試写会のこと

10/4の晩、「死づえ−噂霊」の試写会にお招きいただき、拝見してきた。
映画の内容について詳細な感想を述べると初見の方の楽しみを奪うことになると思うのでここでは述べない。
 
本編は「アクション激しい系」+「噂話系」の双方の特徴を兼ね備えたホラー映画であった。二話構成で、二話目は、一話目で積み重ねたルールがよく生きていると思う。
 
実話怪談では「これは実話である」というリーチをいただいているが、ホラー映画など創作ホラーでは「これは作り話である」というハンデを負っている。そのハンデを補って余りある「映像というインパクト」という武器は、観客の想像力の差を平均化する力があるわけで、読者の想像力に依存、それを励起して脳内に像を結ばせる文章のそれとはまた違った作業であると思う。
「実話であることを信じて貰う作業」と「実話ではないかと疑わせるほど巧緻な創作を仕組む作業」とは一見正反対なのだが、そうした立ち位置の違う方々の労作を拝見することは、大いに刺激を受ける。
 
監督の諸江亮さんは本作がメジャーデビュー作となるそうで、「超」怖い話シリーズをご覧頂いていた、とのこと。影響されたり影響を与えたりを相互に繰り返していくことで、いろいろなものが生まれたらいいですねー、と思う。
 
試写会会場には映画関係者の方々で賑わっていたが、津軽三味線映画「オーバードライブ」の筒井監督の姿も見えた。オーバードライブはここ最近の邦画の中でピカイチに好きな映画なのだが、監督の名前がどーしても出てこず(メイキングまでくまなく見ていたので、容貌から「あ。あの人だ」というのはすぐにわかったのだが(笑))、お声を掛けることはできなかった。
筒井監督は諸江監督の学生時代の恩師に当たる方なのだそうで、それについて伺っている折に実は諸江監督は僕の後輩に当たる方らしいことが判明。お互いに驚く。
世の中って広いようで狭いなぁ、と痛感する(^^;)