水族館
随分大昔に買ったCDに、「ビックリ水族館」というのがある。
ムーンライダースの鈴木慶一プロデュースによるもので、1980年代初頭辺りに雑誌ビックリハウスに投稿された自家録デモテープコンテストの傑作選集。新人発掘のためのコンテストを、雑誌誌上でやろうというものだったらしい。
今風に言えば、Exit Tunesみたいなもんですな。アマチュアが雑誌(今だとニコ動)に投稿したもののうち、傑作を集めてCDにしました、みたいな。
当時はこれ、LPで出てたはず。僕が買ったのはもう少し後に出たCD版ですが。
当時流行りのテクノポップとか、玩具楽器の合奏風のものとかいろいろあるのだが、個人所有のPCでデジタル多重録音……とかがまだ夢の夢だった時代に、カセットテープレコーダーでちまちま多重録音して作られていた「ハンドメイドの音楽」、これがまた出来がよく。
世代的には最晩年のビックリハウザーになるのだが、大語海*1がバイブルな僕にとっての、もうひとつのビックリハウスの遺産がこの「ビックリ水族館」であり、これはもう宝物級の名盤なわけだが……。
この水族館に「続編」があることを、ほんのつい最近知った。というか、水族館シリーズは、三部作だったらしい。
- ビックリ水族館
- 陽気な若き博物館員たち
- 陽気な若き水族館員たち
この博物館員と水族館員は持ってない。というより、最近知った。
戸田誠司(元FAIRCHILD)とか泉水敏郎とか……鈴木慶一が関わってりゃ、そりゃ名前が出てきて当然だよなー、という面々も参加してたりとかで、これはもう久々にジャケ買いしても後悔しないだろう、ということで大人買い。
うっかりLP盤を買いそうになって慌てるが、AmazonにはCD盤がまだ新品で売ってた。
何しろオークションにもほとんど数が出ないカルトなシロモノ(出てくるのはLPばかりw)なのだが、そこはオトナの力で。
昔、テクノポップと言われていたものは、今はエレクトロニカの一分野に分類されちゃうらしい。
30年近く前の流行りは主にテクノポップとニューロックということで、まだHIPHOPもR&Bもビジュアル系もない。
これがいつか(もしかしたら既に)懐メロとか言われちゃうのだろうかと思いつつ、そこからさらに数年下った(でも時期的にはほぼ同じ)FAIRCHILDとかを久々にまとめ聞いてみた。
若い人はご存じないでしょうが、YOUは昔、「アイドルボイスの可愛いボーカル」だったんですよ!wwwwwwwwwww
orz
FAIRCHILDの初期のアルバムを聞いてて、以前から戸田誠司の楽曲の端々にムーンライダースやハルメンズの欠片みたいなものを感じていたのだが、こういう旧盤にその謎の答えの片鱗を感じるというか。
アニメ「No.6」で久々に鈴木慶一の名前を見て、OP曲「Spell(LAMA/2011)」のムーンライダーズっぽさwに励起された。
ムーンライダーズ、ハルメンズ、ヤプーズ、ヒカシュー*2、名を上げるとキリがないけど、あの辺やその係累の曲は、今聴いたら、絶対に新鮮なんじゃないかなあ。
ボカロ系の楽曲には、ときどき「あの頃」の音がまっさらな新曲で混じってたりするのが魅力なわけだが、そういう曲をボカロで初めて知った人には、むしろこの辺りの時代の曲を発掘して聴いて欲しい、ような。