方言
先だって、久々に田舎の両親と話してて、生の地言葉をいろいろ聞く。
上京して間もない頃は、自分は標準語を喋っているものだと思っていたが、よくよく先輩や同級生と話していると、「どうもそうではないらしい」ということがわかってきた。静岡の方言にも、標準語と織り交ぜて使っても違和感のない言葉というか、「標準語の振りをした方言」というのがあって、それは他府県の言葉、全国区の言葉と比較してみないと気付かない。
静岡の言葉で代表的なのが「とぶ」で、他府県では「Fly」に相当するが、静岡では「Run」に相当する。運動会、マラソン大会、呼ばれて大急ぎで駆けつけるとき、全部「とぶ」。100m走は「かけっこ」ではなくて「とびっこ」である。トビウオの魚卵ではないのである。
上京して四半世紀近く経ち、普段は標準語を仕事の糧に、東京の方言*1を酒の肴に過ごしているわけなのだが、出生地の地言葉を違和感なく聞き流しつつも、「ハテ、これは確かに、たぶん方言だと思うんだが、標準語圏、或いは他府県の人には通じるんだろうか?」と思うものがあった。
前にもそんなネタを書いた気がするが、まあ思い出したので書いておく。一応、「言葉がお仕事」だし。
- とぶ …… 走る
- とびっくら …… 駆け比べ=競争
まあ、このへんは例出してるし、すぐわかるだろか。*2
- ひづるしい、ひずるしい ……
- こば、こばっちょ ……
- しゃんつらにきぃ、しゃっつらにきぃ ……
- ちんぶりかく、ちんぶりかえる ……
- とじかる ……
- ずつなし ……
- かえりしな ……
- わけえし、おんなし、おとこし ……
- ねこ ……
- ひゃあ ……
ざっとこの辺り。静岡でも東部、沼津裾野、上伊豆周辺では多分言うと思う。
通じるかなあ。いやでも、そんなに複雑な方言ではないはずだ。はずなんだがなあ。
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恐怖箱は北は北海道から南は九州まで随分と広い範囲に著者が散らばっていることもあって、その土地折々の地言葉がさりげなく台詞に書かれていることもあるし、著者自身が「そうと気付かず」に、というか四半世紀前の僕のようにw、標準語だと信じ切ってト書きの中に書いてくる場合もある。一応、ト書きは極力標準語に直し(てるつもり)、台詞は逆にルビを入れてでも地言葉を残すように心がけているのだが……。
青森! 青森に限らないけど東北は山形、秋田、青森、岩手などの県別だけでなく、尾根ひとつまたぐだけで語尾や言葉が違ったり。語尾変化が違ううちはまだよくて、台詞を読んだだけでは何が叫ばれているのかさっぱりわからんものも珍しくない。
でも敢えてそれはそのままに、ルビで対応したい。
「俺は絶対に方言ないし。東京出身だし」という人も、たぶん気付かずに東京の方言を喋っている。
エデッケの言葉と川崎の言葉、文京の言葉と練馬の言葉、それぞれに「元々」の方言があるっぽい。だいぶ交じったり薄れたりはしてるんだけど。
でも、気付かないんだよなー。
ニホンゴムズカシー。