キーワード

このところ、事業仕分けとか民主迷走とか色々動きがあった。
私事・猫・仕事がそれどころではなかったので遠巻きに筋子の話なんかを書いてはいたけど……。


とりあえず、ツボに嵌ったキーワードをメモ。

crime minister*1
ママーロンダリング
ゼネコンからマザコン
違法こども手当て
脱税総理
例外連発*2


オバマ大統領/普天間基地問題を巡るアメリカとの外交的失敗、
サウジ国王キャンセルなど中東を巡る外交的失敗、
総理大臣の巨額脱税も、修正申告で済まされそうな遵法意識の喪失。


金絡みの犯罪は謝って修正すればok、と総理が示し、
最高裁判決は法務大臣がひっくり返すことが可能で、
政策的失敗はごめんなさいすればよく、
経済的失敗はとりあえず見守ればよく、
自分だけは蚊帳の外だと思ってきた人々が悉く「ターゲット」になり、
ざまみろ、と思ってきた他の誰かの失墜が、自分の生活を直撃して破壊していく。


日本はどうなっちゃうんでしょうね。
これでも「自民よりマシ」と言える人がいたら、真意を問いたい。
何がマシなの、と。


しかしぶっちゃけ、「日本が!」と大上段に構えてる場合ではなく、方々に余波が拡がってるのではないかと思える。
例えば、「店舗が撤退して事業縮小」であったりとか。
僕んところなどはなんだかんだで娯楽産業の一翼というか、出版・ゲームなどなどの付加価値産業というのは、可処分所得の分け前を頂戴するような業種であるわけで、食や所有する物理的(機能的)価値を持ったモノではない、紙とインクと+αの物質的価値しかない、そういうものなどは、真っ先に優先順位の上位から外れていく。他人事ではない。*3


ただ、もっと心配なのは、民主党政権下では一種の焚書に近いことが起こるんでないかなあ、という不安。この不安については改正児ポ法絡みで自民党こそがそれをするのでは、という警戒が拡がっていたが、民主党政権の場合、「民主党にあらずば人にあらず」という藤原氏なみの権勢振り回しをやらかしている。
直近では「障害者」という表記を別のものに変えるなどの、言葉狩りの類。
実話怪談、怪談、ホラーの類というのは、どちらかといえば日陰物陰夜陰の存在であるわけで、世の中が乱れて現実*4世界で陰惨な事件が起きたりすると、真っ先にその影響を受ける。
80年代では宮崎勤事件によってスプラッタ・ホラーが一掃されてしまったことがあった。そして、つい最近ではひぐらしとか。
未成年が鉈を使った尊属殺人を起こした事件の発生と同時に、類似の「少女が鉈を振り回して」というようなシーンを含んだサスペンスもののアニメが、最終回を残して放送打ち切りなどがあったのは記憶に新しい。


それが、業界の自粛という形で鎮まっている間は、つまりは政治が干渉してこないうちはまだいい。
民主政権は実現不可能なこともマニフェストに書き込んで政権を得た。自民党叩きも高速道路無料化も子供手当ても、いずれも甘言と阿りである。
要するに、有権者の人気、評判によって現在の地位にあるわけで、人気が凋落傾向に向かうことが顕在化してきたら、失地回復のために有権者に阿る、ということをするのは想像に難くない。


例えば、例の島根の女子大生バラバラ猟奇殺人。
いずれ犯人が捕まったとする。犯人の性向に関する詮索がエスカレートし、快楽殺人系ホラーが悪い、そういったものを娯楽として供給し、凶行の手本になるような内容を娯楽商品として販売する版元が悪い、作家が悪い、そういう風向きに流れていくのは容易に想像できる。

秋葉原の事件のとき、「犯人が悪い」という当初の批判対象は、「ヲタだから悪い」「派遣だから悪い」さらには「派遣を切ったトヨタが悪い」と、原因究明のための生贄がどんどんエスカレートしていき、単純労働における派遣の禁止、という方向に話が進んでいった。
労働力のバッファとしての派遣労働の禁止は、結果的に企業に人件費コストの負担を強いることになり、生産調整の足枷を嫌った企業の多くは、生産拠点を国内から海外に移していった。*5

話は戻って、こういう風が吹けば桶屋が儲かるバタフライ効果で、怪談・ホラーという分野は「怪談、ホラーなんかがあるから犯罪者が生まれるのだ」的な生贄にされやすい。そして強い反論もしにくい弱い分野であるわけで。

別に国から補助金が出ている分野ではないけどw、事業仕分けのときの、必要な分野についてすら「そもそも必要なのか」と踏みにじっていったあの流れ、つまりは「巨悪(弱いもの)をバッシングすることで、正義を騙り、巨悪を駆逐する姿を見せて有権者喝采を集める」というような民主党型政治ショーの、犠牲者役が、その他の分野、自分のところにだけは来ない、と考えるのは無理がある。
「世論が不安に思っている」
「政府としてそれを取り除くことに全力を方向ければ、点稼ぎができる」
となれば、怪談・ホラーのような分野は、すぐにでも生贄にされてしまいかねない。


ウチだけじゃない。
科学技術もスポーツも教育も、あらゆるものが「他の誰かの溜飲を下げる為のやり玉」に挙げられる時代に、我々はいる。
少なくとも、「自民時代のほうがマシ」だと、その点に関しては断言できる。去年の今頃と比べても、今のほうがマシだと思えることは何もない。

*1:総理大臣は英語で「プライム・ミニスター(prime minister)」

*2:千葉景子法務大臣が、最高裁判決で確定した不法外国人退去事例を、法務大臣権限による特例認定……を連発しており、もはや最高裁が機能していないに等しい点について

*3:一方で、不況になると怪談は流行る。これについては過去にも触れているけど、うえやま洋介犬さんの単行本「誘怪犯」にも一筆書かせて頂いたので、そちらをご参照下さいw

*4:とされる事象

*5:繊維産業、カメラ、自動車……いくらでも挙げられるけど、国内で雇用を創出していた生産業大手が海外に脱出したことで、そこから子受け孫受け仕事をもらっていた中小企業、町工場が壊滅、その手当てにモラトリアム法を通したわけだが、根本の「仕事の元請け」が国内から消える原因が解消されない以上、末端ほど大きな煽りを食うのは当然