DSブラウザのレビュー(3)

DSブラウザーwikiからのネタで。

mixiなどのような毎回IDとパスワードを求められるサイトにDSから楽にアクセスする方法。

https://mixi.jp/login.pl?next_url=home.pl&email=[email]&password=[password]

をbookmarkに登録してから編集モードにし、[email]を登録メアドに、[password]を登録パスワードに(いずれも[ ]は削除)して保存。以後はID&パスワード登録済みのブックマークからアクセスしよう、というもの。
https://〜以下を書くのも面倒という人は、DSBwikiの該当ページからどうぞ。


これは会員制サイトやID&パスワードの入力を求められる様々なサイトに応用可能と思われる。


似たようなことをランチャーソフトではやってるのに、DSに応用というのに気付かなかったorz
DSブラウザについては「使いにくい」「馴れると便利」という意見が拮抗しているのだが、馴れると便利という意見について言えばPCのショートカットキーやダイヤモンドキーと同じようなものかもしれない。マウス&ポインタ操作のGUIが一般的になっている現在のPC環境から言えば、ショートカットキーやダイヤモンドキーを覚えるのは確かに面倒で、マウスがなかったら多分PCは凄く面倒な機械だと思うし、過去のPCは面倒な機械だった*1
一方、マニアの言い分(笑)を代弁するなら、マウス&ポインタGUIが一般的になった現在ですらも、ショートカットキーやダイヤモンドキーは使えるし、それ使った方が遙かにPCは便利なのである*2


DSブラウザも同様で、「不便は不便なりの工夫」をすると格段に使い勝手がよくなる。
PC-9801時代、98そのものは(ハード&ソフトの)値段が高いわ、値段の高いソフトはかゆいところに手が届かないわ、通信費はバカ高いわ、おまけにメモリもバカ高いわ*3、当然ながらでかいソフトは動かないわ、OSはシングルタスクだわ*4、とにかくなにもかもが貧弱だった。
貧弱だったからこそ、いろいろな単機能小容量のフリーウェアを並べたbatファイルを書きまくったりして工夫を凝らしたものだった。


DSブラウザは、PCや携帯に比べたら全然便利じゃないと思う。はっきり言って。
でも、PC-9801の時代に様々な単機能フリーウェアがあったように、今はOperaで動くJavaScriptやPealなんかがあり、そうした情報をかつてPC-VANNiftyでやりとりしていたように、今は2ちゃんねるwikiがあるわけで、なんともはや便利な時代になったもんだなや。


ともあれ、「おもちゃをちまちまチューンナップをする」のが好きな人にDSブラウザは向いているのかもしれない。「金なら払う。最初から全部入りをくれ」という懇切丁寧なメーカーPCを買うような人や、「高性能!高機能!」を志向する人には向いてない。


だからこそ任天堂はDSブラウザをあんまり大々的に宣伝せずに、ネット販売でのみ扱ってるんじゃないかな、という気もする。
これは子供のためのサブブラウザじゃなくて、大人(またはネット廃人/ネット老人)のためのおもちゃだなあ、と。



ところで、先だって「蓋を閉じてネットワーク接続を切ればバッテリー長持ち」と書いたような気がするのだが、「サイトをひとつ読み込んで、蓋を閉めずに放置」してみたところ、3〜4時間経ってもバッテリーが持っているところを見ると、バッテリーを特に喰うのはWi-Fiと通信をしてデータのやりとりをしているとき「だけ」ということなのかもしれない。
ぶつ森やマリカなどはリアルタイムにパケットが行き交ってるわけだから、当然Wi-FI通信してる時間も長くバッテリーの消耗も早い。が、DSブラウザの場合はネットワークと接続していても、データを読み込んでいるとき以外はWi-Fiとの接続は内部的にオフまたは休止になってるんじゃないのか? という気がする。


