部屋暑〜

換気のため、エアコンを停めて窓開けっぱなしにしてみる。
9時前だというのに、室温計が洒落にならない数字を示し始めた。
それはそれとして、自分が望んでいることと自分に望まれていることが一致している人は幸せだろうなあ、という話。
だいたい、望まれていることは特に自分は望んでなかったりするわけで、働かずに楽してごろごろしたいなあとか、怪談は怖いからやだなあとか思っていても、働くことを望まれていたり、怪談書くことを望まれたりする。
自分が望まなくても誰かに必要とされているということが、つまりまだ生きていなければいけないっていうことなのだろうかな、と哲学的なことを考え始めてしまうほどに、この部屋は暑い。
僕の沼津時代の実家もいい加減暑くて(風が抜けない構造だったから)、しかも僕の部屋にエアコンなどはなかったので、夏場になると室温が40度近くまで鰻登りになり、長時間勉強机に座っていると熱中症で死にそうになってくるのだが、夏休みの宿題をやらないわけにもいかず、「短時間でとっとと済ませる」「ぎりぎりまでやらない」「暑い室内でも頭が動く」という習慣が身についた。
一方、暑い時期に涼しいところに行かないで暑いままで思考停止してでれんでれんに過ごすことの快感が身についたのも、あの灼熱の部屋で少年期を過ごしたせいではないかという気がしなくもない。
なんとなく、夏に涼しいのが罪悪なような気がしたのは、「エアコンのスイッチが入っていると申し訳ない感じ(他の部屋にエアコンがなかったから)」という幼少時に刷り込みのせいなんだろか。


そういうわけで、本日はエアコンのスイッチをなるべく入れない日。
パソコンのスイッチも落としてしまえば、この部屋はあと2度くらいは涼しくなるんじゃないか、という気もするのだが、通電している機械の類がまったくない家人の屋根裏部屋は、放っておいてもこの時期40度くらいになってたりするので、やはり小屋裏のないこの家の構造が室温を鰻登りに上げてるんじゃないかという気がする。


……昼飯は鍋焼き饂飩にするか。