月が綺麗だった

就寝時間も起床時間もめちゃくちゃになっていて、目が覚めたら19時をとうに回っていた。
室内は暗いのに、簾の隙間から何かオレンジ色の光が見える。
暖かい光に見えたので、一瞬光源が思い当たらなかった。
――街灯かな? それともお隣さんが常夜灯でも付けた?
……そんなもんあったっけ?
と簾を捲ると、やたら月が明るかった。
この家に東向きの窓はほとんどないのだが、月光は微かな隙間から室内を照らしていた。