来年の打ち合わせとか

来年夏の仕事について打ち合わせなどしてくる。
子細は語らず。また形が見えたら、ということで。


この三日ほど、酒の入るイベントが続いたこともあって、基本的に仕事脳をオフにしていた。そのため、メールなどが溜まる溜まる溜まる……。イオタやその他の原稿の読みも始めなければならない。お待たせしちゃってる皆様すみません、今夜から平常進行に復帰です。


ところで、この三日間の間に、書き手の人、出版社営業部の人、大手書店店長の人などなどといろいろ語り合う貴重な機会を得た。「今元気がいいジャンル」「元気がよさげに見えて苦戦が多いジャンル」「気の毒だけどさっぱりのジャンル」などなど、書き手や編集部の思惑と別のところにある、消費者にもっとも近い現場の人々が感じる実感や手応えのようなもの。書き手はそういう営業、小売店の事情に接する機会を多く持てないため、今後の方針を立てる上でも大いに勉強になった。
自分の中の正義とか自分なりに希求するものと、自分に求められているもの、自分には求められていないけど最終消費者が求めているもの、そういうものとのギャップを埋めることを迎合と言うのか、フォローアップと言うのかは意見の分かれるところかもしれない。僕の方針としては「読者をがっかりさせない、版元に損をさせない、自分のやりたいことはそれを満たした上でする」ということで、今後も頑張ろうと思った。


そういう現場からの情報蒐集中、実は凄く可哀想なジャンルがあることを耳にした。他人事ではないので、その趨勢をとても心配している。ブレイクして売れてくれるといいと思う。でも、一冊だけが大ヒットしても、それに追従する類似商品(後追い)が次々に続かないと、せっかく拓いた市場がその一冊で終わってしまう。可哀想なジャンルの中で頑張ってる一冊がブレイクしてくれれば、後追いも参入しやすくなる。その意味でも、頑張って欲しいと思っている。
パイが少ない市場だけに、パイの奪い合い(読者占有)、ライバルの潰し合い(供給者の制限)に走りがちなのかもしれないけど、だからこそうまいパイを焼けるライバルの参入を促進し、奪われあうパイの数そのものを増やし、後追いの増加を歓迎し、共存共栄で行ったほうが、全体の存続率は上がるんじゃないのかな、と思うのだ。
直接自分とは関係のないジャンルの話ではあるものの、やはり本を書く、本を出す仕事の一翼を担う人間としては、そうした可哀想なジャンルの行く末が非常に心配になったりもする。
やはり頑張っていただきたい。