IS03買った(8)電池とIS03のまとめと、過去から見た未来技術

いろいろ試した結果、電池の保ちが劇的に良くなった!


IS03に限らず既にアンドロイドユーザーの多くが試しているのであろうとは思うけど、改めて自分のために覚え書いておくと、

  • Wi-Fi」「Bluetooth」「GPS」「明るさ自動調節」は全部OFFにするのが基本。3G着信をOFFにすると電話受信できなくなって電話ですらなくなっちゃうのでw、一台持ちユーザーはこれはONに。
  • バックグラウンドで更新したり情報持ってきたりする系アプリ(ニュースとかメールとか)用にバックグラウンドでの更新はONにしとくこと。これまでOFFにすると、スマホのメリットがなくなってしまうため。
  • 「Advanced Task Killer」「Automatic Task Killer」少なくともこの二つを入れると、ちょっと起動しただけで後は使わないアプリをどんどんタスクから解放してくれる。その都度メモリが解放されるので動作が重くならずに済む他、バックグラウンドで情報を取りにいき続けるアプリの並列起動を減らせるので、これも節電に。*1

他にも技はいろいろあるのだろうけど、まずこれをやるだけで劇的に電力消費が減った。
今朝6時頃、充電100%の状態+上述の設定にし、アプリとウィジェットの移動*2をほんの数分ほどやってそのまま寝ちゃったのだが、11時半頃に起きて電池残量を確かめてみたら100%表示のままだった。
電源は完全OFFにしていたわけではなく、普段通りのスリープ*3になっていたので、これなら「持ち歩くだけでみるみる電池が減っていく!」という心配はなさそう。


そういえば、DS/DSiなんかでも「液晶画面の明るさ」と「Wi-Fi無線通信のON/OFF」で、劇的に電池消費量が変わるのを思い出した。
明るさ5段階+無線通信ON/OFFで、最大14〜17時間電池が保つはずのDS/DSiが、9時間以下になる。さらにはWi-Fi常時接続するソフト*4を使っていると、9時間どころか1〜2時間でバッテリーが空になる。
つまり、通信というのはやはりまだまだ電池食いの主犯格なわけで……。


そのへん考えると、「Wi-Fi」「Bluetooth」「GPS」「明るさ調整(暗めに設定、自動調整させない)」ってだけで、電池消費は格段に抑えられるのはいろいろ納得いくところ。
手元にあるその他の携帯機器のバッテリと比べてみると、
SANYOのデジカメの電池が3.7V/720mAhで40分の連続動画撮影が可能。
DSiの電池が3.6V/840mAhで14〜17時間駆動。
IS03の電池は3.7V/1020mAh。
それぞれ目的の違う機器を並べても意味ないけどw、こうしてみるとIS03の電池容量も決して小さいわけではないので、設定次第、使い方次第でどうにでもなるかなー、という割とポジティブな結論に達したw


そもそもワンセグほとんど見ないし*5。音楽はiPod touchで聞くしw*6
現時点ではサービス開始待ちだけど主要な用途は電子マネー決済と通話とPCがない環境下での通信だし。最初から通信が必要と判ってるときはiPad持っていくので、あくまで通信は予備だし。*7
というところで、日常使わない機能を片っ端からOFFにしていくと、持ち歩き端末としても特に問題はなさそう。


電池絡みの対応に関しては、後はeneloop mobile boosterを持つかどうか。今まで持ち歩いてた予備バッテリは3.7V/420mAhと、IS03の必要容量の1/2にも満たない程度だが、W53Hの緊急用繋ぎとしては十分足りた。
Mobile Boosterは旧製品「KBC-L2AS」と、つい最近発売になった後継製品「KBC-L2BS」が今並行販売状態。どちらも5V/5000mAhと、容量は申し分ないのだが、KBC-L2BSは出力速度*8が倍増した*9らしい。お値段も倍増ですw 従来品が3000前後、後継品が5000円前後、といったところ。んー。
結局のところ、速さ、時間の効率を金で買う、という思考になるのだなあ。どうしよ。
5000mAhあったら単純計算*10しても1020mAhが4回分強充電できることに!
Wi-Fiポケットが3.7V/1500mAhなので、こちも3回分は充電できることに!
実際には満重電させたらいざというとき以外は出動しないだろうので、自然放電分を入れてもそんなには充電できないのだろうけど、420mAhの従来品だと「持ってる機械のどちらか一方」にすら電力供給できないであろうことを考えれば……必要でしょうやはり。
さらにIS03の「今なら漏れなく専用バッテリーをもう1個プレゼント」キャンペーンにも応募済みなので、それを持って、と。
ここまでやれば電池のことはおよそ考慮しなくても済むようになるのではないか!*11


