日本的大イベントと個人的大イベント

日本的大イベントは菅直人総理退陣表明なのだが、あの人別にいてもいなくても大して(ry 前日の紳(ry
8/30まで民主党代表選があるらしいのだが、出揃ったコマを見るに、「どさくさで総理になるなら今しかない」って人ばかりだなあ、と。

岡田、枝野が名乗りを上げないのは菅内閣で閣僚だったから、というだけの話ではなくて、2012年が本命だから。
小沢派のプリンスである原口が名乗りを上げないのも同様。鳩山の後を選ぶ選挙は小沢・菅の一騎打ちだったけど、そこに割り込もうとしなかったのは、小沢の力を削ぐとか菅に一本化するとかではなくて、「鳩山の尻ぬぐいなんて」「今はそのときじゃない」とか、そういう意識だったけど、今回の代表選でもその意識が働いてる本命狙いは出馬しない。

  • 菅直人の後だったら、誰がやってもマシに見えるはず
  • どうせ2012年9月の代表選までの繋ぎ
  • 2012年9月の代表選は、翌年2013年の参院選そして恐らくは衆院任期満了に伴う衆院選(W選挙になるかもしれない)の顔を選ぶ選挙なので、本命中の本命はそっちに賭けるはず

つまり、最長でも1年しか任期がない、震災の後始末などの難題はあるが菅よりはましなはずなので、評価は得られるはず。
仮に三カ月くらいで首を切られても、「総理になった」というだけで満足――。
そういう人が、今次の代表選に出ている。
選挙ヲチャーとしても、政局ヲチャーとしても、おもしろくない。

「前原が代表になったら、すぐに解散」というビラが撒かれてる、というような話も出てるらしい。
怪文書話は永田町の常なのでいいとして、このビラが意図する方向性がイマイチわからない。
「すぐに解散、そうなれば民主党は絶対に負けるから下野することになる、解散させたくなかったら前原には入れるな」
このへんがビラの意図だろうと思う反面、実はその解散を最も恐れているというか嫌がっているのは自民じゃないのかなあ、という気もする。
建前上は、「早く解散総選挙して有権者に信を問うて与党に復帰したい」というのが自民のポジションだと思うし、その意味では解散総選挙はばっちこいな状況である、ように見える。

が、散々繰り返してきているように、今解散するとより酷いループに陥るのは目に見えている。

  1. 解散総選挙、民主敗退して与党陥落
  2. どこの党が勝っても(例えばみんなの党が50議席とっても)、自民と連立しないと与党になれない(参院第一党は自民)ので、自民が政権与党に復帰
  3. 自民が連立ではない単独過半数の第一党にならない限り、安定的政権運営は難しい(郵政選挙のときのように2/3を得るくらいの勝ち方でないと、2009年の民主のような半端な勝ち方では参院の影響力が強くなりすぎる)
  4. 自民政権に戻ったとしても、それがポジティブに評価されるのはよくて最初の三カ月まで。たぶん、一カ月くらいでご祝儀は切り上げ。
  5. 自民政権バッシングは一年掛けて行われ、2012年9月の自民党総裁選で2013年の選挙の顔が変わる。つまり、今すぐ解散総選挙があって総理が自民の誰かに交代しても、その任期は一年しか保たない。
  6. 2012年から2013年までの約一年掛けてネガティブなバッシングが起き、2013年夏の参院選は政権与党が必ず負け、野党が勝つ。(2007年、或いは2010年の再来)
  7. 衆参逆転が三度起こるので、衆院多数のその時点での政権は政権運営が難しくなる。
  8. 大連立しかないのだが、これを与党側から野党に提案して拒否されれば(2007年のケース)、自発的に解散、政権再々交替して三年後の再々々逆転を待つことに。

つまり、衆参同時選挙で両方に同時に勝つ、という政権が生まれない限り、政権のシーソーゲームが永久に続き、脳死国会が永続する。


そういうわけで、今解散されては困る、というのは現与党だけでなく現野党も同じ。
前原総理が誕生すれば、「筋を通してうっかり解散」というのはあるかもしれない。現役総理の落選も含めて。
しかし、その後に「2007年からの空転がさらに継続する」という地獄が待っていることを考えると、できれば「衆院任期満了」に拘泥する人が総理になって、2013年W選挙まで評判を落とし続けてくれるのを、有権者が臥薪嘗胆して耐える。
回り道のようでいて、これがベターな選択肢になると思う。*1

*1:ところで個人的な大イベントは「抵当権抹消の書類貰ってきました♪」。今の仕事終わったら手続きせねばな。