竹の子書房の約百冊

この一年余り、電子書籍を作りまくってる竹の子書房。
だいたい「どのくらいの分量の原稿なら、どのくらいで本にできるのか(編集と組版ができるのか)」などの目安もわかってきた。
結局、「組版」はテンプレがあればそんなに時間掛からない(多分)。
どっちかというと、テンプレに流し込むための元原稿の整理、推敲、校正などの編集作業と、テンプレそのものを作る作業に時間と手間が掛かる。

また、電子書籍を作って配信するということそのものは、多分そんなに難しくない。例えば個人でも、「ブログがそのまま電子書籍になります」的なサービスを利用すれば良いわけだし。
ただ、「書いた原稿はそのままでは本にはならない(内容的に)」という問題は、やはりなんとも解決が難しい。
「校正の自動化」ができたらどんなにか、と思う反面、同音異義語やシチュエーションで文字を使い分ける、口語と文語の混在、方言と標準語の混在などなど、「ニュアンスの見分け」には結局人力が欠かせず、能力値の高い校正者というのは一種の超能力者みたいなものなわけで……。
今後コンテンツは増えるだろうけど、「草稿を商品にできる校正者」や編集者は一朝一夕には増えないので、クオリティを保ったコンテンツがすぐにどかんと増えるか――というと、そのへんはなんとももにょる感じ。


というわけで、紙の図書目録「竹の子書房の約百冊 〜完全無償電子書籍 図書目録2011」を作成することになった由。
InDesignはプロスペックのソフトなわけだが、ルーチン仕事ばかりやっていると普段使わない機能をスコーンと忘れたりすることも珍しくない。
普段やらないことをやらないと、自分のスキルが維持できない。
というわけで、自主トレとしてA5判の雑誌的なものの編集などを久々にしてみることにした。


いいソフトがあったって、それをオペレートするのは結局人間なわけで、ざっくりしたラフな原稿を吸い込ませたら、誤字脱字も文脈リズムも全部自動的に直してくれたり、ましてイメージを伝えるだけで「換骨奪胎したのではない独創的デザイン」の本のオーサリングまでやっぱり自動でやってくれる……そんな時代は、まだまだまだまだ来ない。
向こう数年以内に英語版に来ても、日本語版には来ない(´Д`)ノ