小泉純一郎講演録

運スレのスネークが小泉純一郎最新講演(2010/7/4東京)をレポ。
撮影、録音禁止だったそうで、メモと記憶を頼りにしたもの。
後日、動画が公開されるらしいので、速報で。

小泉純一郎講演録 - 小泉純一郎は運が強すぎる▲517▲より。
http://bit.ly/ad47B7


518 名前:レポ前半 投稿日:2010/07/08(木) 18:28:29 ID:4ireRxLC
遅くなりましたが日曜日の講演を前半だけ投下。
不正確なところもあるし長いのですが、ちょっと失礼します。


テーマ「日本の歩むべき道」

国技館に来るの久しぶり。「感動した」の思い出話が掴み。
政局のことはあまり語りたくないが、誰が総理になろうとこれから日本にとって必要なことにつき、限られた時間ではあるがお話していきたい。
1つの政党が与党の立場であることはよくないので、政権交代はよかったと思うし、当然いつか起こるべくことであっただろう。
自民党らしさでてきた民主党』という川柳をおもしろおかしく紹介し、会場笑い。民主党になってよかったじゃない?みんなそれを期待してたみたいだし(棒)と最初は皮肉りつつ持ち上げながらも、だんだん民主批判ヒートアップ。

一般会計と特別会計の合わせて200兆円見直して無駄を省けば、10〜20兆は出て来ると言っていた。これは自民はできなかったから是非やって欲しい!と思っている。無理だと思うけど、あそこまでハッキリ言っているしね。しかも自公政権のときより国債を減らします。
さらに4年間消費税を上げない。こんなの手品でもなかなかできない。
やっぱり政権執ってみたけどできてない。
それでこれから予算編成どうするんだろうね?
1年くらいは自民党のせいにできる。今まで「政府は!与党は!」とテレビやラジオが言うと、「あーまた批判されるのか」と思っていたが、最近は政府も与党も民主党なんだ、と。

1年経過して、そろそろもう自民党のせいになんてできない。
マスコミも評論家も一般の国民も自民党のせいにすればいいんだから楽なもんでしたよ。
でもこれからはなかなかそういう状況じゃなくなるんじゃないですか?
仕分事業も大事ですよ。調べれば調べるほど数多くの特殊法人があるから時間がかかりますけど、無駄を省けば10〜15兆円出ると言ったけど、これは大変なこと。
「兆」という単位が麻痺してる。兆という単位がいかに大きいか。
はやぶさのことを例に挙げつつ)減らすにしても増やすにしても兆円単位なんてなかなか無理。
みなさんが1億円を1年間毎日使っても365億円。1兆円使うには30年近くかかる。
そんな単位を簡単に削りたがったり簡単に出したがったりする。
政権与党は見積もり以上の税収が出て来るから、さまざまな支持団体に手当ができるという大義ができたけど、これからは違う。
見積もりの税収よりも税収が減っちゃう。となれば、私が言っていた「痛みを耐えて明日をよくする姿勢」どころか、いくら税収があっても足りない、仮に税収が増えても借金返済に回さなきゃいけなくなるし、新規の政策に割けなくなる。行財政改革は大事。
今まで各団体に撒いてきた補助金や国民への手当を減らすというのが、
行財政改革だが、このまま行くと痛みに耐えるどころか悲鳴を上げることになるだろう。

(中略)

国民は自民党はしらがみが多いからできないことが多い。でも民主ならばと、期待したんだろう。
これから自公政権ができなかったことを民主政権がやってくれると。
いかに増税しないでももっとよくやってくれるんだ、と。
しかし、今民主党がやってるのは、自民党を支持していた団体を自分らの支持に回そうとしている。
しがらみがないどころか、ますますしがらみを作っちゃってる。数兆をカットし、数億を貴重な新規政策に回さなくちゃいけないのがこれからの時代なのに…民主を見ていると逆走している。
数億カットして数兆バラまいている。

その例として高速道路・郵政民営化を例に挙げながら、民主党を批判。
税金を投入しない方法を考えたのに、民主党はそれを「タダにします」。
税金を投入しないでタダになんてできない。高速道路を使う人の割合は10人に1人。
その人はタダになったら喜ぶが、使っていない残りの9人に対して税負担になる。
よくもこうも馬鹿げたものを…これらにはガッカリしている。
国民の税金を本当に必要な分野にだけ使おうという行財政改革が、官から民へなのに、逆になっちゃってる。これからも税金を使いましょう!という制度に戻そうとしているのが今の民主党
自民党がやれないことを民主党がやってくれだろう、というのが国民の期待だったんじゃないのか?
一番税金を使っている分野を、いかに民間に活力を与えて、税収を上げるように持って行くのか。
それが構造改革だ。子供手当なんてもうね。無駄を省くっていうけど、それこそもうね。
私はそんなお金はいりません、と言っている人にまであげるってんだからね。
そんなところには税金を投入する必要はない。

