手術本番

このエントリーを書いているのは9/14なんだけど、ようやく見えるようになってきたので、術前検査+当日の話などを。

術前検査(9/11)のこと

まず、9/11の術前検査では、視力測定、乱視測定、眼圧測定なんかを。基本的にはCの方向を言ったり、目玉に風吹きかけられたりと、装置を覗くような痛みのない検査ばかり。ちょっと眩しかったりする程度。
術前検査の最後には眼球に直接触って検診する検査というのがあって、これは事前に「瞳孔を開く点眼」と「点眼麻酔」をする。といってもそうたいしたものじゃなくて、目薬さされるだけ。5〜10分も待ってると瞳孔が開き、さらに麻酔も効いてくる、らしい。(自分で目玉に触るわけじゃないので、麻酔が効いているかどうかよくわからない)
瞳孔を開くのは、角膜の奥の網膜細胞が正常かどうかを見るために、瞳孔を開いて見やすくするのだそうだ。
医師が何かで眼球をぺたぺた触るのだが、何しろ「見えない」のと「なんにも感じない(麻酔が効いてるから)」ので、なんやらよくわからんうちに終わった。痛みは感じてない。

ここまでが、9/11の話。

手術当日(9/12)のこと

当日は、手術開始の一時間前に病院へ。
手術料金の支払いは事前に済ませておく。術前検査と手術が三日以上離れている場合は振り込みが、またはローンなども使える。僕は検査の翌日に手術も入れていたので、当日現金で。
また、生命保険給付金(国保や健保ではなく、民間の生命保険のほう。僕の場合は日生)で、「レーザー角膜矯正出術」の給付が受けられるのだが、このために診断書が必要なので、これもこの段階で渡しておく。

検査前に「手術のガイダンス」「手術後の投薬」「保護用サングラス」などについての説明があった。保護用サングラスは花粉症用のもので、風・雨・埃などが入り込まないような構造になっている。若干色が付いた黒っぽいタイプ(ワンサイズ)と、透明のもの(S/M/Lから選べる)があり、自由に選べる。僕は黒っぽい奴を。

術前の最終検査があるが、これも基本的には視力測定と乱視測定と、なんか機械を覗くだけ。痛みはない。
最後に眼球を覗き込む検査があって、問診。これも眩しいだけで、術前の質問なんかは最終的にここで終わり。

ここからが手術本番。
まず、トイレ(笑) 安静時間も含めて1時間ほど掛かるので、トイレはこの時点で済ませておく。

履き物を自分の靴から手術フロア内のサンダルに履き替える。履き物は脱ぎやすい&履きやすいものを履いていったほうがいいかも。編み上げブーツは避けましょう。
最初に術前麻酔。といってもこれまた「消毒薬」「抗菌薬」「眼球麻酔」の順に矢継ぎ早に点眼される。目薬が苦手な人でも、看護師さんがやってくれるので問題なし。(これは術前検査時の点眼も同様)
5〜10分ほど麻酔が効いてくるのを待つ。

次にイントラレース・レーザー室へ。
イントラレースレーザーは角膜にフラップという蓋を作るために照射されるレーザーだが、当然ながら目玉に直接触れるわけでも、可視光線が出るわけでもない。
ここではリクライニングチェアを平たく伸ばしたようなベッドに寝かされる。
頭の位置を固定するのに、右、左、顎引く、上げるなどの微調整を行う。(実はコレの方が時間掛かってたような)
その後、右目から手術開始。
まず、下瞼をビニール製のテープみたいなもので引っ張って固定。
次に上瞼も同様のテープみたいなもので引っ張って固定。
この段階ではまだ瞼は動くんだけど、そこになにかプラスティック(?)製の穴の空いたキャップみたいなものを眼窩にはめ込むような感じで固定してた。こうなると、瞬きを自分でしたつもりにはなっても瞼は閉じないらしい。意識して頑張って開いていなくても、(瞬きしちゃっても)瞼は閉じないので大丈夫とのこと。
で、イントラレースレーザーがちかちか言ってるうちに、「ハイ終わり」
あれ? もうっすか?
チカチカ光ってるのはレーザーなのではなくて、目玉の注意を向けて視点を固定するためのものらしい。赤い光と緑の光がちかちかしてた。
レーザーが来る瞬間と終わる瞬間に、パチッと来る感じがした。軽い静電気みたいな。でも、痛いわけではないし、熱いわけでもない。痛みや熱は全然感じなかった。
軽く消毒(なんか点眼)して、左目へ。こちらも手順は同様で、時間にして片目につき所要時間2〜3分、レーザー当ててた時間は正味30秒くらいじゃないかなあ。ほとんどは「上向け、右向け、瞼固定」なんかに当ててたような。

これが終わると、看護師さんに手を引かれてエキシマレーザー室へ。
フラップを作り終わった直後はなんか何にも見えなかったが、なんとかサンダルを見つけて立ち上がる。
エキシマレーザー室のベッドはイントラレースレーザー室のベッドより完全に平たい「ベッド」。
ここに寝て、頭の位置を決める。もう少し右に行け、顎を引け、といろいろ指示されつつ、やっぱり場所決めに結構な時間がかかったような気がする(^^;) それでも5〜10分くらいかな。
その後、イントラレースレーザーのときと同様、片目ずつ手術。
瞼を下、上の順にテープで引っ張って、開瞼機という瞼をくわっと開く筒みたいなもので固定。
このへんはフラップ作るときと同じ。目の細い人、小さい人は「はいもっと開いて」と言われる(笑)
もしレーシックに「痛い」行程があるとすれば、唯一この「瞼を開く」ときかも(笑) ただ、言われているほど耐えられないほど凄い痛み、ということもなかった。