携帯する端末機器の高性能化とバッテリー需要機会の増加は正比例関係あり、これはカプラ+公衆電話で通信していた時代から大きく変わるところではない。急に増えた、急に電力が足りなくなった、ということもない。


かつて、18年くらい前に電気自動車と水素自動車、どちらがガソリン内燃機関車の後継になるか、みたいなことを考えてたことがあった。その思考整理のために書かれたwのが「ちきちき」という話で、結論を出す機会に恵まれないまま、それはお蔵入りになっている。
その当時知られていた知識としては、
「ガソリン内燃機関車は、ガソリンの燃焼方法の工夫などによる低燃費車開発が進むが、その後に電気自動車に進む。しかし電気自動車はバッテリーの課題が残っているので、その移行途上を繋ぐものとしてガソリン=電気のハイブリッド車が普及する。将来的には水素自動車、或いは水素=電気のハイブリッド車、何らかの補給に時間が掛からない燃料を用いた燃料電池車に発展する」
というのが、現在「エコカー」と言われている低燃費自動車の発達のロードマップと言われていた。
完全な電気自動車の場合、エンジンやギア周りなどのほとんどをバッテリーとモーターに置き換えることになるので、自動車業界以外からの参入も考えられる、という期待が持たれた。*12

当時も水素自動車の研究はあまり多くは進んでいなかったが、

  • 電気自動車にはバッテリーの問題が
  • 水素自動車には水素燃料の保存携行方法の問題が

それぞれ未解決だった。
バッテリーの問題について言うと、当時は現在主流のリチウムイオンバッテリーはまだ民生用には登場していない、或いは高価すぎて、大量に必要になる電気自動車には不向きだった。当時の高性能電池といえばニッケル水素*13で、それでも300〜数千という数を直列で繋げば役には立ったが、値段は凄い事に。安価な鉛電池は出力と重さがネックになって、駆動時間がなかなか延びずやはり電気自動車のための実用品とは言い難かった。
なので、当時既に「電気自動車に限らず、今後小型化していくであろう各種端末に対応するための、高性能・高出力・小型で低価格な電池」の登場、ブレイクスルーが待ち焦がれられていた。
その結果、リチウムイオン電池が大量に普及していくことになるのだが、レアアースを用いるリチウムイオン電池は中国などへの依存が高く、技術的問題というより経済的な問題として今後の長期依存=恒久産業化が難しい。


水素自動車の場合の水素燃料の保存携行方法……というのも、実は今も大きく進展はしていないらしい。水素は最も小さな元素であるため軽い。しかしそれは、同じ重さのガソリンよりエネルギー効率では劣る。また、安定して保存携行するのが難しい。
当時知られていた方法は、水素を水素吸着合金と言われる合金に吸合させておき、加熱などで水素を吐き出させて燃焼室に送る方法(MH)と、極低温で液体化した液体水素燃料をパイプを使って燃焼室に送る方法(LH)。
前者MHは水素を安定して保存できたが、合金は空になっても持ち歩かなければならないため、鉛電池と同様に「重さ」がネックになった。
後者LHは、H2A/B型の液体水素燃料ロケットと同じで、非常にクリーンなのは確かなのだが、とにかく扱いが難しかった。
ロケットに関する知識の普及で、単純構造の固体燃料ロケットに比べて推力がある液水ロケットは複雑すぎて制御が難しい、ということはなんとなく知られるようになったが、液体水素(LH)燃料自動車というのは液体水素燃料ロケットを地上で走らせるようなもの、と考えればその技術的な難しさは門外漢の人でもピンとくるかもしれない。
ちなみに液水ロケットはよくバルブ関係のトラブルが伝わってくることがあるのだが、あれは水素の分子がとっても小さいから、ということを頭に入れておく必要がある。
ロケットのほうじゃなくて、当時のLH系液水自動車の開発でも、難しいのはバルブの溶接で、水素分子はこの世でもっとも小さいので、「隙間から漏れやすい」。水素はそれ単体では燃焼しないが、酸素と混じると爆発的に燃焼するので、バルブから漏れて制御されない空気中に漏洩すると【ドカン】と行く危険性が高まる。
また、液体水素はごく低温でなければその状態を維持できないが、例えばギアや駆動系など内燃系ではない部品に漏れた液体水素が降りかかったら、駆動部品が凍結→急停止する可能性がある。高速走行中のエンジンがいきなりロックとかしたら……スピンとかジャックナイフとか、バイクならハイサイドとか、とっても凄い事故の原因になりかねない。


