プレイやん到着

今し方到着。
というわけけで、これから弄ります。
 
いろいろ弄ってみた。
所謂、ミュージックプレイヤーまたはメディアプレイヤーと呼ばれるものは、今巷に溢れている。最有力勢力はやはりiPodだろうか。ウンGBも入るということになれば、確かに他の追随は許すまい。
日頃物欲の赴くままに新製品に飛びついているせいか意外に思われがちなのだが、僕はiPod非所有者だったりする。
「えっ、絶対に持ってると思ったのに!」
Appleだから嫌いとか?」
……いや、そういうことじゃないんです……。
 
まず第一に、僕は携帯デバイス好きではあるんだけれども、同時に携帯デバイス好きにとって致命的なことに、「モノをよく落とす」迂闊者でもある。紛失するということではなくて、手が滑ってツルッと落とし、地面にガンとぶつけてしまうわけである。先日買ったばっかりの902SHももう2度ほど落としている。いまだに使っている(笑)Visor Platinumなど、ガワをアルミ削りだしの限定品に交換してある(そのせいで、ノーマルより70gも重いという本末転倒っぷり(笑))。これも落とすから。もちろんNDSも一度は落としている。携帯デバイス傷だらけである(笑)。
そうすると、「単価が高い」「HDD内蔵」のiPodも早晩「落とす」ことが予測される。いや、予測とかそんなもんではなく、確実に間違いなく床なりアスファルトなりに落とすだろうことは揺るぎない未来。そうなると……やっぱりちょっと不安なわけだ。
 
加えて、持ち歩く携帯デバイスの数を無闇に増やしたくない、というのもある。一時期、ウェストバッグに標準的に持ち歩く携帯デバイスの合計重量が1.5〜2kg近くあったことがある。持ちすぎである。ウェストバッグはどんどん巨大化し、その重量で腰も痛めたし。
アホウすぎる。
で、そんなアホウな自分にほとほと愛想が尽きたので、今はできるだけ携帯デバイスは統合する方向に志向している。
 
話をメディアプレイヤー(端的に言えばウォークマンに源流を発する「音を聞く機械」)に戻すと、この数年はMP3を携帯電話で聞いていた。
Vodafone(以前のJ-Phone)で、SH51、SH52、902SHとシャープ機を乗り継いでいる最大の理由は、「MP3の再生ができるから」である。以前からシリコンプレイヤーは幾らでもあったのだが、「チープでもいいから、再生機本体にスピーカーも内蔵しているプレイヤー」というのは意外にも少ない。この手のプレイヤーが、イヤホンを使って移動中に一人だけで聞くというパーソナルな用途に特化したものだからというのと、スピーカーを内蔵することで容積の巨大化とコストの上昇を避けるため、というのが妥当なところだろう。
もちろん、イヤホンで聞いたりもするのだが、付属品を持ち歩かなくてもスピーカーが付いている、というのは至極便利だ。僕の用途だと、イヤホンで一人で……よりも、スピーカーから聞くことのほうが多いからだ。
しかも、クレイドルに載せておけば勝手に充電もされるわけで(携帯と一緒に)、SHシリーズだと普通に2時間ほど充電して、5時間は連続再生できる。数時間聞きっぱなしということはないので、そんだけ再生できればコトは足りるのである。SDカードの容量を増やせば曲数も増やせるが、5時間を超えるほど曲入れてもしょうがねえし……電話もそんなに掛かってこないし……(寂)
スピーカーはSH51、53はモノラルで、902SHからようやくステレオになったが、音質などタカがしれている。が、このタカがしれたチープなくぐもった音で聞く音楽っていうのが好みである。ほら、アメリカの映画なんかで、ポータブルラジオを車のルームミラーに吊して、ラジオから流れるカントリーミュージックかなんかを鳴らしながらドライブ……っていうシチュエーションがあるでしょ。アレに憧れがあるので。
 
まあ、そんな理由で「メディアプレイヤーは携帯電話でいいや」と思ってきた。
今もそれで概ね足りているわけだだが、将来的にVodafoneから他のキャリアに乗り換えた場合に、「スピーカー付きMP3プレイヤー+電話付き」という端末は諦めなければならなくなる可能性がある。
そのときに乗り換えるプレイヤーの候補として、もちろんiPodもあるかもしれないが、やっぱり「スピーカー内蔵じゃないとなあ」というのが残る。
 
