近所を偵察

今すぐ必要な日常品などを探しつつ、近隣を偵察。
五郎久保稲荷の灯籠が全壊してた。なんというか、失敗したダルマ落としみたいになってた。
また、鳥居の根元と柱にクラック。職人さんの多い街なので、遠からず修繕されるだろうとは思うけど。
社は気持ち全体が傾いているような気がする感じ。
ご神木は無傷。


どこも状況は概ね同じで、カップ麺、肉(精肉/加工肉)、納豆、パン類がほぼない。
野菜、魚、牛乳、菓子、アイスは豊富。
特に魚。刺身盛り合わせは値引きされるくらいの勢いで余ってるんだけど、なんでだろうと思っていたら、「海産物は放射能汚染されていて危険」というデマがまことしやかに広まってる様子。


まず、今回の放射性物質は、魚の目が三つになるような濃度のものは炉の外に出てない。海が汚染されるレベルだったら、宮城の避難所なんかとっくに汚染されてる。*1
次に、震災直後の津波によって、ほとんどの漁船は陸に上がってるため、操業はされてない。漁船というのは概ね早朝から昼くらいまで操業して港に戻るので、午後はほとんどの船が港にいる。つまり、沖に出ていた、回避できた漁船は恐らくほとんどない。
加えて、港湾/魚河岸/水揚げ港のほとんどは港の直撃を受けて漁協は機能してない。故に、震災後、茨城以北の津波被害を受けた地域からの水揚げはない。
現在、スーパーに並んでいる魚のほとんどは、西日本で揚がったものか*2、輸入ものか、冷凍倉庫から出してきた保存もの。
いずれも震災とも放射能汚染ガーという心配とも無関係のもの。
むしろ、「西日本からの食糧供給が生きている」「港湾機能は生きている」「築地は生きている」ということが、海鮮の豊富さで立証されているとすら言える。
安心の証拠、そして西日本が東日本を支えてくれてることの証左である。


安心して魚食うべき。


鮪アラ買ってきてツナにしました。うまうま。


トイレットペーパー、ティッシュペーパーは不足気味なのだが、キッチンペーパー(ペーパータオル)は割と豊富に余ってた。なんでだ。
北口の東急を冷やかしてたところ、トイレットペーパーのロールを持ったおばちゃんを、見ず知らずの別のおばちゃんが「あの、あなた、それどこにあったの? どこで買ったの?」と血相買えて詰問していた。
詰問されてた人は「え? え? その、向こうにありましたよ?」と答えるも、詰問したおばちゃんに「どこ? どこですか?」と腕を取られて案内させられてた。
ちょうど空っぽの棚にトイレットペーパーのロールが置かれ始めたところだったようで、それはもう砂糖に蟻がたかるかのような勢いで。


……。
オイルショックのときのことを思いだしたんだろうなー、年齢的に。
あのときだって、言うほど紙の供給力が衰えてたわけじゃなかったわけだが、思い込みって怖いな。


コンビニの供給は、相変わらずカップ麺の棚は空っぽ。パンもほとんどないが、スイーツと弁当の供給は正常化し始めた。
工場がちゃんと動いている様子。


スーパーで、特に肉がない理由は
「加工をする工場とのラインが途絶えている」
「加工をする工場そのものが動いてない」
「工場は生きているが、配送ルートが遮断されている」
に大別されてるっぽい。
配送ルートについては本やその他の物流全般も同じで、燃料不足による配送トラックの確保の難しさに左右されてるようだ。


納豆がほとんどない(豆腐はあるとこにはある。個人経営の豆腐店とか)理由としては、これを買い占めたっていうのはちょっと考えにくい。店内の張り紙にもあるように、これも肉類が途絶えているのと同様の配送ルートの問題と、納豆の生産地である水戸が打撃を受けたことと関係があるのかなあ、ありそうだなあ、という感じ。


パン類がない件については、これは買い占めなのか工場なのか配送なのかサパーリわからない。
スーパーなどで小麦粉の欠品も多く、強力粉が残り1になったんで買いに行ったら、強力粉はゼロ、薄力粉は辛うじて一袋あったんで、買ってきた。欲しいのは強力粉なんだけど、なんでこんなに小麦粉が……。


……すいとんでも作る気なのか(^^;)
世代的に、トイレットペーパーが団塊世代すいとんはその上の世代かw
個人経営のパン屋さんは普通に営業してるところを見ると、小麦粉品薄は単に買い占め対象と思われる。


あと、昆布とワカメの品薄は相変わらずなのだが、これは「放射能にはヨウ素剤を飲むので、昆布で代用できるらしい」という風聞の影響だろう。
「ひじきには水銀が入ってるので、煮物食ったら髪の毛抜ける」
っていうのと同程度くらいのデマというか、同程度の含有量であって、今からワカメ食い漁っても髪の毛がふさふさするだけだよ(´・ω・`)
「効果無いです」って店員は張り紙はるべき(^^;)


百均でもカップ麺が全滅。乾麺は袋ラーメンもパスタも品薄なのに、どこの店に行っても素麺と乾うどん、乾蕎麦は普通に余ってる。
たぶん、これは緊急時の備えとかではなく、「非常時気分を味わえないから」という理由で選ばれなかったのではないか、と思えた。
だって、「普段食べないインスタントラーメンやカップ麺、水さえあればいつでも食えるようにミネラルウオーター」ってのは、なんとも非常時っぽい。なんというか「絵に描いたような非常時の風景」。そして、インスタントラーメンは、「非常事態気分」によく似合う。
でも、素麺や稲庭うどんを茹でて盥から引き上げてつゆで食うっていうのは、なんか物凄く和やかな感じがしちゃうw
もちろん、「カップ麺、インスタント麺は必要最低限の湯で食えるが、素麺は茹でるのにも洗うのにも大量の水を必要とするじゃないか!」というお叱りはごもっとも。
でも、世の中には温麺、煮麺という食い方もありましてな。素麺鍋にいきなり投下とか、麺を茹でた湯でつゆもそのまま作るとか(というよりつゆで茹でるとか)、まあ本来は褒められた食い方ではないけど、それでも食おうと思えば食える。
非常時っぽくない、ってそんだけの話で。
いざとなったら乾麺を口に含んで、唾液でふやかしながら食ったっていいんだから。


非常時は、食えそうなものは何でも食う。
まあ、可能なら美味しく食う。
正しい食い方でなくても栄養が取れればOK。
それができる、いざというときじゃないときから備えとくことが肝心ですよ、と小学校時代から言われて育ちました。


そして狩りwを終え、一時的に店を閉めてた鯛焼き屋で、小倉あん鯛焼きをむさぼり食いながら帰る。
肉まんとか、鯛焼きとか、そんなものを小銭で買えていつでも食える。
それは幸せということだったんだと、僕らは失わないと気付かない。


でもそんな小さい幸せを完全喪失なんかしないぞ、させないぞ。

*1:スクリーミングによって、避難民に汚染がないことは確認されてる

*2:スーパーではあまり見かけない、カワハギ(まるごと)とか、いろいろありました。