ただ、水素自動車の場合は車体周り以外の大半が別物になってしまう電気自動車と違って、自動車産業界が作り上げてきた子請け孫請けのアウトソージングな産業構造がほとんどそのまま使えるので、業界の末端にいる大量の産業従事者が失業せずに済む。というか雇用維持ができる、という経済的なメリットもある。だから、「できればハイブリッドは繋ぎにして、早く水素自動車へ」という経営上の意向がある――のではないか、という推測もあったりした。
あれから18年経ってみて、概ね想定通りの「ガソリン=電気ハイブリッド車」が普及しつつあるが、やはりこれはまだ過渡期なんだろうなあ、とか。


SFネタを考えてるとき、技術の問題は文献繰っていると目処が立ちそうに思えるし、予算を考えなければ大概のことは実現可能そうに思えてくるのだが、現実には「カネ*14の都合」とか「クニ*15の都合」があったり、「法律*16の都合」があったりする。*17
この部分を無視すればラノベにあるような未来都市を現実に近づけて想像するのは容易なのだが、ここらへんのリアリティにこだわり始めると、世界観の設計はそれはそれは難しく難解なものになるw
「悪の経済秘密結社が世界を裏から牛耳っていて」
という設定をポンと一つ置くと、もうなんでもできるようになってしまうのだがw*18、現実の世界は地球規模のフィクサーの鼻息一つで思い通りに動くほど単純なものでもない。


……てなことを、IS03のバッテリーからつらつらと考えていました。
IS03のまとめ、終わり。(って、違

*1:メールなど、バックグラウンドで取りに行かないと意味がない系のアプリは例外設定

*2:オフラインでのホーム画面の整理

*3:バックグラウンドでは、通話着信、メール受信とニュース受信のみ継続

*4:わかりやすいところではマリオカートの通信対戦やどうぶつの森で他のユーザーのところに遊びに行っているときなど

*5:ワンセグは電池猛烈に食いそう

*6:以前の携帯でも音楽はtouchで聞いてたのだが、これはたぶん「テレビデオのビデオが壊れて修理に出したらテレビも見られない」「ラジカセのカセットを修理にだしたらラジオも聞けない」という、コンパチ機器特有のトラブルの相乗効果に対するトラウマがそうさせているのかも、という気がしないでもない。だったらSuicaEdyも専用カード持ち歩けばいいのに、という話になってくるのだが、モバイルSuicaEdyのチャージの便利さ、それ一個で全部済むという楽さwに慣れると、なかなか元には戻れないというか。

*7:……いや待て、スマホである意味があるのか自分wwwという疑問が見え隠れしたら「欲しいものは欲しいのだ!」で乗り切りたい。

*8:充電に掛かる時間

*9:充電所要時間が短くなった

*10:本来そう言う計算は正しくないけどw

*11:若干やり過ぎな気もw

*12:拙著「ちきちき」では、その辺りを考慮して、それまで自動車を作ってこなかった家電メーカーなどが電気自動車に参入する、という想定の設定があった。

*13:さすがにニッケルカドミウム電池はww

*14:産業、経営、経済

*15:貿易、経済戦争、外交

*16:規制とか

*17:法規制については「特区」や、特定の地方自治体による地方条例の形を採ると、結構いろいろな法規制を敷くことができる。例えばカミナリ族wの余波で、東京23区の環七以内は、夜10時以降は750cc以上のバイクは通行できないとか、昨今話題の非実在青少年絡みの法令などは、国の法律ではなく「地方条例」であり、地方議会で制定できる。なので、特定地域を設定して「そこでだけ通用する地方条例」をでっちあげてしまうと、現代の延長線上でもそれなりに自由度のある「嘘」をつくことは可能になる。

*18:昔散々その手は使いましたw