仕事未満の企画書

訳あってちょっとペンディングになってるとある企画のための台割案と企画書を書く。
素材案がたくさんあって、それをどう見せるとか、どうアプローチするとか、どういう流れ&コンセプトを提示するとか、そういうことを考える。
素材案がひとつかふたつしかないと、夢は膨らんでも説得力を伴ったアピールは出てこないのだが、素材案がわらわらと集まってくると、「ここが足りない」「こういうピースで埋めれば、こういうアピールが可能になる」というようなことが見通せるようになってくる。また、素材案の切り口次第では、いろいろな見せ方もできるようになってくる。
ここでどういうアプローチを選ぶかというのが、購買層への説得力の補強に繋がる。同じ素材案から複数のアプローチができ、それによって全体の雰囲気もがらっと変わってしまう。


この企画案は別に怪談本じゃないんだけど、怪談本もその点は同じで、「集まってきた体験談をどういうアプローチで怪談の体裁にするか」「個々の怪談をどういうコンセプトで一冊にまとめるか」というところが面白くもあり腕の見せ所でもある。単に怖さの強度で並べるのか、関連するキーワードを紡いでいくのか、傾向別、舞台装置別、そして緩急に頁数の拘束――いろいろな要素を条件として、その素材案を全部生かし切る台割を作るのは大変だけど、それがツボにはまるととても嬉しい。

そういうところなんか、やってて「やっぱこれってパズルだよなあ」と思う。


台割案がまとまったら一度相談して、そうしてまた暫く寝かせて足りないピースを考えようと思う。
陽の目を見るのはまだ先か、もしかしたら見ないかもしれない(^^;)かもわからない。そういう息の長い企画案がいくつか並行したりしているのだが、そういうのがいつか陽の目を見たら『構想○年』と大々的に書いてやろうかと思いつつ、いつも忘れている。
禍禍とか弩3、弩4とか、ネタを拝領したときから本になるまでを数えたら結構な年数が掛かってるんだけどなあ(^^;)