で、まず最初にするのは、点眼消毒。でフラップを医師がイントラレースレーザーで切ったフラップを開く。緑色の光点を見ているように、と言われる。これも視点固定して眼球が動かないようにするためのようだ。
そのうちに、視点固定しているのに緑の光点が外側に動いていってしまう。フラップがめくられているため、だと思う。
フラップがめくられるときにピンセットの先が見えたら先端恐怖症の人はたまらんのではないか、なんて考えていたのだが、心配はいらないと思う。
だって、何にも見えないんだもん。
フラップをめくっちゃうとますますもって「暗闇に赤や緑のぼやけた何か」がちかちかしてるだけで、なーんにも見えない。
何が始まるのかなー、とドキドキしていると、
「22秒です……10秒です……5秒です」
「20%です……30%です……50%です……80%です」
というカウントダウンとカウントアップが聞こえる。
僕がこのときにイメージしていたのは、宇宙戦艦ヤマト波動砲
なんとなく、カウントゼロになったら目からビームが出て遊星爆弾を破壊しそうな勢い。
が、そういうビームが出ることもなく、右目終了。
「水を掛けます」
のあと、開かれたままの目玉に、じょぼじょぼと水(消毒液か生理食塩水かなあ?)が掛けられるのだが、麻酔が効いているのもあって特に感覚はなし。この後、フラップが閉じられる。フラップを閉じて、もう一度水掛け。
料理に使うシリコンのしゃもじがあるが(ジャムやケーキの生地をボウルから無駄なくそぎ落とすのに使うアレね)、あれの極小サイズっぽいもので目玉の表面を撫でていた。これは、フラップを元に戻したあとに皺が出来ないように圧着させるための作業らしい。が、これも「たぶんそうだと思う」というくらいによく見えない(^^;) フラップを閉じて目からそのシリコンの器具が離れていくのが見えたので、「ああいうもので撫でてるんだー」と判ったくらいで、やってる最中はとにかく見えないのである。目玉の表面に近すぎるので(^^;)

同様に左目も施術。
行程は同じなので省略。
やっぱ目からビーム出るようにならねーかなー、と想像しているうちに終わってしまう。
両目の作業時間は20分ほどと言われていたが、そんなに掛かっていない気がする。やはり照射時間や蓋空け蓋締め消毒などに掛かってる時間よりも、頭の位置決めの時間のほうが長いくらいだったような。

エキシマレーザーの手術が終わると、手術行程としては全て終了なのだが、薄暗い安静室に通されて一応痛み止めみたいな点眼をされる。
イントラレースレーザー室からして薄暗かったし、エキシマレーザー室も薄暗かったし、安静室も薄暗かった。
安静室はカーテンで仕切られた個室になっていて、オルゴールアレンジの音楽がかかっていた。オフコースのI LOVE YOUと長渕剛の何かと吉田拓郎の何かとあいのりのテーマソングの何か。曲名はよくわからず。
20分ほど安静にした後、「もういいですよー」と呼ばれ、靴を履き替え、荷物をロッカーから取り出して、そのまま受付は通らずに帰ってよし、となる。

手術当日は「目に風、水などの異物を入れる、瞼を押さえる、こする」などは厳禁なので、支給された「保護用サングラス」を掛けて帰ることになる。
この時点では瞳孔を開く薬や麻酔、痛み止めなどが効いているせいか、世界はソフトフォーカスが掛かって「サスペンスドラマの再現シーン」みたいな感じになっている。若干ハロとグレアが出ているようで、何を見ても美しく見える(笑)
病院を出て、とりあえずトイレに立ち寄り最初の点眼を行う。
リンデロン液、クラビット液、ヒアルロン酸系の涙液補充液(ドライアイ予防)、それと痛み止め。抗菌、抗炎症、涙液補充、痛み止め、という感じで、これを手術当日は1時間ごとにさすとのこと。3時に病院入り、検査と説明の後、4時ちょっと前から手術、4時半には病院を出た。4時間以上は寝てはいけないそうなので、少なくとも9時くらいまでの間は1時間毎ごとに目薬を差す、目薬マシーンとなって過ごす。

目がぼんやりしていて見えないし、しょぼしょぼするので、パソコンは見えん、テレビは見えん、本は読めん、ゲームはできん。
なんというか、僕の趣味と生活の大部分は「目を酷使すること」だったということを今更ながら発見した気がする。
かといって手術当日から一週間は酒も禁止だし。
行きつけの飲み屋に行って「ウーロン茶とシャコ」という、大変悔しい取り合わせのものを摘みつつ、話なんかをして帰る。

その後、やっぱり目が見えないので仕事できん……のだけど、ムリムリ「急ぎのメール」のみ処理してみる。
が、やっぱり見えない(^^;)。
薬が効いてるせいもあると思うんだけど、文字が「ピントはあってるけど二重三重に見える」という状態でくらくらしてきたので、短いメール返信をいくつか書いた後、目休憩。
そして、何件か電話連絡をさせていただく。

その後、ふて寝……じゃなかった早寝。やることないから。
寝るときはサナヤンも言っていた「おっぱいパッドみたいなもの」を瞼を覆うようにかぶせる。これは寝てる最中に無意識に目をこすらないように、というものらしい。
僕は寝るときに寝床で本を読む長年の習慣があるのだが、これ付けると文字見えない(^^;) しかも一週間は続けろっていうし。
とりあえず貼ってみたらなんとも情けない顔になった。なんというか、手術中の仮面ライダーみたいな感じ?
悔しいので、固定の意味も含めてヘアバンドをパッドの上にかぶせてみる。自分から見えないけど、気分の問題。

時間の都合で本当はまだ全然眠れない時間だったのだが、寝る薬など飲んで無理矢理床に就く。
ということでこの日はお休みなさい。