3DSとレイトン

朝イチまで仕事してたのだが、店が開く朝10時までさらに仕事を延長して引き取ってきた。

3DS本体(25000円)とレイトン(5280円)で、およそ3万円てとこ。
レイトンを始めたら仕事が壊滅するので、レイトンはまだ暫くは手を付けない。本格的にやるのは仕事終わってから。まあ、ちょっとOP見るくらいに留める。

3DSの率直な感想としては、これは「ハンディWii」だと思う。
携帯型ゲーム機」という括りではPSPと、また「ゲームができる通信端末」という括りではiPhoneAndroidと安易に比べられがちなDSだが、前回のDSiと同様、股はそれ以上に、3DS任天堂的ガジェットであって、PSPiPhoneとは哲学が根本的に違う端末なのだ、ということが窺い知れる。

PSP2は携帯と融合してiPhoneに近い土俵に上がったというか、「既存のインターネットインフラにぶら下がるゲーム機端末」になっていくと思う。iPhoneも同様。
これらは、端末を個人が個人として遊びつつ、ネットワークはインターネットインフラを使うという前提がある。

3DSWii同様、インターネットへの常時接続をさせてはいるし、次のメジャーアップデートではDSi同様インターネットブラウザも実装されるのだろうが*1、DSシリーズのネットワーク構築は基本的にP2Pで、「端末を持っている人間(子供)同士が顔をつきあわせて集合離散することで作られる、有機的なネットワーク(ソーシャルネットワークと言い換えてもいいかも)に依存、またはそれを積極的に活用させている。
PSPでもモンハンに見られるようにP2P通信のものが成功しているが、3DSはDSシリーズの経験というか、DQ9の成功経験を3DSにさらに積極的に組み込んできたなあ、と。

また、ゲーム機をボタン操作やタッチペン操作で動かすという従来の操作方法が継承された上、WiiリモコンのようなセンサとステレオカメラとARを組み合わせたことで、Wiiのように「端末を持ったプレイヤー本人がせわしなく動き回る」ゲーム機としても機能する。このへんは、Wiiの思想を受け継いでいると言える。

常時通電させておくことでセンターからの情報を受信したりする点も、Wiiの機能を継承している。
今回は、「装着されていないソフト、起動中ではないソフト」についてもすれちがい通信が行えるようになったようで、プレイ中以外は基本的にできるだけスリープにさせ、なるべく電源を切らせないようにしているようだ。
そうさせる理由を作るために、生活リズム計と同様の万歩計を組み込み、100歩歩いたらコイン1個、一日10個まで、のべ300個まで貯金可能、という「無償のお小遣い」が用意されている。このコインは「3DSを持って通電させたまま歩き回る」という行為に対する報酬として用意されたもので、それを消費して対応ゲームに付加価値を与えたりする。
僅かな報酬ほしさに、通電した3DSを積極的に持ち歩くようになるので、結果的により積極的に「P2Pのすれちがい通信ネットワーク」が構築されやすくなる。
都市部と地方での通信密度の格差は否めないが、子供が二人以上いる場所なら規模の大小はあってもネットワークは構築されるし、「一駅に必ず(できるだけ)一軒」という展開をしているマクドナルドの店舗に行けば、ニンテンドーゾーン目当ての子供がいっぱい集まってるわけで、それらをハブとして集合離散するネットワーク*2が作られる。

「ゲームをする子は孤独で社会性がない」
というような批判を簡単に振りかざすオトナがいるが、そういう人々は恐らく、今の小学生の二人に一人以上が必携のこのDSという端末が、「顔見知りであるなしに関わらず、他人を感じるソーシャルなP2Pネットワークに、積極的に参加する性質のもの」であることを、理解していない、または知らないのかもしれない。
歳のいった教育論者や政治家w、自身はゲームをしないか据置コンシューマゲーム機以前の経験しかない人、ゲームと言われて「ひきこもり」しか連想できない人、そうしたイメージを当たり前に受け取ってしまう人などは要注意w

iPhonePSPもよい端末であるけれども、DSの「人と人が繋がってできるネットワーク」やWiiの「身体を動かす遊び」を携帯端末に統合させた3DSは、「新型のDS」というよりは「ハンディWii」、またはDSとWiiの合流したもの、と捉えたほうがいい気がする。