話がようやくプレイやんに戻ってくるわけだが、プレイやん+SDカード(大人パワーで512MB)+NDSで、なんとか「スピーカー内蔵のMP3プレイヤー」という条件の候補が出てきたかな、という気がする。メディアプレイヤーとしてはPSPも優秀だと思うのだが、いかんせん現状では電池の保ちがちょっと不安すぎなのと、僕の用途ではやっぱり「出かけた先でそんなに高画質&高音質は要求しない」ので、NDSくらいでコトが足りてしまうのであったりする。
 
とりあえず対応ファイル形式のファイルをSDカードにコピーしてしまえば、他に面倒なコンバートをしなくても動くっていうのはシンプルでいいと思う。フォルダは5階層までは対応しているらしい。まあ、それ以上深く掘っても自分が迷子になるのでそんなもんでいいだろう。
気になる音質についてだが、イヤホンを使って聞くのであれば問題は何もない。NDS本体のイヤホンジャックの他に、プレイやんのカートリッジそのものにもイヤホンジャックが付いているので、「同じ曲を二人で聴く」というラヴィ!な使い方も、それなりに考慮されているところが小憎い(笑)。音量調節は、プレイやんの機能として十字キー上下でできるが、これに加えてNDSについているボリュームでも変更できる。ボリュームダイヤル付きイヤホンを使うなら、音量変更は3系統で可能となる。
NDSの内蔵スピーカーを使って聞いた場合は、やはり「それなり」だと思う。ただ、この「それなり」というのは、一本ン万円のオーディオスピーカーなんかと比べた場合の話で、携帯デバイスに搭載された内蔵スピーカーからの音質と考えればそんなに極端に酷いとも思わない。僕はこの「それなり」っぷりが気に入っている。(前述の理由により)
 
NDSは見ていていろいろ気づかされることが多い。
先端機械を扱う(買い漁る)仕事をしていると、ついついハイスペック・オーバーパワーを求めがちだが、ある程度枯れたものを、必要最低限の操作方法やスペックで提供するというだけでも、とりあえずのコトは足りる。
「簡単にコトが足りる」
「必要以上の能力を期待しない/させない」
というのはNDSのコンセプト(子供やゲームをしない人に垣根を作らない?)にも合致しており、なかなか大切なことかもな、と思った。
使用者の身の丈に合った、または身の程に合った程度のこと、という奴。
いずれ、NDSプレイやんを足がかりに、本格的なもしくはより高度なゲーム機なりプレイヤーなりにシフトしていく中級者・上級者が育っていくこともあるのだろうが、そうした高級機に一足飛びには行きにくい「入門者」に門戸を開くという意味でも意義深い。
もしかしたら、NDSはいずれPSPに行くかもしれない人を育てる入門機なのかもしれん、と思う。また、iPodにまだ行ってない人(子供!)を発掘し、高級機にシフトさせるシリコンプレイヤー入門機かもしれない。SONYApple任天堂に感謝すべきかもしれない(笑)
 
ま、考えすぎですが。
 
でも、「これ一台あれば全てができる」ということにこだわり始めるとどうしてもオーバースペックになりがち。それを、

  • 「MP3はパソコンで作ってください」
  • 「データ供給はパソコンでね」
  • 「一応ソフトは付けますが(バンドルセットもあるが、単体のみのものもある)」
  • 「とにかく、パソコン持ってて、MP3ファイルはパソコンで作れるという人のための、支援デバイスですから」

と、完全に割り切ってるところが、控えめでいい(笑)
メディアプレイヤー付き携帯電話ですら、CDからのデータ取り込みを自力でできるのに、プレイやんはそれすらないわけで……いや、潔い。
 
というか、

  • 「パソコンというハード」
  • 「MP3/ASFファイルという形式」
  • 「SDカード&カードリーダー/ライターというメディアとコンバーター
  • 「場合によっちゃあ変換のためのソフト」
  • 「変換元のオリジナル音源」

……などなど、それがないとプレイやんは何もできない。それだけ外部依存度が高く、不完全なデバイスだと言えよう。
自己完結するにはハイスペックが必要だけど、自己完結しないならロースペックで充分。
その「ロースペックで充分事足りる」で成り立つだけ、「周辺環境」が充実してきているということなのかもしれない。
パソコンも持ってない人までが、訳が分からず行列してWindows95を買った(笑)狂乱の年から今年で10年。
10年という年月は、ライフスタイルもメディアやツールを巡る環境も緩やかに、しかし確実に変化させてしまうものだなあ、と、パソコン雑誌の編集部にいた10年前を懐かしく思い出すのだった。