アイスの鼻毛

こんな夢を見た。
 
道っぱたのアイス屋で評判のソフトクリームなどを買う。
バニラをぺろぺろなめていると、表面に5mmほどの細い糸状のもの。
「なんだろう?」
抓んで引っ張り出してみると、睫毛かまゆ毛か、そうでなければ鼻毛のようなもの。
うええ、と思うんだけど、一本までならまあ仕方ないか、とぐりぐりやっていると、再びアイスの中から毛先が顔を出す。
こりゃさすがにたまらん、とアイス屋にクレーム。
「あのー、こんなの入ってたんですけどー」
アイス屋のおばちゃんは、店の奥から「ああ?」と気怠そうにやってくると、アイスの中に指をつっこみ、「こんなの取れば食える!」と、その鼻毛のようなものを抜き取ろうとした。
果たしてアイスの鼻毛はすっぽ抜けるのだが、実はそれは鼻毛などという可愛い物ではなくて、長さ5cm、しかも5〜10本も束になっており、根元には毛根も付いているという申し開きがしにくいものだった。
さすがにアイス屋はバツが悪いと思ったのか、「……すぐに作り直します。お代はお返しします」という。
でも、同じバニラじゃ意味ないじゃん! と思いたち、「あの、できればストロベリーに替えられませんか」と頼むと、「うちのストロベリーは、イチゴにバニラを混ぜたものです。同じですよ」と言われて、_| ̄|○ il||liと地面に膝を付いた僕は、金だけ返して貰ってアイス屋を後にした。
周りの人は僕らのやりとりを知らず、不思議そうにアイスを舐めている。
羨ましい気持ちと、「おまえらの食ってるアイスは鼻毛が生えてるかもしれないんだぞ!」と忠告したい気持ちでイッパイイッパイになる……
 
……というところで目が覚めた。
今日は妖の原稿渡し&カバー入稿の日。
ぎりぎりまで直す。