3DSにも短所はある。それは電池の保ち。
従来のDSiが10時間くらいは連続プレイできたのが、今回の3DSでは専用ソフトを全開でプレイすると3〜5時間くらいしか保たないらしい。
DSiのバッテリーが800mAhくらいだったのに対して3DSのバッテリーは1300mAhくらいまで拡大されているので、電池が小さいわけではない。むしろ大きくなっているのだが、CPUがふたつあるとか、裸眼立体視のために演算量が増えてるとか、上画面がDSiLLを除いて過去最大だとか……まあ、電池を食う要因は多い。
ましてやすれちがい通信のために常時通電させるわけで、ネットワーク通信しているときの電池の消費量たるや……。


その辺りの対応策は幾つか施されていて、
・画面の輝度調整5段階+節電モードon/off2段階の10段階
・ワイヤレスモードのオンオフを、物理的なトグルスイッチ(スライダースイッチ)に変更*3
などが挙げられる。
ワイヤレスモードの切替が物理的なトグルスイッチになったのは非常によいこと。例えばスリープ状態でもゲーム中でも、気付いたときにサッと切り替えられる。バネの付いたトグルスイッチ*4なので、うっかり切り替わることもほとんどない。
また、
・純正の専用充電クレイド
が付いたことは高く評価したい。

別売価格が1200円だったので、これを削ればさらに価格を抑えられたのでは、という反対意見もあるだろうと思う反面、

「使ったら元の場所(決められた定位置)に戻す」
「できるだけ定位置での充電を促す」
「頻繁に充電することに対する抵抗感を減らす」

という点に大きく寄与している。

DSi以前のDSシリーズはサードパーティから充電台が幾つか出てはいたが、基本的に本体に直接コネクタを挿し込んで充電させる方式だった。また、DS、DSLDSiはそれぞれコネクタの形状が異なったが、今回の3DSDSiと同じ形状・同じ電圧を継承しているので、DSiユーザー及びDSi向けにサードパーティが作った周辺機器(例えばUSBから給電するためのケーブルなど)がそのまま使える。
3DSは常時通電での携帯が必須、つまり頻繁な充電が肝要になるわけで、その煩わしさを少しでも減らすために「載せるだけ」の充電台が付けられたのだと思う。

その他のDSの充電台は「カチっと嵌め込んで、コネクタにしっかり挿し込む」という仕様のものがほとんどだったが、3DSの充電台はほとんど載せるだけで、本体を固定するノッチのようなものはないノッチのようなものはあったw ただ、カッチリ固定するという性格のものではないようで、単純に位置決めくらいの効果しかないような。
コネクタを挿し込むためのジャックはそのまま残された上で、さらに充電方式は非接触というわけにはいかないようだが、所謂ガラケーなどに広く採用されてきた露出金属にピンを当てる方式が採用された。旧来のDSシリーズにはなかったもので、これも携帯電話同様に頻繁に載せる、持ち出す、を意識した結果と思う。
その意味で、価格を上げてでもこれを付けた価値はあったと思うし、いずれ充電台別売版の廉価版という選択肢が用意されることがあっても、結局「充電台があったほうが便利」という結論に回帰するんではなかろうか。
僕は勤め人ではないので、「出先に机」はないがw、もし会社勤めしてる人間だったら「机で充電するためのセカンドクレイドル」として別売品を買ったかも知れない。
まあ、会社の机にゲーム機をのっけておくことを許す会社もそうそうないだろうと思うけどw

充電コネクタがDSiと共通のおかげで、DSi用に買ったUSB巻き取りケーブルがそのまま使えるのはちょっと嬉しいところで、これのおかげでIS03用に買ったw外付けバッテリーからUSBケーブル経由で3DSに給電できる。USB出力の外付けバッテリーは結構多く出回っているので、そうしたDS用ではない資産をDSiの資産を使って3DSに反映させることができるわけだ。DSi以前までの任天堂は、やたらと充電器のコネクタ形状を変えてきたが、DSiと共通化されたことは良いことと思う。


目玉である裸眼立体視や伏兵で案外おもろいARなどの話は後日。
3DS裸眼立体視用ファイル(ステレオ撮影された写真など)はMPO形式ファイルで保存されるので、パソコンでMPOファイル作って3DSに入れたら見えるんじゃね? という話がちらほら出ていて、ステレオフォトメーカーというソフトを教えていただいたので試してみたらできた。

レポートはこちらに。

竹の子書房 - ニンテンドー3DS研究
http://bit.ly/fOjjb6

*1:初回リリース版にはなかった

*2:平面的な意味でのハブというだけでなく、例えば下校時間、休日の午後などの時間的ハブにもなっている

*3:DSiでは設定まで潜ってタッチパネルでいちいち設定しなければならなかった

*4:一方向だけでon/offさせるもの