しかたないが選挙は感情的になりやすい。自民党のときに出た感情的批判のいい例は「後期高齢者医療制度」。75歳以上を差別している、と高齢者が憤慨した。
しかしながら、後期高齢者…今考えればそんなにいい名称ではなかったかも。
でも年をとればいろいろとかかる。だから医療費もかかる。毎年高齢者は増えている。
変えて行かなくちゃいかんな、ということでこの制度を別建てで、できるだけ高齢者の負担を軽くするために税金を投入する制度を作ったけど、その名称は年寄りを馬鹿にしてんのか!と。
確かに、今考えれば「長生き高齢者」「長寿高齢者」もよかったかなとw
でも当時は「終末高齢者」「末期高齢者」よりはいいじゃないかと思ってつけたんだけど(会場笑)
でもまあ、名称としてはよくなかったかもしれないけど、でも年齢で区別するな!って年齢で区別しなくて本当にいいんですか?民主党は直ちにこれを廃止します!ていまだにできてない。
あたりまえですね。考えてないんです。
年齢0歳〜100歳まで全て一律にするなんてできるわけない。

医療制度のやり方はどの政権が担当しようが3つの組み合わせしかない。
(以下その3つについて説明。ごめんなさい。メモの関係上割愛でorz)
少子高齢化、これからは子供の負担を軽くしてやらなくちゃいけないんじゃないかと。
そういうと、そうだそうだという意見が増える。限られた財源なんだ。子供たちは選挙権ない。
一番投票に行く後期高齢者は選挙権持っているけどね。
一番税金を投入されている人が「後期」という名称に不満を持っている。
私の内閣の頃は、毎年1兆円以上、社会保障関係が増えて行ったら、無駄を省こうということで、社会保障費を減らしたんじゃなくて、1兆円以上を超えたら、伸びる率、額を8000億円程度にとどめようということで、2000億円くらい無駄を削減しながら減らして行こうと。
だから予算的には増えるのが社会保障費なんだけど、それでも福祉切り捨てと批判された。
これから民主党後期高齢者制度を廃止してどういう制度を作るのか見物だ。
税収より借金が多い。そんなに新規の政策は出せないはずだ。
行財政改革を徹底的にやるという民主党を私は応援したいですけど。だから政権交代の意義があったんでしょう。しかし自公政権より国債発行してるけど。

民主党はマニュフェストの修正しているけど、私が守ってもらいたいのは、削れば15兆円や20兆円すぐ出るっていうこれだけは絶対守って欲しいですね。


マスコミ的切り貼りwをするなら、
「あの小泉ですら自らの愚を反省し、民主党に期待している!」
といったところだが、講演レポを読み解くなら、

  • 民主党マニフェスト民主党が本当に実行するなら【大前提】
  • しかし民主党が掲げた目標・政策は実現が非常に難しく、自民党も実現できなかった【ので、やれるものなら実現してほしい】
  • ここまでの10カ月間で実現できていない【現状】
  • 自民党は支持団体のしがらみで理想が実現できなかったので有権者に嫌われ、【しがらみがない】民主党が支持された。
  • しかし、民主党は与党になるために自民党の支持団体を奪った(結果的に、自民党のしがらみを民主党が引き継いでしまった)
  • そのうえでなお、しがらみを無視して理想が実現できるなら、是非民主党を支持したい。【あり得ない前提w】
  • 民主党が与党を経験したら、結果的に「自民党がなぜ理想を実現できなかったか」を知ることになり、民主党自民党化する。【現状把握】

と、だいたいこんな感じ。一行で言うなら、
「絵に描いた餅が本当に食えるならサイコーだ!」
ということを言っているのだが、
「あのコイズミも民主の正しさを支持した!」
という解説や解釈をしている人がいたら、鼻で笑って温かく見守ってやるべきなんだろな、と思う。


今は一民間人wとなった人の講演録の感想でした。



後期高齢者医療制度についての理解
http://d.hatena.ne.jp/azuki-glg/20080426/1209189124