「携帯に比べてDSブラウザ使えねえ!」という意見が多いのだが、使うべき用途とメリットが違うのかも。

端末 通信費 アクセスポイント 画面サイズ 入力方式 電池消耗
DSブラウザ 無料 少ない(家/hotspot) QVGA 手書き/ソフトキーボード 頑張れば20時間弱
PSP 無料 少ない(家/hotspot) 480x272 ボタン 不明
携帯電話 高い どこでも QVGA 通話ボタン 機種によるが連続3〜5時間程度
家PC 固定 家固定 XGAUXGA キーボード AC電源
ノートPC 固/従 家/hotspot XGA前後 キーボード AC電源/内蔵電源で5時間程度


DSブラウザを「携帯電話の代わりに、どこででもネットが出来る機械」を期待すると失望する。どちらかというと、以前SONYが出していた(そして失敗して撤退したw)エアボードタブレットPC+テレビ)から、動画/フラッシュなどの再生能力を省いた、「(屋内専用)持ち歩き簡易ブラウザ」と見たほうがいいかもしれない。
家の外にホットスポットがあれば使えるかもしれないが、それはあくまで「開放された無線LANがある場所に行った場合」。

DSvsPSP

これは「妊娠vsGK*5」の論争では必ず言われる比較で、PSPは画面サイズが大きい、その他の「見栄え」でDSを圧倒している。ただ、通信に必要なアクセスポイントの制限はDSと変わらない。画面が大きい、とは言っても、ネット利用が「画像を見る」「動画を見る」のでなく、例えば「携帯電話向けにチューンされた携帯用サイトを見る」程度の利用目的だとしたら、実は両者にはそんなに差がない。
もちろん「出先で映画を見たいんだ!」という人もいるだろうし、PSPはそういう用途を推奨しているポータブルメディアプレイヤーでもあるので、それは否定しない。
が、「回転部品がある限り、バッテリー消耗と部品損耗からは逃れられない」といういにしえからの掟(笑)にあるように、PSPはバッテリーの点で圧倒的に不利。
携帯機は「電源がないところで使う」ということを考えると、アンビリカブルケーブルなしで長く使えるDSは、PSPにその点で勝っているとも言える。

DSvs携帯電話

これもよく言われる比較。
「いつでもどこでも通信する」「いつでもどこでもメールもやりとりする」というユビキタス性に注目するなら、携帯電話は明らかにDSより勝っている。
現時点では、DSはwebメールを利用する以外にメールを送受信する手段がない(が、それを使えば解決はできる)上に、外に出かけてしまうとアクセスポイントの確保が難しく、電波到達範囲が圧倒的に広く普及している携帯電話にはまったくかなわない。
DSが携帯電話に勝てるのは、「連続使用時間」「画面の広さ」「入力の手間」くらいかもしれない。(携帯電話の待ち受け待機時間は除く)
画面の広さから言ってしまうと、スマートフォンを除いた一般的な携帯電話の画面サイズはQVGA。これはDSの二画面分のサイズと変わらないのだが、DSは解像度は低いものの画面そのものは携帯のそれより大きいので見やすい。
携帯電話によるネット利用は「どこででも使える」という点に特化している。
DSによるネット利用は、「使えるところでデータを拾う」「拾ったデータをネットと通信しないでローカルで参照する」というような使い方になるのではないかと思う。例えば、「サイズの大きいテキストファイル」を読み込んでおいて、ネットとの通信ができない移動時間に読む、とか。要するに「2ちゃんねるのスレを丸ごと読み込んで読む」などの使い方だ。
2ちゃんねるのスレは、スレ1個ずつがひとつのDATファイルになっているのだが、そのファイルが480kbを超えると「サイズ警告」が出て、500kbを超えると書込が出来なくなる。
つまり、テキスト(と若干のタグ)で500kbまで一気に読み込むことができれば、DSでは表示可能だ。*6
500kb読み込むとそれを読み切るのには数時間はかかるので、その間はアクセスはしなくてもよい、ということに。後は連続使用によるバッテリー勝負になるわけで、そうなるとDSに軍配が上がりそうな気がする。

