おもちゃのぶんぶく新装開店

町内の商店街に「おもちゃ屋」がある。
プラモデルからボードゲームから超合金から幼児玩具に至るまで、いろいろなおもちゃを扱うお店。子供の頃はこういう店はそこらじゅうにあったし、そこに親を引っぱっていくのがワクワクしたりした。クリスマスが近付くと「夢のような広告」が新聞に挟まってきて、こまめに赤丸を付けたりしたものだ。
が、トイザらスのような大手量販店の進出や、ゲームの発達は、かえってこういう「おもちゃ屋」という商売を減少させた気がする。もちろん、「子供の減少」とも無縁ではない。
で、うちの町内にはそういう昔ながらの「おもちゃ屋」がある。
もちろん、テレビゲームのソフトもカードゲームも売っているし、店頭にはガチャガチャ(ガチャポン)のベンダーもあるし、カードゲームを遊ぶプレイ台もあったりする。
その店が、しばらく前から建て替えということで仮店舗で営業していたのだが、近頃工事が終わったようで、ピカピカの新店舗で営業を再開した。鉄筋3階建て、上の階は恐らくマンションか何かも兼ねているんだと思う。でも、1階は今までと変わらず雑然とした山ほどの「おもちゃ」が並べられ、ゲームなんかが幅を利かせてはいるものの「大昔に仕入れして、売れなかったけどずっと置いている」ようなオモチャもやっぱり堆く積まれている。なんとなくそういうのが嬉しかったりする。
オモチャやゲームの多くは割引価格じゃなく定価で売られている。
よく子供がたむろしていて、店主が子供のおもちゃの相談役になっていたりするのを見かける。子供達は一枚100円くらいの単価の安いカードゲームやガチャガチャでお金を落としていくのだと思う。
この店は買い物をするとスタンプカードにハンコを押してくれる。カードが一杯になったら500円割引。
僕はこの店で、たまにおもちゃを漁ったり、定価のゲームを買ったりする。
池袋や新宿まで出れば安いのはわかってるんだけど、往復の交通費を乗せればすぐに定価と同じくらいになってしまう。それなら地元で買う。


先だって、うちの近所に越してきた悠稀天為くんが「マリオカートDSを買った」とかで、一緒に遊んでみたらおもしろかった。ので、晩飯を食いに行くついでにぶんぶくでマリオカートDSを買った。いっぱいになったスタンプカードで割り引きしてしてもらって、4300円。4000円分、新しいカードにスタンプを押して貰ったら、2枚目が一杯になった。
「これで次も500円引きだね」
次がいつになるかはわからないけど、「スタンプカード」を握りしめておもちゃ屋に行くのをワクワクする、そういう子供の頃の気分を少しだけ味わった。
新装開店の景品はスイート・バンビのポーチ。これは38歳の男にはちと合わないので、行きつけの飲み屋の大将の娘さんに譲る。


「ああ、これも」
と、商店街の歳末大売り出しのくじ引きの引換券を貰った。
一等はディズニーランド&シーの入場券、二等はギフトの引換券、庭の湯(豊島園)の招待券、三等はなんだっけ。
今年も終わりが近いなあ。
仕事はこれから忙しくなっていくんだけど。