民主党を批判すると犯罪になる法律が成立するらしい(+注釈)

看板を見ると「ネット選挙の解禁」と耳障りはいい、のだが。

民主法案判明 ネット選挙解禁へ 今夏の参院選から適用産経新聞) - Yahoo!ニュース*1
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100415-00000042-san-pol

 民主党は14日、インターネットを利用した選挙運動を今年夏の参院選から解禁するため、公職選挙法改正案(ネット選挙解禁法案)を5月の大型連休明けに議員立法として国会提出する方針を固めた。自民党も同日、従来の慎重姿勢を転換し、同党選挙制度調査会が独自のネット選挙解禁法案の要綱をまとめており、今夏の参院選でネット選挙が解禁される方向となった。選挙期間中のホームぺージ(HP)やブログ、ツイッターの活用や更新が可能となり、選挙戦は大きく様変わりする。


選挙が変わる? ヤフーでは「ネット選挙解禁」署名を開始

 民主党政治改革推進本部(小沢一郎本部長)は4月中に法案をまとめ、他党に賛同を呼びかける方針。総務省などの準備作業が必要なため、参院選公示日として有力視される6月24日の1カ月前の5月24日までの法案成立を目指す。ネット選挙解禁を進める藤末健三民主党参院議員は「野党とも協議し、必ず参院選から解禁したい」としている。

 現在の公職選挙法では、平成8年に旧自治省が示した見解に基づき、HPやブログ、電子メールなどを「不特定多数への文書図画の頒布」とみなして禁止している。このため、政党や候補者はネットを利用した選挙運動が行えなかった。

 民主党がまとめた法案の素案によると、選挙期間中は禁止されていたHP、ブログ、ツイッター、電子メールの利用を原則解禁する。ウェブ上で街頭演説の動画を配信したり、候補者が日々の動きをブログ、ツイッターで更新することも認める。

 政党や候補者になりすましたり、ネットで政党や候補者の誹謗中傷を行う行為には、刑法の名誉棄損罪や公選法の虚偽表示罪などで罰則を科す。なりすましの危険性から有権者への電子メールの送信については解禁見送り論もあり、最終調整している。


■民主法案の骨子

  • 一、インターネットを用いた選挙運動を認める。投開票日の前日までに更新・アップされたHP・ブログを投開票日当日も含め閲覧可能とする*2
  • 一、選挙運動用の電子メール送信は、事前に登録、同意した有権者へのみ認める*3
  • 一、候補者や政党以外の者は、ネット上で候補者名や政党名が類推されるような有料広告を載せることができない*4
  • 一、平成22年の参院選から適用する*5
  • 一、違反者には罰則を科す*6


取り急ぎ、この法案は今年の参院選に間に合わせるために急造され、施行される予定らしい。
自民やその他の党が反対したとしても、民主党数の暴力wでこれを成立させるつもりであろうから、これが事実上の決定事項になると見ていい。


要点は、

  • 選挙に絡んだ発言は、事前に登録した者だけが、実名でのみしてよい
  • 候補者・政党を類推させる有料広告はいけない*7

で、特に「事前登録した実名者以外は罰則を伴う違法扱いする」というところ。
例えば、このさぼり記は一応匿名で書いている。まあ、本職の宣伝wが載っているし、そこを辿れば筆名も出てくる。*8
が、一応このさぼり記に限れば匿名。有料広告は出してないが、アフィリらしきものへの接続もある。
このさぼり記では民主党への批判がぐだぐだと書かれていたりするわけだが、ではこれは「事前登録されていない」「匿名」「広告も載っているブログ」に当たり、選挙期間中は特定政党・候補の応援または特定政党・候補の批判を書いたら、違法になっちゃうの? という。
民主党案を厳密に運用すると、というよりむしろ、恣意的に運用するなら、さぼり記による選挙期間中の政党・候補についての言及は違法で、僕は罰則を食らうことになる。
「広告の出てるサイトで匿名で言ったらアウト」をさらに広義に解釈するなら、blog全般に限らず、2ちゃんねるYahoo!掲示板、広告が表示されるTwitterクライアントもアウトになるのかも。


