ。自分の」
東国原「法的に知事ですよ。でも、国の協力が無かったら、全頭殺処分でいくらかかるか知ってますか」
男性記者「いやだからお金のこと言っててもいましょうがないんですよ」
東国原「しょうがなくないんです。そういったこともやらなければいけないんですよ。慎重にやらなくちゃ。地元の対策も地元の同意も得なければいけなない。もし全頭やるとしたらですよ?それを簡単にですね」
男性記者「簡単に言ってないです。言ってない言ってない」
東国原「簡単に言ってますよ。相当な覚悟が必要なんですよこれは」
男性記者「ですから考えてるかどうかを聞いているんです」
東国原「地元の人たちにね、同意をひとりずつ取っていかなくちゃいけないんですよ。査定もしていかなくちゃいけない。それに対して人員とか埋設場所だとかその予算だとかコストだとか尋常じゃないんですよ」
男性記者「じゃあ今のままで20万いったりするんですか?」
東国原「いやだから今そのポイントを検討して、どこだったらその非常事態だとか踏み込んだ対策をするかとか検討しているんです」
男性記者「してください」
東国原「してるんです。だからしてるって言ったのに、あなたしてるんですかって」
男性記者「いや知事の方が国が国がと仰るから」

東国原「国がと言ってません、協議しないとね、これはねパンデミックで。もう宮崎だけの問題じゃないですよ。ですから全体の事を考えて」
男性記者「いやそうですけども、一番集中して出てるのが宮崎県だから、宮崎県の知事がリーダーシップを発揮しなければ」
東国原「やってるでしょ。だからやってますよ。検討してますよ」
男性記者「じゃああまり国が国がって言わないでくださいよ」
東国原「国が国がって国と協議しなくちゃいけない、市町村とも協議しなくちゃいけない、地元のみなさんとも意見交換しなくちゃいけないですか。私独断ではいやりますやらないですってそりゃ現場を知って、現場の人と話さなくちゃ分からないでしょ。そのへんは分かってくださいよ…プロでしょあなた?」


女性記者(宮崎記者)「赤松大臣の会見のなかでワクチンを検討したいとおっしゃっていたようなんですが、優先順位として、防疫指針の中にあげてあるワクチン使用がもう視野に入っているんでしょうか」
東国原「先程も言いましたけども、入ってます。ワクチンも全頭殺処分も、強制屠畜。あるいはそれを複合してやるのか、数種類の判断がありますよね。一歩踏み込んだってのはそういうことですよ。じゃあそれをどのタイミングで、どういうふうにご地元の皆さんに理解を得ながら、予算処置をしながら、もしトラブった時の法的処置はどうするのか、裁判訴訟になったときはどうするのか。そういうところをきっちり詰めないと、前には進めないんですね。見切り発車できないんですよ。それをずっと検討しているわけですよ。でもこれは、判断にですね、地元の農家の発生農家のあるいは処分される方たちの健康な牛、いや豚をですね。殺処分しなくてはいけない。その気持を考えた時に、早々軽々にはできないんですよ」
女性記者「軽々にできない事がわかっているから、我々はどういう風に国が考え県が考えているかを…」
東国原「だからそれを話しあっているんです一生懸命。毎日。寝ずに。それをですね、検討しているんだとか甘かったとか、処理が防疫対策どうのこうのとか、我々は一生懸命やってるんですよ。地元の方達も。以上です。帰ります」
女性記者「そういうことではなくて」
東国原「喧嘩売ってるのそっちじゃないですか」(以上、抜粋)

記事になったのは斜体で囲われた部分だけで、その前後にこのようなやりとりがあった。
でも、新聞やテレビや電車中吊りやコンビニ店頭のスポーツ新聞の見出しや2ちゃんねるスレタイwだけ見る人は、「東国原も雪印の社長と同じだな」という印象を持つ。


印象誘導記事の典型例として、保存に値する。