入力の手間については、携帯電話によるアクセスに馴れている人は超人的なキー入力をする(笑)ので、一概にはどちらが、とは言えない。が、手書き(平仮名)入力+ATOK予測変換の組み合わせは案外強力で、「馴れ」の問題を克服できるとしたら手書きATOK予測変換は結構使いやすいものになる。*7

DSvs自宅PC

「結局DSブラウザって家から持ち出せないじゃん。家でネットやるんだったらPC使った方が手っ取り早い!」
これは至極当然な話で(笑)、PCの前に座ってDSブラウザでクロールするのははっきり言ってアホである(笑)
が、PCを持ち込めないところってあるじゃないですか。
トイレとか(笑)
すでにDS用防水パック(ジップロック)が出ていて、「風呂にも持ち込める!」という感じらしい。さすがに風呂に持ち込もうとは思わないけど(^^;)、電源制限なし、画面デカい、動画他の表示制限なし、ということを考えたら自宅PCの圧勝だ。
が、やっぱり「ちょっと持ち歩きたい」「持ち出したい」というときに、自宅PCはでかすぎる。
寝床で転がって見るとか、そういう使い途には自宅PCは向かない。

DSvsノートPC

「だったらノートPCでいいじゃん。自宅で使えて、フルに動画表示もできて、ホットスポット拾えば外でも使えるじゃん。風呂は無理でもトイレにも居間にも寝室にも持ち込めるぞ」
そりゃごもっとも。


つまりは、DSというのはノートPCの機能を省いてブラウザ機能のみに特化させたものなんじゃないのか、というところに落ち着くんじゃないだろうか。
「持ち歩いて使う」とき、ほとんどの場合は実は「閲覧」しかしてないのである。
しかも、「閲覧」をしているときというのは、だいたい「同じページを集中して見ている」。
ということは、「見られる」「長時間見られる」「ちょっと書ける」を最低限満たしてやればいい、ということになる。


こうして並べてみると、DSブラウザの(というかDSの)最大のメリットは、「とにかく電池が保つ」というところにあるような気がする。携帯の待機時間にはもちろん叶わないのだが、連続使用した場合の携帯電話の電池の保ちの悪さは「コンビニでも電池が買える」という方向でフォローされてはいるものの、経済性(通信費も)を考えると、携帯電話は「高い」という事実は否めない。

安く。できるだけ安く。
アクセスポイントさえ確保できれば、とにかく安くブラウジングできるのは確か。
不便な部分をどう克服するか? は、それはそれでパズルのようでおもしろいといえばおもしろい。
DSブラウザは、即断即決アクションゲーマーには向かない。
パズルのようにしゃぶってこそ。



と、しておきたい。

*1:だからマニアのものだったんだとも思う(笑)

*2:僕はキーボードのキートップが削れて刻印が見えないのだが(^^;)、そこまでキーボードを酷使するのは書きもの屋だからというだけではなく、マウス使用頻度が非常に低く、おまけにファンクションキーもほとんど使わない分、キーボードに負担が掛かっているものと思われる。そりゃキーボードも壊れるってもんさ(^^;)

*3:信じられないかもしれないのだが、現在512MBや1GB、2GBを当たり前に積むようになってきたいわゆる増設メモリの類も、当時は128kb、512kb、すごく奮発して1MBという世界だったのだ

*4:WindowsマルチタスクOS。シングルタスクとは、「いっぺんにひとつのことしか処理できない与太郎的OS」のことで、WindowsMacOSのような並列複数処理ができるマルチタスクOSは聖徳太子的OSと言えよう

*5:SONY信者は任天堂信者のことを「妊娠」と呼び、SONY信者は任天堂信者を「GK(ゲートキーパー)」と呼ぶ。

*6:そして、表示可能だった

*7:そういえば、句点(。)が一発変換されないのが気になるのだが、あれは裏技でもあるんだろうか。