つまり、「ネット解禁」のようでいて、実はむしろ逆に「ネットの選挙運動への利用、政治へのコミットを著しく制限する」というのが、この法案の主目的だと断言できるような感じ。


昨今の民主党民主党議員、国会議員から市会議員に至るまでその後援者に至るまで全てが、「民主党にあらずば人に非ず」「民主主義革命に反対する反革命分子wは粛正すべし」くらいの勢いで、なんというか中国における悪名高き文化大革命*9のような、或いはスターリン独裁時のソ連のような、または戦前の青年将校の独走を押さえきれなくなったくらいの頃の旧日本帝国軍大本営とその周辺のような、学生運動華やかなりし頃の大学生達のような、あさま山荘事件における日本赤軍メンバーのような……。
まあなんというか、そーいう雰囲気にある感じ。


今の民主党って、学生運動の主役だった人達がそのまま患部^k^k^k^k幹部になっているわけで、学生運動的な気分や雰囲気から「革命的なんたら」とか「反革命分子」とか、そういう言葉が出てきたんだろうなと思うけど……。

若くして共産主義に傾倒しない者は情熱が足りない。
 年を取って共産主義に傾倒しているものは知能が足りない

共産主義がいいとか悪いとかではなく、毛沢東スターリン、旧軍首脳、日本赤軍、そして民主党
まあなんというか、権力を奪取した人間が最初にやるのは、反対者を粛正すること、或いは「反論の機会を法的・超法規的に奪う」こと、というあたり、時代が下ろうがどうしようが変わりようのないことなのかなあ。


僕らはこれから粛正されることになるわけです。
有権者が自ら選んだ独裁者に傅かない全ての者を淘汰する、といってはばからない政権与党によって。


誰だよ。
一度やらせてみろとか、政権与党にすれば現実に目覚めるとか、それでも自民よりマシとか言った奴は。

*1:批判検証のため、著作権法の例外が保証する範囲で引用する。ていうか、Yahoo!ニュースは記事ログの保存期間が短すぎてソースとしての有用性が低すぎ。

*2:選挙期間中のHP・ブログの更新は、今次も許可されてないように読める。産経の記事では「更新可能」とあるけど、民主法案骨子だと「前日までの更新内容が、期間中も閲覧可能」になってるし。どっちなの。選挙運動の費用を軽減するなら、一斉送信可能な手段(閲覧可能手段)を解禁しなければ、選挙費用の軽減に結びつかないと思う。

*3:これはなりすましを禁止すると同時に、情報発信者を事前に特定する目的。つまり、「匿名による情報発信」を事実上禁止するもの。実名による情報発信者が例えば「不都合な政治的主張」をしていたり、候補者の不実や不備、不正義を指弾した場合、それは後述の「罰則対象」に押し込められる可能性がある。

*4:これは「類推」というところがミソで、名前を名指ししていなかったとしても、それとわかるようなものだといけない、ということになる。例えば「Loopy」と書いたらそれは鳩山由紀夫を類推させるので、いけない、ということだ。

*5:今夏にはこれを適用し、民主党を批判する主張をネットに書くと違法にするぞ、というわけか。

*6:罰則ですよ罰則

*7:無料広告ならいいのかとか、どこまでが広告かとか、アフィリの扱いはどうなるのかとか、どこまでが類推かとか、例によって不備は多い。

*8:本名です

*9:そういや民主の議員が昨年末の事業仕分けのときに、「日本版文化大革命」とか言ってたねw

*10:……と、言われているが、本当のところはチャーチルの言葉ではないらしい。一之江君、ご指摘感謝。http://d.hatena.ne.jp/mobanama/20040729